お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

続・100万行のソフトの作り方

2004/05/14 09:20
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
ブログ管理

最近のエントリー

ゴールデンウィーク連休前の石黒邦宏さんのゲストブログはたいへん好評で、特に最初の2つのエントリー(「100万行のソフトの作り方(1) (2)」をきっかけに、ウェブ上でいろいろと議論が起きていました。石黒さんには、いずれまたゲストブログをお願いしようと思っていますが、「あまり時間が経たないうちに、この反応をめぐって、何か書いていただけませんか。」とお願いした結果、以下のような文章が、僕のところに届きました。

---------------------------------------------------
石黒です。

Blog の1つの可能性として、これは新しいメディアになりうるのではないかという話を聞いた時、正直「そんなことあるわけないじゃん」と思いましたが、今回実際に体験してみての感想は、「これってもうメディアかも」でした。特にTrackBackのリンクを辿っていくと、非常に質の高い議論が連鎖するようにされていて、しかもそのもとが自分の文章だというのは、とてもエキサイティングな経験でした。ダイナミックな対話データベースという感じですね。なんだかこう書いていると初めて Web を見て興奮している人のようで、「そんなのもう知っているよ」とか言われそうですが。

さて、いただいたTrackBackへの感想を少し書いてみたいと思います。

同じくシリコンバレーで仕事をされている、Cagylogic blog からいただいたTrackBackから、

「日本ではSEがいっぱいいます。このSEってのが曲者です。
日本で言うと、システムエンジニアってことになってると思います。日本にいるとき、おらもSEだと思っていました。SEがプログラム書いてるんです。
日本でプログラマって職種ってあんまり見たことが無かったです。
日本で自称SEの人や肩書きがSEの人は、プログラムが書ける人とかけない人がいました。
まぁシステムエンジニアですから、システムのデザインができればいいので、プログラムがかけるかどうかは重要じゃないです。
逆に日本で言うSEってこのシリコンバレーで会ったことがおらは無いです。このエリアで日本で言うSEに一番近い職種はおそらくマネージャーだと思います。
そうすると、日本には自称マネージャーがいっぱいいて、プログラマがおらんことになります。」

まったく同感です。私も日本で最初に就職した会社では、SE採用でしたが、配属されてから実際にやった仕事はUNIXのシステム管理でした。シリコンバレーでは、会社によって呼び方が違うと思いますが、うちではITと呼ばれる人間がそうした仕事をやっていますね。確かにSEという職種は聞いたことがないです。

私は開発スタイルそのものもエンジニアリングの対象になると考えています。開発スタイルやリソースアロケーションには、いろいろな形態があるので、プロジェクトや環境に合った適切なものを選ぶ必要があると思います。しかし、SEという職種は、エンジニア個々人の具体的な役割を隠蔽してしまうので、開発スタイルを検討する上で必要な、役割ごとの定量的な分析を困難にするはたらきがあるのではないでしょうか。

ということで、日本のプロジェクトの場合、SEという職種を使わないことから始める必要があるかもしれないですね。SEを20人プロジェクトに割り当てましたと言っても、具体的な仕事の割り当ては見えてこないですし、開発スタイルも分からないですから。

次は、わんこ日記さんから。

「俊足な開発をしている場合、テストで問題を見つけるのが遅れたら、訳がわからない変なものにすぐになってしまうから、テストって大変ですよね。USの開発者3に対してテスト1というのが、うらやましい。
日本じゃ「テストなんて新人がやるもの」って感じで、かなり軽視されている傾向があるからな、先週も、優秀な人をテストにつけようとしたら「気をつけてくれ」って指導が入ってしまったし… 本当は、問題が起こりそうだし技術的に難しいテストだからお願いしたんですけどね。」

テストエンジニアリングはそれ自体独立した技術ですね。開発と同じだけの深さと広がりがあると思います。最近では、XPプログラミングのテストファーストのようにプログラマ自身がテストケースを書いてからプログラムを書くというスタイルが提案されていて、実際に採用しているプロジェクトを見たこともあります。この場合、プログラマとテスターとの垣根が無いわけですが、人間、痛そうなところを無意識のうちに触らないようにしてしまうという弊害もあるなと思いました。

優秀なテストとは如何に効率よくプログラムの秘孔を突くかということにあるわけですが、自分の秘孔はうまく突けないですね。やはり開発とは別に優秀な秘孔突き集団が必要だと思いました。

私たちはテストチームをQA(Quality Assurance)と呼んでいます。日本の製造業は世界に稀にみるQA大国なわけですから、QA自体を軽視しているわけではないと思います。もしかすると、SEという職種の呪いがここにもあって、テストエンジニアという存在とQAという工程を隠してしまっているのかもしれませんね。
---------------------------------------------------

以上が、石黒さんからでした。

本欄3月29日「ベテランの参入がBlogを活性化させる」でご紹介した吉岡弘隆さんの「未来のいつか/hyoshiokの日記」でも、石黒さんのエントリーの前後で、「デイリー・ビルド」、「シリコンバレーのプログラマーは本当に凄いのか?」「シリコンバレーのプログラマは本当に凄いのか(続き)」が続きました。吉岡さんならではの視点でのこの議論は、とても面白く刺激的なので、併せてご紹介しておきたいと思います。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー