お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

世相を反映するWired 40社

2004/06/11 09:24
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
ブログ管理

最近のエントリー

Wired誌が選ぶ世界の旬な企業40社ランキング」(2003年6月25日)を書いてからもう1年たったのかぁ。Wired誌恒例の「The Wired 40」が今年も発表された。去年は「Wired 40」について、

「原則として世界中の公開企業から、旬の企業40社をWired誌の感性で毎年選ぶもの。1998年からやっている。時価総額や売上高の数字から自動的に作ったランキングではないので、かなり主観が入る選定だが、だからこそ面白いし、考える材料にもなる。むろん、どうしてこの会社が入っていないんだろうという疑問も多々あるし(なぜサムスンが入ってないの?とか)、世界中の企業といってもやっぱり米国企業が多い点など問題もある。」

こんなふうに書いたのだが、今年はサムスンが第6位で堂々のランクイン。トヨタも第18位でランクイン。トップは昨年に引き続き、未公開企業例外枠のGoogleだ。

サムスン、トヨタも含めて今年ランクインした企業は10社。Apple(3位)、Genentech(4位)、Samsung Electronics(6位)、Pixar(9位)、SAP(14位)、Toyota Motor(18位)、Pfizer(28位)、Costco Wholesale(29位)、Ameritrade(32位)、Gen-Probe(33位)。逆にいえば4分の3の30社は、順位こそ変わっても、相変わらず40社リストに名を連ねているということである。

ベストテンは、「1位. Google 2位. Amazon.com 3位. Apple Computer 4位. Genentech 5位. eBay 6位. Samsung Electronics 7位. Yahoo! 8位. Electronic Arts 9位. Pixar 10位. Cisco Systems」だ。

特集記事として大きく取り扱われているのは第9位のPixarで、興味のある方は、「Welcome to Planet Pixar」をお読みください。しかしジョブズは、一気にAppleとPixarをランクインさせたわけですね。

また、新しい10社に代わってリストから落ちた10社は、次の通り

トヨタが入ってホンダが落ち、アップルとサムスンが入ってソニーが落ちた。

注目企業の「Done」と「To Do」

この記事では各社紹介がコンパクトにまとめられているが、注目企業についての「Done」(今年の達成)と「To Do」(これからすべきこと)を、ざっと眺めていくことにしよう。

2位. Amazon.com

「Done: The company has opened its database so other retailers can integrate their stores into the Amazon flow.

To do: CDs and DVDs - yawn. Amazon should capitalize on its peerless customer reviews to sell downloadable music and video.」

5位. eBay

「Done: eBay Motors has become the operation's biggest division in dollar terms, moving $7.5 billion in cars last year, up from $1 billion in 2001.

To do: Fraud has grown so rife that vigilante users are tracking down grifters. The auctioneer needs to police miscreant sellers much more aggressively.」

7位. Yahoo!

「Done: Yahoo! built a new top-notch search engine from scratch, thanks to expertise from acquisitions Inktomi and Overture.

To do: Google has outpaced Yahoo! in search and free email. The Web's oldest brand needs to hone its edge.」

これが、ネット第一世代列強3社の「Done」と「To Do」。eBayの自動車事業がこれほど大きなものになっていたとは知りませんでした。

8位. Electronic Arts

「Done: EA revamped its Internet division, adding 1.8 million subscribers to new online tournaments.

To do: So far, interactive entertainment has taken hold only in games. Movies, music, painting - the field is wide open to EA.」

9位. Pixar

「Done: Jobs declined to renew his 13-year-old distribution deal with Disney, prompting would-be suitors to begin a frenzied mating dance.

To do: Pixar needs a distribution partner willing to accept a smaller cut than Disney, yet with enough clout to reach the masses.」

さて、8位と9位に並んだEAとPixarは、最終的には似たような会社になっていくのだろうか。EAのラリー・プローブストCEOにインタビューしたときのやり取りを思い出す。

「Q クリエイティブな人材、デジタルコンテンツ、キャラクターのIP化という資産を考えると、EAとピクサーはどんどん近づいています。

A 従来の映画業界のなかでEAに一番近いのはピクサー社(Pixar Animation Studios)でしょう。また技術が進化すれば、われわれもピクサーに近くなる。ピクサーは、キャラクターを生み出し物語をつくることに長けています。『ネモを探して』のような作品でピクサーが何ができるかを考えると、われわれも物語づくりのスキルを高めなければならないと痛感します。」

16位. Netflix

「Done: Netflix posted its first annual profit in 2003 and vowed to double membership to 2.7 million this year.

To do: Who needs parcel post? We want our VOD!」

しぶとく、Netflixは去年の18位から16位に。利益を出し、270万人の会員にまで伸ばしたという。Netflixの強さは、アメリカ人の嗜好にぴったりと合致したサービスを、リアルとバーチャルを組み合わせて作り上げたということだろう。安易にVODに出ていくことはないと思う。

Costcoにドン・ペリが並ぶ日も近い?

さて最後にもう一つアメリカらしい会社をということで、第29位のCostco Wholesale。

「Who ever thought a warehouse store could be a popular weekend hangout? Credit Costco, the Washington-based big-box retailer whose skill at bringing deep discounts to high-quality goods has turned its cavernous stores into dizzying arcades of consumer fetish. Building on the hyper-efficient supply chain pioneered by Wal-Mart, Costco is putting luxury goods - Barolo wines, Jacuzzi spas, plasma-screen TVs - within reach of a new class of consumers. The combination of bulk sales and membership fees fosters customer loyalty; constant influxes of stylish clothing or fresh food items stimulate impulse purchases.」

10数年前、初めてアメリカに住んでまもなく、右も左もよくわからないときに、親しい友人が日曜日に車で連れて行ってくれたのがこのCostco。まとめ買いをするときの単位あたりの安さに、また、何でも「まとめ買い」できることに、アメリカという国の生活を痛感したものである。

マイクロソフトのギークたちを描いた傑作「マイクロサーフス」(by ダグラス・クーブランド)には、一生かかっても使い切れないほどの量のストローか何かを部屋に置いているギークが出てきたように記憶しているが、そういう「一生かければ使い切れるかもなぁ」というほどの量の何かをおそろしく安い値段で提供していた。

94年以来、アメリカに本格的に住むようになって以来、我が家はCostcoの会員であるが、確かに日に日にCostco店頭の高級品の品揃えが増えてきている。

ちなみにバブルのピーク時には、ドン・ペリニオンが100ドル以下で山積みになっていました。GoogleがIPOすると、同じような光景がCostcoの店頭に一瞬だけ甦るかもしれません。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー