Business Week誌2/3号のカバーストーリー「The New Global Job Shift」もなかなか充実した内容である。
テーマ自身はそう新しくないが、最新の取材で、この傾向がどれだけ世界的に進行中かということを裏付けている。雑誌そのものに印刷されたもののほうがわかりやすいが、ネットでも簡易バージョンを見ることができるこの図には、中国、フィリピン、メキシコ、コスタリカ、南ア、インド、ロシア、東欧の八地域への仕事のアウトソーシング状況がまとめられている。日本と中国の関係に顕著なように、先進国の雇用問題の本質はここにあるが、この傾向はもうとめようがない。
同じBusiness Week2/3号のマイケル・マンデルのコラム「Deficits? Class Warfare? No, It's About Growth」は、米国の現在の経済政策の評価をめぐっての簡潔な総括だが、結局、二極化した下の側をどうするのか、ということが相変わらず政策の焦点になっている。
「As BusinessWeek pointed out, the best thing for poor Americans is fast growth and low unemployment, even if it brings more inequality. That's the lesson of the 1990s.」
けっこうあからさまな文章で日本では反発を感じる人も多いだろうが、これが米国の根底に流れる一貫した考え方である。アメリカナイゼーションの押し付けだと批判されるアメリカのグローバリゼーション志向の背景に流れる考え方も全く同じである。この文章のAmericansをpeople in the worldに変えればグローバリゼーションの話になる。