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ソニーのVAIO一新にネットワーク家電の未来は見えるか?

2004/05/12 01:39
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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気になるニュースが続いている。幾つかクリッピングをしてから本題に。

IBM、ウェブベースのデスクトップソフトを発表へ--1ユーザー月額2ドルで提供
IBMはコンピューティングをネットワーク中心で捉える方向にシフトしてきている。WebSphereなどミドルウェアをキーポイントと判断したのはガースナーの時代になるが、デスクトップ領域の取り込みにも触手を伸ばした今回の動きは巨視的に見ると、GoogleのGmailと同じ試みに分類できる。「ユーザーはブラウザだけあればいい」という発想はクライアントが軽くなり、かつ重い処理を行う必要が減るのでユビキタス環境を作りやすい。機器間のデータ連携も行い易いことから、家電と自動車がネットワークに組み入れられるにつれ勢力を増すシナリオも考えられる。

グーグル、収益拡大に向け新ツールをまもなくリリース
単なる広告商品の梃入れではなく、情報を届けたい人と欲しい人のマッチングを最適化する、というGoogleの長期目標の一環として理解したい。サーチとAdSenseのコンテンツマッチングを繋げていくとなるとセットの商品になっていくため、囲い込みの力が強まることも予想される。

ついでに、GoogleはBloggerをリニューアルしている。デザインの追加やメールでのエントリーなどの機能追加はされているが、Blogger単体でのサービス強化と捉えるのがまだ良いように思われる。米国では、結構噂になっているので何か面白いコメントが拾えれば随時紹介したい。
 
 
VAIO一新から見えてくるもの
 
さて、本題。ソニーがVAIOシリーズを一新した。目指すべき地点は

AVとPCの壁を破壊し、ハードウェアの形状に縛られることなく、生活のあらゆる場面で高品質な映像や音楽を簡単に楽しめるという、高次元のAV体験を提供する

と家電とPCの区切りの無い世界。利便性を考えると、最終的なイメージとしては間違いない。しかし、当面の問題として、どのようなルートで、どのようなステップで実現していくのか、またどのような技術体系が主流になるのかはユーザーにとってもメーカーにとっても問題となる。

ネットワーク家電市場の大きな方向性について、中でのソニーの位置づけについても「ネットワーク家電は顧客の用事を片付けているか?:製品市場の現状(2)」にてまとめている。

細かい機能の付いている付いていないではなく、マーケティングメッセージから各プロダクトの位置づけを進みつつある方向を整理したい。

まずデスクトップ。デスクトップはストレートに「テレビとどう棲み分けるか」がポイントとなる。今回のVAIOシリーズはディスプレイの品質向上に力が入っており、単身世帯で「テレビとPCと二台も買うと置き場所もたくさん必要なので出来ればどちらかにしたい」というユーザーに真正面から応えられるようになっている。例えば、PCを持つことが必須となっている学生(特に就職活動はネット中心にシフトしているので、学校のみの利用ではなかなか辛い)や、PCは時々使うので、テレビのおまけ的に買えるのであれば良いというライトユーザーなどを取り込める設計になっている。

特徴が出ているのは、type HX。メッセージは

楽しみぎっしり、スリムな仕上がり。
テレビ生活をいっそう上質に。

と既にPCの機能性を押し出していない。type Vのメッセージはさらに一歩進んでおり、

「VAIO」は、新・テレビ画質へ。

というメッセージと共に、コンテンツ一覧が
 ・高画質テレビ
 ・HDD/DVDレコーダー
 ・テレビ・デザイン
の三つから成っており、もはやPCの説明ではなく、レコーダー搭載テレビになってしまっている。

ノートPCは今までの路線の延長線上にあるものが多くネットワーク家電という視点ではさほど変化はない。B-log Cabin TPでもいち早く紹介されているキーボードレスを実現してPDA的に進化したtype Uを筆頭に、オーディオに寄せたtype A、ポータブルDVDプレーヤーに寄せたtype TRなどを出しつつ、ソツなく機能向上を図っている。
 
 
type Xに未来を垣間見る
 
将来の方向性を示す上で最も気になるのは開発中ながらお披露目となったtype X。ポイントを列挙すると
 ・最大7チャンネルを同時に約1週間分録画
 ・地上・BS・110度CSデジタル放送に対応
 ・離れた場所からAV・PC機能を操作する、
  ワイヤレスキーボード・マウス・リモコン付属。
と、前回まとめた将来シナリオ、

HDDレコーダーorコンテンツサーバーとして機能すると同時にネットワークの複雑性も上手く取り込める機器が中心にあるのが率の高いメインシナリオだろう。テレビ、オーディオは中心のレコーダーからのアウトプットを受ける出力系として機能し、リモコン、PCの類は管理画面への端末として機能する。この形にすると、テレビやPCなどモジュールに該当する部分は個別に入れ替えを行えるため頻繁に買い替えの起き得る携帯、PCが影響を受けて不便さを増すということもない。

のテレビの側での進化のパターンが具体化してきている。時期に詳細は分かるだろうが、PCがVAIO限定とかでなければ、市場にいいインパクトを与えそうな本命商品と言える。開発段階で表に出してくるのは力の入れようの現われだろう。

type XはVAIOと称しているが、現段階ではPC領域の製品というよりはAV機器に見える。PCではなく、テレビ主流で落ち着きそうだという仮説を実証することになるのだろうか。次のリリースが出されるまで待ちたい。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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