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プロフェッショナルとしてグローバルに活躍するには

2004/07/16 09:13
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umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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8月26日(木)に第1回JTPA東京セミナー(於・恵比寿) を開催します。題して、「日本とシリコンバレーで築くキャリア ---プロフェッショナルとしてグローバルに活躍するには---」。

会費は無料。プロフェッショナルとしてのグローバルなキャリアを真剣に模索している若い方々(学生大歓迎)を対象とします。セールスフォース・ドットコムに無償で会場提供(恵比寿駅から徒歩2分)をいただきました。スタイルはパネルディスカッション形式。パネリストは、僕(梅田)と、大澤弘治氏中村孝一郎氏の3人。参加者の皆さんとのインタラクティブ性を重視するため、定員を50名とします。申し込みの仕方についての詳細をサイトでご確認の上、Toshiki_namiki@jtpa.org あて、早めにお申し込みください。

シリコンバレーで働く日本人に3つのタイプ

さて、シリコンバレーで働いている日本人には、大きく分けて3つのタイプの人がいると思う。

(1) シリコンバレーという場所の固有の魅力に、色々な意味で魅了されてしまった人

(2) 日本に対しての強いネガティブな感情がベースにあり、シリコンバレーに新天地を見出した人

(3) 日本とかシリコンバレーとか、場所について深い思い入れはあまりなく、充実した仕事、面白い仕事、キャリアアップ、クオリティ・オブ・ライフなど総合的な観点からグローバル・キャリアを志向し、たまたま今現在、シリコンバレーを活動拠点に選んでいる人

むろんこの3つのハイブリッド型という人も多いだろう。

この連載の読者の方には明らかかもしれないが、僕は(1)タイプである。「なんでこの人はいつも、シリコンバレー、シリコンバレーって言っているんだろう?」というようなコメントを目にすることがあるが、大好きなんだから仕方ない。そこは論理ではないのである。

シリコンバレーでは女性も平等

(2)タイプは、バイオテクノロジーの分野で、研究者としてまた起業家としても大成功を収めた並川玲子さんが典型的だ。彼女をインタビューして書いた文章から関係箇所を引用しよう。

「「研究者夫婦で、女性が独立した一人の研究者としてきちんと認められることは、日本ではほとんどないんですよ」(並川)

「日本の医学系の社会はとにかくボーイズ・クラブ。だから夫婦二人三脚で研究し、男が広告塔になり女がラボを仕切る。そういう研究者夫婦は日本にもよくいるのですが、僕らは絶対にそうはなりたくなかった」(金島)

 それぞれが一個の独立した人間として生きて行きつつ、パートナーとしてお互いに支えあう。二人はそんな理想の関係を追い求めている。

 名古屋大学医学部で、「金島が並川の一年先輩」という間柄だった二人は、臨床ではなく基礎医学の道に進み、ともに病理学の研究者となった。

「臨床の仕事をして患者さんと接している間はそうでもなかったのですが、基礎医学のアカデミアの世界に入ってから、そこに存在する女性差別に愕然としました。業績からいって当然つけるはずのポジションにも女性はつけないことが多い。そんな私の悩みや憤懣をよく聞いて理解してくれたのが金島君だったのよね」(並川)

 一九八六年、金島のスタンフォード大学留学が決まったとき、当時「ステディな関係」にあった並川も、同じスタンフォード大学のポストドクターのポジションを得て、二人でシリコンバレーにやってきた。「実力の前には男も女もない」というシリコンバレー・カルチャーゆえに、たくさんの女性がいきいきと働いているこの地が、並川には新天地に思えた。」

「「医学に限らず、本当にキャリアを伸ばしたいと思う若い女性は、日本を出なさいというのが私の結論。一人の人間ができる努力の量は決まっている。ならば土壌と栄養の良いところで努力したほうがいい。女性にフェアな土壌で正当な評価という栄養を受けられる場所に、たとえ短期間でもやって来て、その間に大きく目を見開いて、日本とは違う価値観で動く社会があるのを知ることが大切。一回、目から鱗《うろこ》が落ちちゃうと、もう日本に帰れなくなってしまうかもしれないけれど、そういう日本の若い女性が増えるのはとてもいいことです」(並川)」

いちばん多いのは、場所にこだわりのない人たち

しかし全体としてみれば、(1)(2)タイプよりも圧倒的に多いのは(3)タイプだろう。

東京で第1回JTPAセミナーを開催するからには、対象は、「今は日本に住んでいるが、グローバル・キャリアについてオープンで前向きで、いずれ(3)となる可能性を秘めた人たち」とすることにした。そして、僕以外の2人のパネリストには、大澤弘治氏、中村孝一郎氏という、明らかに(3)タイプの2人を選び、当日僕は司会進行役にまわり、参加者の皆さんとパネリストの間での議論をファシリテートしていく役割を果たそうと考えている。

テーマとしては、

* シリコンバレーでしかできないこと、日本でしかできないこと

* シリコンバレーには日本人にどんな仕事があるのか

* シリコンバレーの素晴らしさ、日本の素晴らしさ

* 大企業に勤めながら、シリコンバレーの起業家と個人的信頼関係を築くには

* 日本の大学、アメリカの大学

* アカデミアとベンチャーを行き来するキャリアパス

* 学歴の意味、職歴の意味、トラックレコードとは何か

* これからのグローバル・キャリア・デベロップメント、活動拠点をどこに置くかの選択

* 留学の意味、英語力と専門能力のトレードオフ

といったことを中心に、バネリスト3人の経験を、参加者の皆さんとシェアできればいいなと考えている。

パネリスト2人のキャリア

大澤弘治氏は、いまはカムラン・エラヒアンというイラン人連続起業家とともに、ベンチャーキャピタルGlobal Catalyst Partners(GCP)をシリコンバレーで共同創業して活躍している。一心同体で共同創業するほどまでの「カムランとの個人的信頼関係」を、彼は三菱商事在籍中に培ったのである。日本の大企業に勤めながら、いや日本の大企業に勤めていたからこそ、彼はカムランという稀代の連続起業家との間で個人的信頼関係を構築できたとも言える。具体的に彼とカムランの間には、いつ、どんなことがあったのか。当日は、そのあたりも、じっくり聞いてみたいと思う。

中村孝一郎氏は、もともとアカデミアの世界の人である。シリコンバレーといえば、ITかバイオという先入観があるかもしれないが、彼は、光エレクトロニクス分野の研究者である。東北大学助手時代にVisiting Researcherとしてスタンフォード大学で研究していたときの縁で、シリコンバレーのベンチャー企業からスカウトされた。そして、つい最近までそのベンチャーで研究開発に没頭していた。そのベンチャーが残念ながら倒産寸前で買収されてしまったとき、彼のもとに来た最もチャレンジングなオファーは、日本のNTTフォトニクス研究所からのものだった。そして今、彼はシリコンバレーから日本に戻り、NTTで研究生活を続けている。

彼には、シリコンバレーのベンチャーが倒産寸前になると社内では何が起こるのか、そのとき彼の身には何が起きたのか、どんなことが脳裏をよぎったか、アカデミアとベンチャーを行き来するキャリアパスの是非について、NTT研究所に転職した際にシリコンバレーベンチャー経験はプラスに評価されたのか否か、将来はシリコンバレーのベンチャーでまた働きたいと思うか、もしYESならばそれはなぜか、そんなこともじっくりと聞いてみたいと思う。

では8月26日(木)をお楽しみに。興味のある方は、サイトで詳細をご覧いただき、お申し込みください(本欄で告知をしていますが、このイベントはCNET Japan主催ではありませんので、お問い合わせはJTPA宛にお願いします。念の為)。

さて、来週月曜日は「海の日」でお休み。夏休みシーズンの本格的到来ですね。

というわけで、この連載もしばらく「夏休み」モードに入りたいと思う。

「毎日必ず更新する」でなく、「できるだけ毎日更新するが、更新しない日もあるかもしれない」くらいのモードを、「夏休み」モードとします。お盆休みの休載期間以外で、少しまとめて休むときは、ゲストブロガーの方をお招きします。

さて来週「海の日」明けの4日間は、ゲストブロガー第一弾。3月8日から12日まで登板していただき大好評だった川野俊充さんにお願いしました。どうぞお楽しみに。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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