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CNET Japan ブログ

アルファギークと書籍と論考紹介

2004/11/12 09:23
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プロフィール

umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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さて、来週から、僕は出張やら休暇やらで、しばらく本欄に割く時間が全く作れません。というわけで恒例のゲストブログということになるのですが、今回は特に豪華です。日本の新旧アルファギーク競演企画ということで、20代の若い友人3人と旧友1人に、無理を言ってゲストブログをお願いしました。僕の普段の連載よりも、きっとたくさんのアクセスが集まることでしょう。

来週からはゲスト・アルファギーク特集

まず来週月曜日からは、高林哲さんの登場。「Namazu」の開発者として有名な高林さん。文章も実に味があることで定評があります。最近の文章では「高林哲の検索技術論」をご紹介しておきましょう。ゲスト担当回数は4回です。現在彼が未踏プロジェクトで開発中の世界規模ソースコード検索エンジンの話もきっと出るのではないかと思います。

続いて、ライブドア 執行役員 Chief Technology Architectの宮川達彦さん。ライブドアというのはどういう会社なのか。ライブドアにとってテクノロジーとはどういう意味を持っているのか。そんな内容を思わず期待してしまいます。ゲスト担当回数は同じく4回です。

そして続いて、ココログを立ち上げたあとで、最近「はてな」に転職した伊藤直也さん。最近はカリスマブロガーという異名があるらしいですが、間違いなく日本のアルファギークの1人。「株式会社はてなに入社しました。」に、彼が「はてな」を転職先に選んだ経緯が書いてあります。ゲスト担当回数は3回です。

そして大トリは、僕の高校時代以来の先輩。本欄「ベテランの参入がBlogを活性化させる」以来、何度もご紹介しているミラクル・リナックス取締役技術担当、吉岡弘隆さん

多忙を極める吉岡さんに、お願いにお願いを重ね、ようやく受諾いただきました。ゲスト担当回数は3回です。どうぞお楽しみに。

Sunの人間が書いたオープンソース戦略本

さて今日は、分量も中途半端になってしまいそうなので、本を1冊と、読みでのある論考をいくつかご紹介するにとどめたい。ご紹介する本は11月末発売の「Innovation Happens Elsewhere」である。著者はSun MicrosystemsのRon GoldmanとRichard P. Gabriel。

本のカバーの文章がAmazonに載っている。引用しよう。

「It's a plain fact: regardless of how smart, creative, and innovative your organization is, there are more smart, creative, and innovative people outside your organization than inside. Open source offers the possibility of bringing more innovation into your business by building a creative community that reaches beyond the barriers of the business. The key is developing a web-driven community where new types of collaboration and creativity can flourish. Since 1998 Ron Goldman and Richard Gabriel have been helping groups at Sun Microsystems understand open source and advising them on how to build successful communities around open source projects. In this book the authors present lessons learned from their own experiences with open source, as well as those from other well-known projects such as Linux, Apache, and Mozilla.」

この「Innovation Happens Elsewhere」というタイトルがうまい。

あなたの組織がどんなにスマートで創造的でイノベーティブでも、組織の外にはもっともっとスマートで創造的でイノベーティブな人がいるものです。

全くその通り。そう本書はオープンソース戦略の本である。Sun Microsystemsの2人が書くところが面白い。余談だが、この「Innovation Happens Elsewhere」的感覚は、日本企業の最も弱い部分である。

AlwaysOnで、著者インタビューのさわりが読める。著者の1人、Richard Gabrielは、こう自己紹介している。

「I am a computer scientist and poet.」(私はコンピュータ・サイエンティストで詩人だ。)

うーん、詩人ですか。こういう自己紹介ができると、インパクトがありますね。

外のリソースをレバレッジする

さて、本書の内容は出版後のお楽しみではあるが、興味のある方は、2人の著者が2002年9月に発表した論文「Open Source: Beyond the Fairytales」をお読みください。おそらくこの論文が、この本の基調になっているのだと思う。

文中に「We call the strategy “Innovation Happens Elsewhere.”」とあるように、この本のタイトルは、戦略の名前のようである。論文の中にこんな一節がある。

「The Innovation Happens Elsewhere (IHE) strategy begins by recognizing where the company's proprietary value lies. Everything outside this inner circle of protected ideas and technology is available for instigating outside innovation beneficial to the company. 」

Innovation Happens Elsewhere(IHE)戦略とは、自らのコアバリューを定め、それ以外について、組織外のリソースをいかにレバレッジするかについての考え方である。本としては、「Open Innovation」の系統に並べられるものであろう。ひょっとするとIHEという言葉は、いずれNIH(Not Invented Here)と同様、広く使われる言葉になるのかもしれません。

読みでのある論考

最後に、読みでのある論考をいくつかご紹介しておこう。

本欄7月28日「頑固で柔軟な判断がアマゾン成功の秘密」でご紹介したときはまだ無償でネットに公開されていなかったFast Company誌の「Inside The Mind Of Jeff Bezos」が、もう読めるようになっています。

また、9月中旬に「ビジョナリー・Tim O'Reillyの仕事術」から3回に分けてご紹介したTim O'Reillyの考えに興味を持った方には、ぜひその集大成とも言うべき「Open Source Paradigm Shift」はお薦めです。

また、ご紹介しようかなと思ってしそびれたデルについて書かれたものすごく長い記事が2つ。1つはstrategy+business誌の「How Dell Got Soul」です。もう1つは、Fast Company誌の「Living in Dell Time」です。Dellという会社だけがなぜOperation Excellencyをここまで追求し続けられているのかということは、日本企業にとってもまだ完全には解明できていないオンゴーイングの問題だと思います。だから繰り返し同じテーマで長文記事が書かれるのでしょう。

あとは昨日、一昨日とご紹介したMorgan Stanleyのレポートかな。それと、ITよりもエレクトロニクス全般に興味のある方は、IEEE40周年記念特集の一部で書かれた「10 Tech Companies for the Next 10 Years 」が面白いかもしれません。次の10年の注目10分野を選び、それぞれの分野で最も有望なベンチャーを紹介しています。

というわけで、僕の次の更新は12月6日になりますので、どうぞよろしく。
では来週から豪華ゲストブログをお楽しみください。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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