90年代後半に創刊されたニューエコノミー系の雑誌の中で何とか生き残っている「Fast Company」
から面白いものをいくつか。
まず「Fast Talk: Time for a Turnaround」組織のターンアラウンドを任されたCEO六人のインタビュー。まぁどうという内容ではないが、アメリカの経営者の「当たり前のことを実に論理的に聞こえるように話す話し方」が参考になるかもしれない。
続いてPo Bronson(サンフランシスコ在住の作家、たしかチャールズ・ブロンソンの息子)の「What Should I Do With My Life?」。彼の同名の近著のPromotion記事だが、そこそこ面白い。沢木耕太郎の「彼らの流儀」みたいな、アメリカの普通の人たちのたくさんの人生に密着して生の意味を問うという感じの本。彼はバブル最盛期に、シリコンバレーの人々を取材して、「Nudist on the Late Shift: And Other True Tales of Silicon Valley」という本を出した。邦訳は「シリコンバレーに行きたいか!」(けっこう面白い本です)。だから、Bloggerの中からは、「ついこの間まではバブルを煽っていたのに、バブル崩壊と同時にすぐに宗旨替えして、人生はカネじゃない、いかに自分がやりたいことを達成するかだ、なんてことをしゃあしゃあと書きやがって」という批判も出ているが、まあそう目くじら立てることもないだろう。
そしてもう一つ。最新のゲリー・ハメル節を聞きたい人は、「Innovation Now!」。十年一日の内容ではあるが、同じテーマを繰り返し語り続けるのも、立派な芸のうちである。