ここ最近、Googleがアドワーズ広告(検索ネットワーク/コンテンツネットワーク)における広告主の最小入札価格を決める「品質スコア(Quality Score)」に、ランディングページ評価判断の要素を加えて、かつ、その品質評価を改善しています。ほとんどの広告主にとって実質的な影響はないのですが、そもそもなぜ、Googleはランディングページの品質判断を行っているのでしょうか。それはMFA(Make for Adsense)サイトの排除に関係があると言われています。今回はこのMFAについて解説をします。
MFAとは、Googleアドセンス広告(あるいは、その他コンテンツに連動するクリック課金方広告)で稼ぐこと「のみ」を目的に開設されたサイトを指します。サイトには、コンテンツ連動広告以外のコンテンツは存在しない、あるいは広告と並列して無意味な(全く価値のない)コンテンツを並列させているだけです。つまり、訪問者は広告をクリックするかブラウザのバックボタン(戻る)を押す以外に何もすることがないサイトです。このビジネスは、安いコストで検索からユーザを誘導して、その広告費用よりもクリック単価の高いコンテンツ連動広告をクリックさせることで成立しますし、実際に成立してしまうのです。
例を挙げましょう。例えばクリック単価10円で検索連動広告を出稿します。一方でランディングページ(広告のリンク先ページ)には、クリック単価10円以上の広告が表示されるようにしておきます。ここでは仮に、クリック単価100円の広告を用意したと仮定しましょう。すると次の計算が成り立ちます。訪問者1ユーザあたりの獲得コストが10円。そのユーザが(コンテンツ連動)広告をクリックすることで運営者が得る収入は100円。100円 - 10円 = 90円の利益が出ます。
このように広告出稿金額が安いキーワードで大量に広告を出し、そのコストよりも多い収入が得られるコンテンツ連動広告をクリックさせればどんどんお金を稼げるわけです。こうしたサイトをMFAというのですが最近は日本でも流行っています。
GoogleやYahoo、Microsoftなど検索連動広告提供事業者から見れば、このような価値の全くないコンテンツを持つWebサイトの広告が大量に出稿されるようではユーザのサーチエクスペリエンスの低下を招き、結果的にレリバンシーの低下、ユーザや広告主の離反を招くことになるわけで放置するわけにはいきません。GoogleはYahoo!と違い、あくまで(限りなく)100%機械的に=検索技術で問題を解決する企業ですから、ランディングページの品質を自動的に判断し、問題があるサイトの品質スコアを下げることで最低入札価格単価を上げさせることでMFAを成立させない施策をとろうとしているわけです。
このMFAサイトについて、次回はブログ検索を使いながら見ていきます。