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Weblogリーディング企業、SixApartはソフト企業かASP企業か

2004/05/17 00:25
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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SixApartよりBlogger待望のMovable Type 3.0.が出ようとしている。スパムコメントを防げるユーザーの相互認証機能TypeKeyなどの導入はユーザーコミュニティにも待望されており、前評判も高い。

日本でのビジネスも順調に成長しており順風満帆かと思えるSixApartだが、社内にconflictを抱えているのでは?という指摘が出ている。

矛盾を起こしているのはライセンス体系。ソフトウェアであるMovable TypeとホスティングサービスであるTypePadの二つが有償で提供されていることになるが、TypePadを気にするとMovable Typeの可能性を削いでしまうことになり、Movable Typeの可能性を追求すると、TypePadとの矛盾を引き起こしてしまう。アプリケーションを持っていてASP化を検討している、もしくは、ASPサービスを持っているが一部顧客に向けて特別にカスタマイズを施して事実上ソフト提供を行っている企業など、同じ状況にある企業は日本でも多いことだろう。一つ事例となりうるので取り上げてみたい。
 
 
問題の所在
 
BuzzMachineにてこの問題がまとめられている。

SixApart has never wanted others to become major-league hosts of Movable Type software because the founders have long planned to make a business from paid hosting. And that's fine... except now that they are charging for their software, the conflict of interest immediately comes to the surface: SixApart is not selling generous licenses to MovableType because it does not want to affect TypePad's business; it does not want to enable competitors (even small ones) to TypePad and it still wants to motivate people to move to TypePad (and pay a monthly fee instead of just a one-time fee: an annuity, we call it in the biz). But that, in turn, is clearly hurting the software business. They are in inherent conflict.

これまではホスティングサービス中心で来ており、ソフトライセンスは二の次だったが、梃入れしようにも伸びないだろうということである。
 
 
解決の方向性

解決策として出されているアイデアは

So I suggest that SixApart, the software company, divest TypePad, the service company, so that each can serve its customers optimally and so that each can become as profitable as possible.

Typepadの分離売却。

理由としては、二つのうち一つを取るのならルーツであるソフトの方というだけでなく、もう少し深い思いが綴られている。

Startups always try to do too many things and that means they will end up doing nothing extremely well. SixApart started by developing a damned fine product in Movable Type but it has neglected that product (as I've whined) as it built its hosting business at TypePad; now it is handicapping the software company to advantage the hosting company; and when the protests get loud enough, it will surely neglect the hosting company in turn. The company is small with extremely limited resources and management focus and trying to run these two very different businesses is difficult unto impossible.

まず、スタートアップであり経営資源に限界がある中で分散させると勝てるものも勝てなくなるというのが一点目。次に、伸びる余地の多いソフトを最大限伸ばすにはホスティングサービスが足枷になっているというのが二点目。どちらの事業が競争力があるかは意見の分かれうるところだろう。ユーザーやデータまでを含めた系全体で考えると、一概に良いソフトを提供していれば良いと昔ほど単純に考えにくくなっている事業環境である。
 
 
解決の方向性:異論
 
このエントリに対して、A VCがコメントしている。まず、

I agree completely with Jeff that competing with your customers is very problematic. SixApart needs to resolve that issue one way or the other.

問題化しているという点では賛成。しかし、分割が対策という点については異論を提出している。

But I don't agree that a company can't be in both the software and services business. It's hard to do both well, particularly in a young company. But i've seen some that have been able to pull that off. And there's a big benefit if you can. It would seem to me that much of the technology between Movable Type and TypePad is shared. And certainly the developing standards like TypeKey and TrackBack are more valuable if they are shared between both product and service.

TypeKeyが特にそうだが、ネットワーク上で実際に稼動して一定量のユーザーを獲得して初めて価値が出るサービスである。自前でホスティングを提供出来ることは必ずしも悪いことではない。また、ソフトモデルに依存すると、インターネット上にどうしても複数のバージョンが共存しやすくなる。相互運用性が高く求められるソフトなため、あまりに古い版が残っている環境は数年先の事業展開に足枷となる。ホスティングとNifty、OCNのようなOEMの形でバージョンアップを安定的に行う方が全体としてサービスレベルが安定する。大口卸を押さえているメーカーのようなもので、この方が管理コストは低い。

ソフトから(Web)サービスへの移行が目に付く昨今、マネジメントが難しいから絞るというよりは、マネジメントを強化してでもホスティングを維持する方がメリットが高いのではないかと個人的には考えている。が、伊藤さんの考えはどうなのだろうか??

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先週は興味深いTrackBackを二本頂きました。
NeonsWiredSymphonyよりの国内電機メーカーはWintelになる夢を見られるかというタイトルのハイテク産業論。もう一本はisologueよりのバブって、いーとも!とのファイナンス論(krpさん共々いつも拝見しています)。お二方ともありがとうございます。

ファイナンス論一本だとCNET上では扱いづらいのでどうしようか思案していますが(何かあればこちらで取り扱うかと思います)、ハイテク産業論については、そのうち関連エントリがありそうなので、後日テーマ的に近い時にでも改めまして。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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