何かをきちんとやりたければ自分でやる。これが、自社で製造するハードウェアとソフトウェアのほぼすべてをコントロールしてきたApple Computerの長年の方針だ。
一方のMicrosoftは、ソフトウェアは自社開発できるので、多数あるハードウェアベンダーのどこかが適切に対応してくれるだろう、というアプローチをとってきた。
確かに、このアプローチはWindowsでは成果を上げたが、携帯音楽プレイヤーのビジネスではまだヒットを生み出していない。Appleの最高経営責任者(CEO)、Steve Jobsも、それが実現する可能性は低いと指摘する。
JobsはNewsweek誌とのインタビューのなかで、「問題なのは、PCのビジネスモデルは家電製品業界には当てはまらないということだ。無理だ。Microsoftは、MP3プレイヤーというハードウェアビジネスへの参入を余儀なくされるだろう。『X-player』などといった製品が今年中に出てくるかもしれない」と語った。
一方、Microsoftのトップは、もっと努力が必要であることは認めたが、今後も今のアプローチを継続することを示唆した。
CEOのSteve Ballmerは1月のインタビューで、「使い勝手にもっと一貫性を持たせることは確かに必要だ。ただし、これは、何種類ものデバイスを用意することが悪いと言っているのでは決してない。素晴らしいことだと思う。しかし、携帯デバイスに関しては確実に一貫性を持たせる必要がある」と語っている。
Ballmerは、ハードウェアデザインに関して何らかのアイデアを用意する可能性を明らかにしたが、Microsoftのデバイス製造ビジネス参入については一切の言及を避けた。
「デバイスとPCの連携については、もっと簡単にする必要がある。このことについては、リファレンスデザインなど、さまざまな方法でパートナーと協力していく」(Ballmer)
一方、Newsweek誌によるJobsへのインタビューでは、ほかにも興味深い話がいくつかあった。Jobsによると、「MacBook Pro」のバッテリ駆動時間は「PowerBook G4」と同等になるという。また、Appleはこれまでと同じペースで新店舗を今後しばらく展開していくという。
Jobsは同誌に対し、「新店舗を年間30〜40店開店させるつもりだ。それでも立地条件や外装などの品質を維持できるはずだ。このペースをまだ数年は維持していく」と語った。
Posted by Ina Fried