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Google rel="author" 普及で実現できる、人物基準のレリバンシー評価

2011/06/13 11:00
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渡辺隆広

日本でSEOを始めた第一人者として知られるアイレップサーチエンジンマーケティング総合研究所 所長の渡辺隆広氏が、競争の激化する検索市場をビジネス、マーケティング、テクノロジーの各方面から掘り下げます。
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かつてはウェブ全体をクロールして、そこで取得した情報をアルゴリズムで自動的に解析するというアプローチで一貫してきたGoogleも、近年はウェブマスターから提供される情報を上手に活用して検索サービスの品質改善に取り組むようになってきました。たとえば構造化データの活用(最近なら>Schema.orgの話)、XMLサイトマップなどはその代表的なものです。そして直近で新たに発表されたのが、rel="author" です。

rel="author" は標準HTML5の1つなので検索エンジン(またはGoogle)独自というものではありませんが、一応、検索エンジンの立場として皆さん使ってみてね、という位置づけですので、ウェブマスターから提示された情報を活用する、というスタンスは同じです。

メリットがわからない規格は普及しづらい

さて、こうした新しい規格が出てきた時にウェブマスターを悩ませるのが、対応すべきか否か、対応するならいつすべきかというお話です。

検索エンジン最適化の観点から、こうした新しい企画に対応する場合、わかりやすいのは 1) 現在抱えている問題を解決してくれるもの、2) 対応することで明確なメリットが得られるもの、いずれかの要件を満たした企画です。

たとえば、rel="canonical" (URLの正規化、重複コンテンツ問題の解消などに役立つ)は、「インデックスの不具合を解消する、ウェブページの受けるべき評価を調整する」という、現状問題解決を提示する機能ですから、ウェブサイトとしては導入がしやすいものです。同様に、noodp (DMOZの説明文を非表示にする)も(古い記述のサイト説明を表示させないという)問題が解決できますから、これも対応しやすいです。

しかし、syndication-source (コンテンツをシンジケーションしている場合に、そのコンテンツ供給元サイトを示す)や original-source (あるソースをもとに記事を作成した場合に、そのソース元を示す)といった規格は、導入のメリットもデメリットもよくわからない、一体だれがハッピーになるのかわからないので、こういうのはいくら世界最大シェアを誇るGoogleが音頭をとっても普及は進まないわけです。同様に、Schema.org あるいはリッチスニペットのような、検索結果を便利で優れたものにする機能も、一見するとメリットがありそうですが、実際の導入効果がよくわからない、第1、表示がアルゴリズムで決定されるとあっては、やはり躊躇してしまいます。

こういった事情を踏まえて、冒頭で触れた rel="author" はどう扱えばいいのか。個人的には、これ自体の対応はどうでもいいんじゃないの?と考えます。メリットもデメリットもよくわからないので、好きに対応したらいいんじゃないでしょうか。

rel="author" で人物ベースの文書評価が可能になる?

むしろ、何故 Google がこれのサポートを言い出したのか、これによってどんな検索の世界を実現したいのかを考えてみるといいでしょう。

rel="author" は、(現実のユーザーの情報との関連付けはさておき)ユーザーとコンテンツの関連性を明らかにすることができます。各々のドキュメントが、どのユーザー(≒プロフィール情報、人物)と結びつけるべきかを機械的に把握できます。これとあわせて、現在のGoogleのソーシャル検索のアプローチや、現在まだ検索において解決できていない物事を組み合わせると、きっと将来的には次のようなサービスを提供していきたいのでしょう。

◎ 人物の信頼性や評価に基づくドキュメントの関連性評価

著者Aさんが書いた文書 X と Y が優れていると評価が高いのであれば、同じ著者の文書 Z もきっと優れているでしょう。皆さんも、自分の仕事や、あるいは日常の中で、「これは○○さんが書いた記事だから面白そう、為になりそう」と考えることがきっとあると思います。そういう現実世界における人間の文書の選別や評価方法をオンラインの世界に持ち込むことが可能になります。人物ベースで文書を関連付けた時、総じて、その文書集合全体の品質は一定に保たれているものだからです。

ソーシャルグラフに基づいて検索結果をカスタマイズするタイプのソーシャル検索だと、あくまで自分とつながりのあるユーザーの文書しか探せません。しかし、つながりはないけど、一方通行で相手のことを知っていて、でも、その人の書いている記事を高く評価しているケースはきっとあるはずです。そういった、自分が信頼できると思っている人の文書を探し出せるようになることは、とても意味があることです。

しかし課題がないわけではありません。たとえば、普段はスマートフォンのアプリについて面白い記事(文書d1,d2,d3)を書いている著者Bさんが、ある日突然、原発問題についての記事(文書d4)を書いたとしましょう。この時、文書d1,d2,d3 と d4 は同じ信頼性が担保できるでしょうか。きっと文書d4 は同じように信用できませんよね。となると、もしかしたらユーザーとその専門領域、トピックを結び付けるような仕組みがあると、もっと検索は便利になるかも知れません。

他にも、単純に現状のソーシャル検索において、知り合いの誰かが書いた文章をより適切に探し出しやすくするためにも使えるかも知れません。しかし、rel="author" が適切に利用される形で広く普及してくれば、上記のようなことも可能になってくるのではないでしょうか。

問題なのは、本当にrel="author" が検索エンジンが利用可能な形で普及するかどうか、ですが。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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