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iPodをめぐるあれこれ

2004/07/26 09:26
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シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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先週のゲストブログ、川野さん、ありがとうございました。

今日は、7月22日「新型ウォークマンは「新しい何か」を提供しているか?」を受ける形で、iPod絡みの話をいくつか。

まずはiPodの新製品が出るのに合わせて、Newsweek誌が表紙にiPodを持ってきた。題して「iPod, therefore, iAm.」。

「我、iPodする、ゆえに我あり」と来たもんだ。ちなみに、iPodのPodは、本来の「さや」という意味から転じて「取り外し可能な格納機」という意味(Sotto Voce参照)。

このNewsweek誌特集では、Steven Levyが、「iPod Nation」と「The New iPod」いう記事を書いている。

iPodは生活を一変させる文化的アイコン

iPod Nation」は、3ページにわたる記事で、

「In just three years, Apple's adorable mini music player has gone from gizmo to life-changing cultural icon」

というサブタイトルが示すように、iPodを「生活を一変させる文化的アイコン」としてとらえている。

1ページ目のタイトルは、「Page 1: The iPod: Beyond music, "It's the limousine for the spoken word."」となっているが、この言葉が入っている文章はこれ。

「Fans of the devices use it for more than music. "It's the limousine for the spoken word," says Audible CEO Don Katz, whose struggling digital audiobook company has been revitalized by having its products on Apple's iTunes store. (Podsters downloaded thousands of copies of Bill Clinton's autobiography within minutes of its 3 a.m. release last month.)」

iPodが音楽以外の用途にも使われているという話である。その用途とはオーディオブック。アメリカでは主として車での移動中のニーズから、本を耳から聴くオーディオブック市場が存在している。このAudibleというのはデジタル・オーディオブック事業を立ち上げようとしている会社だが、iTMSに製品を登録することで、勢いがつきはじめたらしい。今、Bill Clintonの「My Life」が発売されて米国の書店には山積みになっているが、先月の発売日の深夜3時に、iTMSでは、数分のうちに何千ものダウンロードがあったという。

さてそれに関連するが、iPodのearly adoptorは、大都市と大学キャンパスである。iPodを音楽以外で利用するために、つい最近デューク大学が学生全員にiPodを配ることにしたという。

「The North Carolina university said the iPods will be pre-loaded with information for new students, as well as a copy of the academic calendar. They will also hold course material such as lecture notes and audio books. The gift has been put together with the help of Apple which has also crafted a special version of its iTunes music store to let Duke students buy music.」

新入生にとって必要なすべての情報、コースマテリアル、講義ノート、オーディオブックが収納される。デューク大学向けにiTMS特別バージョンをアップルの協力で用意したという。

iPod開発の裏側

さて、2ページ目のタイトルは、「Page 2: How Apple entered the digital music revolution」で、AppleがiPodを開発した経緯について書かれている。

「That February, Apple's hardware czar, Jon Rubinstein, picked a team leader from outside the company—an engineer named Tony Fadell. "I was on the ski slopes in Vail when I got the call," says Fadell, who was told that the idea was to create a groundbreaking music player—and have it on sale for Christmas season that year. The requirements: A very fast connection to one's computer (via Apple's high-speed Firewire standard) so songs could be quickly uploaded. A close synchronization with the iTunes software to make it easy to organize —music. An interface that would be simple to use. And gorgeous.」

2001年2月に、Tony FadellがiPod開発チームのリーダーとして外部からスカウトされ、その年の12月までに製品化せよという命が下った。

こうLevyは書いているが、Tony Fadellという人物については、Wired誌「Inside Look at Birth of the IPod」や、その日本語訳「開発担当者が語る『iPod』誕生秘話」なんかもあわせて読むと面白いと思う。

変わる競争環境

そして、3ページ目のタイトルは、「Page 3: The iPod is changing our listening style」である。3ページ目の前半では「音楽の聴き方」についての話題が出てくるが、その件に関しては、川野さんが先週紹介されていたEconomist誌の「The meaning of iPod」の内容のほうが深い。川野さんは、「無料では見られなくなっているよう」だと書かれていたが、たぶん無償でアクセスできるのではないかと思うので、興味のある方は試してみてください。

3ページ目の後半は、競争の問題が出てくる。

「In Silicon Valley, the question is what Apple can do to maintain its dominant position in the field. While Apple execs say that they are surprised at how lame the competition has been to date, it's reasonable to think that rivals might eventually close the gap.」

ソニーの参入も含め、Appleの正念場はこれからだろう。Levyが指摘するように、クリスマス商戦に向けてアップルがきちんと供給体制を築けるかは中でも大きな課題となろう。そういう企業の足腰にあたる基礎の部分が、アップルは弱いからである。

Economist誌の「The race to catch the iPod」では、

「Apple's portable iPod music player has revolutionised the way in which music is delivered to consumers. However, as Apple launches its iPod mini worldwide, the brand is under attack on two fronts: from copycat products from the likes of Sony, and from subscription services, which will soon be helped by software from Microsoft」

ということで、iPodをめぐる機器とサービスにおける競争について総括しているので、こちらもご参照ください。

また、競争について、ついでに言えば、David CourseyがそのBlog「Apple, the New iPods, and Me」で紹介しているのは、「iRiver H140」である。

「It's no secret that there are some excellent “iPod killers“ out there. The new PC Magazine Editors' Choice. the iRiver H140 has cool features, like an FM tuner and recording capabilities, the iPod lacks.」

個人的に欲しい「Pod」は活字ビューアー

さて最後に、音楽人間というよりも活字人間の僕が欲しいなと個人的に思う「Pod」(取り外し可能な格納機)は、活字ビューアーだ。その対象は、インターネット上に溢れているコンテンツで、かなりまとまったボリューム感のあるもの。短いものをざっと眺めるのではなく、がっちりしたものをじっくり読むには、やはり本のフォーマットが優れている。気軽にコンテンツをダウンロードすると、日本語の場合ならきちんと読みやすい縦書きの本(あるいはいろいろなフォーマットに)に自動的に組んでくれるいいソフトが内蔵されているポータブル・ビューアー。ハード的にはソニーのLIBRIe(リブリエ)や、その競合や、その延長線上で用意されてくるものでいいが、電池が長持ちして、ユーザ・インタフェースとデザインをiPodのように素敵なものにしてほしい。

それで僕がやりたいのは、たとえば、青空文庫や、プロジェクト杉田玄白の中にたくさんあるコンテンツなどの中から好きなものをダウンロードして、そのビューアーの中にライブラリを作ることである。これで持ち運びができる移動ライブラリができる。青空文庫リストや、プロジェクト杉田玄白で出来上がっている翻訳文献リストの中には、読みたいものがたくさんある。でも、PC画面に向かってではなく、やっぱり本のような縦書きフォーマットで、あたかも本を読んでいるかのように持ち歩きながら読みたい。そんなコンセプトのビューアーができれば、僕は、iPodに続く新しい「Pod」として、旅には必ず持ち歩いて愛用することになると思う。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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