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CNET Japan ブログ

Steve Jobsにイノベーションを聞く

2004/10/04 09:35
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umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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BusinessWeek最新号は、75周年記念特集号「THE INNOVATION ECONOMY」である。この目次のいちばん上の「75 YEARS IN COVERS Photo Essay: 75 Years In Covers」というところを読むと、Business Weekが創刊されたのは、1929年大恐慌の7週間前だったそうだ。このスライドショーは10年単位で、この雑誌のフォーカスがどう変遷してきたのかが振り返られていて面白い。

Michael J. Mandelは、巻頭エッセイ「This Way To The Future」の中で、これまでの75年間のイノベーションを振り返り、次の75年はどうなるのだろうか、と問うている。

僕の関心はIT関連に偏ってはいるが、これから先75年も生きることはできないまでも、この世界がITによってどう変化していくかを、せっかくこういう時代に生まれてきたのだから、少なくとも2040年か2050年くらいまで見続けてみたいなと、最近強く思うようになっている。想像を絶する世界が展開していくに違いないから。

イノベーターに関するインタビューと分析記事

この特集記事について、IFTF(Institute For The Future)が最近始めた「Future Now」というBlogが、こう解説している。

「The issue is full of brief interviews, industrial analyses, corporate research initiatives, a handful of stories about innovators (which they began posting a few weeks back as part of the magazines 75th anniversary), and even a few rather good edge technology articles.

The magazine seems to have put every good writer they have on an insightful or descriptive or simply fun article in this broad look at, as they term it, the innovation economy. And you can read it all online, free.

The content of the article focus most heavily on large corporate research, thoughts from innovators, a small set of technology areas that promise near-term breakthroughs (and possible long-term revolutions), and a few very high-level articles that mix each of these topics together.

BusinessWeek even included two articles (only one in print) on sci-fi as an instigator of imagination (and the author doesn't even try to push the singularlity meme on us, which is refreshing).」

こういう領域に興味がある方は、ぜひ原文をどうぞ。たくさんの記事が全部無償で読めますから。

Appleの歴史から学べること

今日の本欄では、Steve Jobsの短いインタビューのみ、ご紹介することにしよう。

夏に「膵臓がんが発見されて手術した」という衝撃的発表とともに休暇に入っていたJobsも、仕事に復帰したようである(このインタビューが手術前なのか後なのかはわからないが)。Appleに勤める友人の話によれば、いっときはずいぶん痩せて心配したが、今はふっくらとして元気そうだ、とのこと。

第一の質問は、1997年に彼が戻るまでのAppleの10年間の悪戦苦闘から、何を学ぶことができると思うか、というものである。Jobsは

「You need a very product-oriented culture.」

と答える。「a very product-oriented culture」とは、製品至上主義文化とでも訳そうか。

「Apple had a monopoly on the graphical user interface for almost 10 years. How are monopolies lost? Some very good product people invent some very good products, and the company achieves a monopoly.」

AppleはGUIの分野で10年間独占状態にあった。それは、素晴らしい「product people」が素晴らしい「products」をinventしたからだ。

でも結局は、「Sales Guys」がAppleの主役になったゆえにイノベーションが止まったことが問題の根源で、他社に追随されて独占が脅かされた段階で、「the best product people」は退社していたか、蚊帳の外に置かれていたか、そういうような状況にAppleはなっていたのだとJobsは総括する。

Jobsの頭の中には、当時Microsoftよりもずっと素晴らしかったAppleのOSを、MicrosoftのようなOS事業として展開したらどうだったろうか、なんていう総括はない。そこがJobsらしいところである。

Appleの本質はイノベーションへのチャレンジ

そしてイノベーションをシステマティックに行うにはどうしたらいいか、という質問に答えて、

「You don't. You hire good people who will challenge each other every day to make the best products possible.That's why you don't see any big posters on the walls around here, stating our mission statement. Our corporate culture is simple.」

システマティックにイノベーションをなんて、そんなことはできない。いい人間を雇って、その連中が毎日毎日、より良い製品を求めてチャレンジし続けるしかないんだ。単純なことなんだ、と言う。

そして「Think Different」広告キャンペーンについて、それは顧客に向かってのメッセージであるとともに、Apple社内の人たちへのメッセージでもあったのだ、とこう語る。

「When I got back, Apple had forgotten who we were. Remember that "Think Different" ad campaign we ran? It was certainly for customers, but it was even more for Apple. That ad was to remind us of who our heroes are and who we are. Companies sometimes do forget. Fortunately, we woke up. And Apple is doing the best work in its history.」

自分が戻ってきたとき、Appleは自分たちが何者であるものかをすっかり忘れていたのだ。あの広告キャンペーンは、我々のヒーローというのは誰なのか、我々は何者なのかということを、思い出すためのものだったんだ。企業はときにそういう本質的なことを忘れる。幸いなことに、我々は目覚めた。そして今、Appleは、Appleの歴史上、最も素晴らしい仕事をしている。

こんなJobs節とともにJobsが繰り出すイノベーションを、これからもまだまだ見続けていきたい。

Steve Jobsの健康と今後の活躍を心から祈念したいと思う。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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