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映像xコミュニケーション、位置xコミュニケーション

2008/03/03 22:16
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プロフィール

末吉隆彦

リアルとバーチャルの界面がおもしろい、既存領域をひょいとまたいでつながると新しいことが生まれるし、わくわく、どきどきします。そんな人たちと会ったり、体験したネタを紹介していければと思います。
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今は昔、2000年-2002年くらいのお話です。

私は、パソコンつきカメラ 「VAIO GT」と個人インターネット放送サービス「パーキャスTV」を同時に立ち上げようと奔走しておりました。「個人」がしかも「ライブ」で映像配信する世界を仕掛けられないかと考えたのです。私たちは、情報発信者側に焦点を当て、ホームページ上での個人メディアの延長線上に、超個人的な自己主張型映像メディアの到来を意識して「パーソナルキャスティング」とそう呼んでいました。

残念ながら、「VAIO GT」も「パーキャスTV」もお世辞にもヒット商品とは言い難い結果でしたが、このプロジェクトでは、"Connecting dots"ではないですが、今現在に至る貴重な経験や気づきを得ることとなりました。
(一方で、記録ではなく記憶に残る名機?迷機!?だったとパソコン業界関係者の方々からは飲み会などで評価いただいてます...^^)

個人インターネット放送のプロジェクトでは、チームメンバーが自ら率先して、とてもパーソナルなコンテンツ(テレビのまねごととか、スキーに行った映像とか)を制作して限られた友人たちのコミュニティにライブ配信したりしました。友人たちは遠隔地にいながら、時間軸を同じにビデオストリーミングを共有して、チャットでコメントしたり、ライブ配信終了後の視聴後感を皆で共感してたのです。(今現在ならば、タイムシフトしてコメントがつけられ共感体験ができるニコニコ動画の仕組みには、「なるほど!その手があったか!」と純粋に思います。が、当時は「ライブ」な発信・共有にこだわっておりました・・・)

その後、私たち自身、自己主張したいコンテンツ制作がそんなに長続きするわけでもなく、「今育てている動植物」や「自分の部屋」などの”ゆるい"感じの"だら見"コンテンツ配信に発展していきます。もはや、コミュニティ上での自己主張型ではなく、特定他者向けや自己満足型、もしくは自分が遠隔地で確認したいだけのWebカメラ型のユースケースとなっていったのです。ビデオコンテンツそのものは、当時上り配信 20kbps(PHS)〜数百kbps程度で配信していましたから、映像クオリティ的に全く高画音質の価値はありません。また動画メディアの特性上、リアルタイムな時間分の視聴が必要になってきますが、いかに効率的にもしくは楽しく他者にそれを伝えたいか考えるようになっていきました。
たとえば、ペットが激しく動いた、泣いたときにだけ特徴点などを自動認識してサマリーを送る方法。それから、自分の部屋を撮影する場合、かざっている写真や絵などお気に入りのグッズのみをビデオ配信し、部屋の電気がついていると「在宅」、電気が消えていると「就寝中」などの撮影対象物とは別の意味をそこはかとなく伝えるアンビエントコミュニケーション。などなどのアイデアに繋がっていきました。

さて、ここに至って、「パーソナルキャスティング!」と声高に叫んでいた自分自身、映像音声のコンテンツそのもの、発信行為そのものではなく、それを共感する友人たちとのチャットのやりとり、視聴後感の共有、そして、他者へ思いや場面を伝えるためのサマリー的手法、コンテンツ以外の言外に伝えたい意図を潜ませる手法。もはやコンテンツそのものが価値を生んでいるわけではなく、コミュニケーションチャネルの多様性にこそ、何やらわくわくする感じ、価値あると思える領域がありそうだぞ。と気づくこととなります。(このあたりは、うまく言葉で表現しきれないのですが、人によっては、もしくは業界が違えば、当たり前のことなのかもしれません。が、映像音声のクオリティ、世界最小最軽量の薄軽デザインなどを至高的に指向してきた職場環境の私にとっては、とても重要な気づきだったのです。)

 

時を戻して、2008年現在:

私は今、位置情報とコミュニケーションを結びつけて新用途提案、新規市場創造したいと試行錯誤しています。

インスタントメッセンジャーで友人とテキストコミュニケーションするとき、相手の打鍵状態がわかることでとてもスムーズにコミュニケーションが図られます。文字コンテンツそのものではないプレゼンス情報を用いてコミュニケーションを支援する手法はよく知られたテクニックですが、このようなコミュニケーションチャネルをその場の位置や空間情報などを用いることで、次の新しい気づきはないものでしょうか?

先日、スペインで開催された「GSMA Mobile World Congress」でSNSサービスで位置情報を利用した取組みが発表され、国内Webニュースなどでも「友だち探知機」として紹介されていました。携帯電話での位置測位した結果をSNS上で表示、共有するというものですが、今や技術的には自分がどこにいるか発信して相手もそれを許せば、友人がどこにいるか分かる時代になってきました。もちろんサービス全体のコンセプトと、情報発信者と受信者のデザインをどうするかなどがとても重要で、自己主張型ツールにも、わざと位置や場所をぼかして伝えてアンビエントコミュニケーション的にも、はたまた監視装置のようなデザインにもなりえます。

前後して今年1月にクウジットでは、「おともだちレーダー PlaceEngine for Skype」というコミュニケーションツールをリリースしました。一昔前なら友人たちが(位置情報の共有を許可しあえたとしても)どこにいるかなんて知るすべはなかったわけです。

私は、五感を拡張するような機能やUIに惹かれ、見えないものが見える的な機能が大好きなので、純粋に位置関係を俯瞰して見えるのは楽しいのですが、一方で常に友人の居場所を知りたいわけでもありませんし、自分の居場所を発信したいわけでもありません。

今現在の「おともだちレーダー」は、 「PlaceEngine」のテクノロジーショーケース的な位置づけでもあるので、「Skypeを使って位置がわかる!」という直球デザインになっていますが、映像xコミュニケーションでの試行錯誤と新たな気づきの経験を踏まえ、位置xコミュニケーションを今後どのように深堀りしていこうかと考えているところです。

たとえば、「今私は麻布十番にいる」という情報から「私の平日の麻布十番界隈出没率は○○%だ」のような情報に処理して発信すると、友人たちとはまた違ったアンビエントなコミュニケーションが発生するかもしれませんし、パーソナルドクター的な専用システムが存在したら、正確な位置情報はもとより心拍数だって発信しちゃうかもしれませんね。そういえば本日、Zoomr という写真+コミュニケーションサービスがリニューアルされ、PlaceEngineで取得した位置情報をgeotagに利用した写真コミュニケーションも公開されたようです。

いずれにせよ、位置や場所、空間情報をコミュニケーション用途に転化させて、まだまだ新規提案、新規市場創造につなげられるのではないかな。などと時代を行ったり来たりしながらそんな思いで日々取り組んでいます。

 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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