お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

Blu-ray対HD DVD--勝負の鍵を握るゲーム機

2005/10/12 21:21
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

CNET Japan編集部

CNET Japanの編集スタッフと米国CNET News.comのスタッフが、手に入れつつもニュースに乗せ切れなかったITやインターネット、モバイル関連の情報や取材でのこぼれ話、うわさ話をお送りします。
ブログ管理

最近のエントリー

 昨日届いたBusinessWeek(アジア版、10月17日号)で次世代DVDをめぐる標準争いについて採り上げていた。この件は日本でも大きな注目を集めているが、両陣営の中心にいるソニーと東芝に光があたることが多い反面、特にハリウッドでの水面下での動きが見えにくいかもしれない。このBWの記事にはそのあたりの興味深い報告がのっているので少し記してみたい。

 9月の終わりに、MicrosoftがIntelと連名でHD DVDの支持を表明したが、これに至る過程で、Bill GatesとソニーCEOのHowerd Stringerの「直接対決」があったという書き出しで、この記事は始まっている。Herb Allenという有名な投資銀行家--もともとCoca ColaによるColumbia Picturesの買収に手を貸してメディアの世界で頭角を現した--がアイダホ州で毎年夏に開く招待者限定のイベントで行われたこの会談で、Gatesは、Blu-rayに使われる予定の違法コピー防止技術--サンフランシスコのCryptography Research Inc.,という企業が開発したもの--について、その採用を見送るように迫ったという。

 コスト面への影響や発売時期の問題から、「XBox 360」への次世代DVDドライブ搭載を見送ったMicrosoftとしては、PCをHDコンテンツの受け皿として使い、そこからXBox 360へストリーミングする形で対応する考えだった。しかし、問題の違法コピー防止技術が採用されてしまうと、このストリーミング配信ができなくなる可能性が出てくる。その結果、XBox 360は、早くからBlu-ray対応ドライブの搭載が明らかにされていたPlayStation 3に大きく水をあけられてしまいかねない。これを食い止めたいというのが、直談判に及んだGatesの思惑だった。

 しかし、ソニー側もそう簡単に考えを翻すことはできなかった。この違法コピー防止技術は、ハリウッドのなかでも最も強硬に海賊版対策を訴える20世紀フォックス(以下、Fox)を自陣営に引き入れるための勝負球だからだ。現行DVDの規格争いに際して、盟友Time Warner(傘下にWarner Brothersを擁する:以下、TW)の支持を利用して勝利を手にした東芝から苦い思いをさせられたソニーには、今度こそハリウッド各社の支持を取り付けて、Blu-rayを標準にしたいという考えがあった。そのため、ここでわざわざ敵に塩をおくるようなまねをしてまで、MSに譲歩する手はない、という判断だったのだろう。

 さらに、意外なところから、ソニーの援軍が現れた。それはTime Warnerの筆頭株主となった「乗っ取り屋」のCarl Ichanで、TWの株価を上げさせたい同氏からの圧力を受ける形で、すでにHD DVD支持を打ち出していたTWの経営陣は、DVD販売のてこ入れのために、戦略の見直しに入った。その結果、同社はより見込みのありそうなBlu-rayを支持したほうが得策だと考え始めた。そして、ここからWarner BrothersとParamount PicturesによるBlu-ray陣営参加への動きが活発化したという。

 9月23日の時点で、あるBlu-ray陣営の関係者は、両社が作成した暫定契約の書類を目にしていたと、BWの記事には記されている。そして、このニュースがMicrosoftにリークされ、例のIntelとの共同発表につながったということらしい。

 この間、Microsoftは臨戦態勢をとり、小売関係者などへの働きかけを行った。店頭での混乱や二重在庫の負担などを避けたい小売業者としては、両規格の並列は是非とも避けたいところであり、実際にWal-MartのCEO、Lee Scottは直々にソニーのStringerとWalt Disney CEOのBob Igerに電話をかけて、事態の収拾を要請したという・・・。

 このBWの記事によれば、現在のところBlu-ray陣営が優勢で、とくに発売から数年間で3000万台の販売を見込まれるPlayStation 3は、同陣営の切り札になるという。また、同ゲーム機に搭載する「Cell」チップ--東芝も共同開発に加わっているところが何とも皮肉なところだ--の開発に数千億円を注ぎ込んでいるソニーにとっては、PlayStation 3とBlu-rayが文字通り今後の浮沈を決することになる。

 ソニーのこの「賭け」の結果が明らかになるのも、そう遠い未来のことではない。

坂和敏(編集部)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー