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グーグル、SEO"有料リンク"対策に新ポリシー - 販売サイト側へのペナルティ発動へ

2007/10/10 13:52
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渡辺隆広

日本でSEOを始めた第一人者として知られるアイレップサーチエンジンマーケティング総合研究所 所長の渡辺隆広氏が、競争の激化する検索市場をビジネス、マーケティング、テクノロジーの各方面から掘り下げます。
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近年、SEO業界で盛んに議論されてきたトピックの1つが「有料リンク」(テキストリンク広告)の問題だ。これは、検索ランキングで上位を効率よく獲得しようと、順位に大きな影響を及ぼす"外部リンク"をお金で購入してしまう企業が後を絶たず、ランキングが不正に操作され続けている問題だ。検索会社側は検索品質を維持するために、やめさせるよう対策を講じてきたが、全くといっていいほど機能していないのが現状だ。

有料リンクは米国だけの問題ではない。日本でも2006年頃からSEO目的、PageRank獲得目的を大々的に謳うサイトが登場してきた。これらのサイトを通じて、人気の(お金になる)キーワードをアンカーテキストに貼り付けて大量のリンクを獲得し、長きに渡り検索上位を独占する企業も少なくない。

さらに、リンク販売サイトを使って成果報酬型SEOサービスを開始する企業も急激に増加した。成果報酬型SEOビジネスというのは、顧客に対して張り付けるリンク在庫さえ確保できれば参入できるビジネスなので、その在庫となるリンクを"販売"する取引先サイトさえ見つければ容易にビジネスができるのだ。

具体的なキーワードはあえて伏せさせていただくが、ある検索結果は1位から30位の間に、リンクを購入していないサイトを見つけるのが大変なほどだ。自分の競合サイトが大量のリンクで上位を固めていれば、競合としてもその順位を獲得するために同じくリンクを購入せざるを得ない羽目になる。従って人気キーワードであれば、純粋な自然リンクで地道にSEOをしている企業が上位を狙うのは困難だし、テキストリンク広告に興味を示すのはビジネス上、致し方ないことかも知れない。

さて、これまでGoogleは有料リンクについてエンジニアのMatt Cutts氏やAdam Lasnik氏らを通じて、あるいは公式のヘルプページやSearch Engine Strategies Conference などの講演を通じて再三にわたり有料リンクに対して警告を発してきた。これまでGoogleが行っていた対応策は次の通りだ。

1. 有料リンクがリンク先に渡すスコアを無効にする
2. 販売したリンクは nofollow 属性を追加するよう要請

1つめの対策は有料リンク購入者側へのペナルティだ。せっかくリンクを購入しても、リンクスコアが加算されないのであればランキング上昇には寄与しない、つまりお金をドブに捨てるのに等しいので購入意欲を削ぐというわけだ。もっともこれは全然機能しない。なぜなら、リンクを販売する側は雨後の筍のように次々と登場するのだから、リンクスコアを渡してくれる新たな販売サイトを探せばいいだけなのだ。

また、2はパブリッシャー側に対して金銭が絡むリンクにnofollowをつけろということだが、反発が強くてほとんど誰も実行しない。なぜなら、nofollowをつけるという行為はGoogleの検索品質を高める以外のメリットが全くないからだ。『なぜ好んで世界中のサイト運営者がGoogleの検索品質を改善すること"だけ"のためにnofollow なんてつけてあげなければいけない?そもそも、リンクを通じてウェブサイトをスコアリングするという世界はGoogleが作ったのだから、その世界のルールが乱されたからといって改善策をサイト運営者に求めるのは間違いだ、これはGoogle自身が解決すべき問題だろう?』

Googleもこれまでの対策が全く意味ないことは理解していたのだろう。今回、新たなポリシーを公開した。それが「リンク販売側」に対するペナルティだ。

Search Engine Landの記事Official: Selling Paid Links Can Hurt Your PageRank Or Rankings On Googleで明らかになっている点は次の通りだ。

1. 新たなポリシーとして、サイト販売側に対するペナルティを課す
2. 具体的には、販売サイトの削除、またはPageRankスコアの低下
3. 無差別にリンクを販売していたThe Stanford DailyのPageRankスコアは、9から7に下がった
4. PageRankスコアの低下は完全にアルゴリズムで行っているのではなく人間の審査を入れている

ポイントは、リンクを販売する側にペナルティを課すと決めた点だ。先ほど、リンクを販売する側が無数に存在する以上、リンクスコアを渡さない程度の対策では意味がないと述べた。しかしリンクを販売する側そのものを取り締まればどうか。自分のランキングが低下する、またはGoogleから削除されるリスクをとってまで他人にリンクを販売するだろうか?

この新ポリシーが有効に機能するかどうかは、現在のリンク販売サイトのうち、どの程度に対してペナルティを課せるか - つまり、リンク販売サイト検出精度がどの程度高いかによるだろう。Googleはリンク1本1本をチェックして、それが有料リンクか否かなんて判断はしない。例えば、私がここでWeb担当者Forum(こちらで連載してます)というリンクを張ったとき、これが有料リンクかどうかの判定なんてわからない。実は編集長から「CNETさんからリンクを張って」と頼まれて今私がリンクを張ったのか、それとも本稿を書くためにリンクを張ったのかはわからないし、アルゴリズムでこのリンク1本を"疑わしい"と判断する術はない(ちなみに当然ながらサンプルとしてリンクを張っただけです)。

つまりGoogleは特定のリンクパターンを持つサイトを検出してそれを人の目でチェックしていると推定されるわけで、そのリンクパターンをどの程度のレベルで検出できるかにかかっている。リンク販売側がGoogleに見つかりにくいようにちょっと工夫したものでもきちんと検出しペナルティが与えられるような、そんな現実が広がればGoogleの目を盗んでリンクを販売し続けようなんてインセンティブは低下するだろう。自らのサイトのランキングが低下して集客力・収益が落ちるリスクを犯してまで他人にリンクを販売しようなんて思わない。

時間はかかるかも知れないけれども、リンクを販売することで自分がどんなデメリットをこうむるのか理解が広がれば、少なくとも単純な金儲けでリンクを販売しようとするサイトは減るのは確かだ。一方でリンク検出フィルタリングをかいくぐって、"上手に"リンクを販売し続けるサイトも存続し続けるだろう。

ちなみに日本の場合、単純なものが多いので今回の新ポリシーが日本でも適用されると結構な数のサイトのPageRankが下がると予想される。リンク仕入れ元として使えなくなるサイトの種類によっては、いままで強固にキーワードで上位を固めていたサイトが突然急降下するかもしれないし、成果報酬型SEOサービス提供事業者の中にも困ってしまう会社が出てくるかも知れない。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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