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Googleの副社長は疲れ知らず

2003/08/27 10:05
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umeda

シリコンバレーで経営コンサルティングを行なう傍ら、ベンチャーキャピタリストとしても活躍する梅田望夫さんが、IT業界の先を読むのに役立つ英文コンテンツを毎日紹介していきます。これを読めば、英語と業界動向を読む力が同時に身に付くはず(このブログの更新は2004年12月30日で終了しました)。
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近々、GoogleのSenior Vice PresidentのOmid Kordestani(Worldwide Sales and Field Operations担当)と会って、Google事業のこれからについて詳しく話を聞くことになった。その準備のため、改めてGoogleの現在の経営課題について勉強中である。

数カ月前から、ダイヤモンド社のLOOPという新しい雑誌で、「破壊的創造のマネジメント」というシリーズ対談を始めた。

毎月1回、米国ハイテクワールドにおけるキーマンを選んで、僕がその人と一時間ほど話をして、編集部がその内容を雑誌3ページにまとめるという企画連載である。人選から編集部と一緒に考える。

第1回は引退間近だったインテルキャピタル創設者のレスリー・ヴァデス (Leslie Vadasz)、第2回はTivoのCEO、マイケル・ラムジー (Michael Ramsey)、第3回は、シルバーレイクパートナーズ共同創設者のロジャー・マクナミー(Roger McNamee)をやった。ここまでは既に雑誌に掲載され、LOOP購読者専用ウェブにはバックナンバーも全部載っている。9月初旬発売のLOOP10月号では、Electronic ArtsのCEO、ラリー・プローブスト(Larry Probst)。このGoogleのOmid Kordestanは、たぶんその次になるので、10月初旬掲載の11月号に掲載されると思う。

CEOのエリック・シュミット(Eric Schmidt)、2人の創業者(ページとブリン)の肉声はけっこう色々なところで溢れているし(本連載でもずいぶん色々な角度から紹介してきた)、彼らから短い時間で話を聞いても、どこかで聞いたことのあるビジョン話に終始してしまうリスクが高いので、思い切って、Googleの事業全般を取り仕切っているという噂の副社長、Omid Kordestaniから、もっと地に足の着いた、事業について、戦略について、話を聞くことにしたのである。

疲れ知らずのリーダーOmid

まずは、会う相手がどんな人なのか、Omidの略歴から読んでみよう。

「As the individual responsible for Google's revenue generation efforts, Omid Kordestani is the tireless leader of an international sales effort that has brought Google to profitability in record time.」

Googleの売り上げ創出努力の責任者としてOmidは疲れ知らずのリーダー。そのセールス努力によって、Googleを歴史的スピードで利益の出る企業に育て上げたと書かれている。彼は、Googleに来る前の直近には

「As vice president of Business Development and Sales, Kordestani grew Netscape's website revenue from an annual run-rate of $88 million to more than $200 million in 18 months.」

とあるように、Netscape出身。Netscapeの事業開発とセールスの責任者として、8800万ドルの事業を18カ月で倍以上の2億ドルにまで伸ばした実績を持っている。

彼にはNetscapeの失敗をGoogleが繰り返さないための秘訣、NetscapeとGoogleの違いなどについても雑談の中で聞いてみることにしよう。

Netscapeに入る前の彼のキャリアを見ると、相当の馬力とエネルギーでシリコンバレーを泳ぎきって、のし上がってきた人であることがよくわかる。

「Prior to Netscape, Kordestani held positions in marketing, product management, and business development at The 3DO Company, Go Corporation, and Hewlett-Packard.」

HPのあとは、Go Corporation、3DO、Netscape、Googleとその時点で最も注目されたベンチャーでキャリアを積んでいる。Goも3DOもNetscapeも最終的には失敗してしまった会社だが、その旬の時期の輝きたるや、素晴らしい会社であった。たぶんいちばん勢いのある会社を見極めて、エイヤっとその会社に飛び込んで、猛烈に働いて実績を上げ、その会社の関係者(マネジメントチームやボードメンバーや投資家)に認められ、会社がダメになっても、持ち前の馬力で新しい会社に移ってまた同じことを繰り返す。そういうタイプの人だということが、この履歴からよくわかる。「the tireless leader」と書かれているが本当にそうなのだろう。この人の下で働くのはものすごく大変そうだ。

彼(と佐藤康夫氏)のインタビューは、CNET Japanの3月25日「ネット広告にもグーグル革命」でも行なわれている。そのとききっと日本に来たのだろう。

インタビュー前の勉強方法

さて勉強を始めよう。Googleについてはずっときちんと追いかけてきたから、今回の準備は、おさらい、みたいな感じになる。

まずは一流誌が特集記事的に長い文章を書いているもの、たとえば、Forbes誌の「All Eyes on Google」(2003年5月)、Fast Company誌の「How Google Grows...and Grows...and Grows」(2003年4月)、Wired誌の「Google vs. Evil」(2003年1月)、Salon.comの「The Google backlash」(2003年6月)等からイシューリストを作る。雑誌の長文特集記事の場合、突っ込みの深さはともかく、そのときどきの話題や論点は、だいたいちりばめられているからである。あとは、AlwaysOnのバックナンバーで、エリック・シュミットの長時間インタビューも含めて、そうした課題について産業界の人々によってどんな議論がなされているかを押さえていく。

技術的なこと、これからの新しいサービスについては、マイクロドックニュースのGoogle関連Blogの過去のアーカイブを1つ1つ見ていくことにしようと思う。そしてGoogleが準備している今後の新技術についてはGoogle Labsのデモを1つずつ試す。たぶん最後にCNETとCNET Japanのアーカイブを検索して、Googleに過去からの一連の流れをみて、論点に落ちがないかをチェックしようと思う。

短い時間の対談で、しかも英語で話を聞くわけだから、Googleの事業や製品やサービスに関係するドメインの単語は、すべて正確に把握しておくことが必要だ(そうしないと、話は通じたとしても時間のロスになる)。これまでに書かれた文章の中から、いい文章があればメモしておく。世の中で一度通用した文章を会話の中で借用するのは、話をきちんと通じさせる上ではとても大切なことだ。

こんな作業が終わると、だいたい10ページくらいのメモができる。それを基に、1時間をどう過ごすかについての戦略を練って、頭の中で英語の質問のシミュレーションをする。

だいたいにおいて、何かの仕事をするときにどれだけ準備をしたかということと、仕事を終えての最後の仕上がりとの間には、それほど大きな相関関係はない。残念ながら。いくら練習したって試合でホームランを打てるとは限らないのと全く一緒。差は長期的にほんのわずかなところにしか現れない。だから手を抜こうと思えばいくらでも手を抜くことができる。でもまぁ性分なので仕方ない。モノを書くことに関係する仕事は、僕にとって、いつも採算度外視の営みになってしまう。さて今回のGoogleのOmidとは、いい対談ができるだろうか、果たしてそれが最終的にいい内容に仕上がるだろうか。Let's see how it goes.

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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