IT企業やインターネット企業が募集する人材といえば、それ以外の企業でも必要な人材(たとえば、営業だとかマーケティングだとか経理だとか)に加えてエンジニアというのが相場だと思うのだが、グーグルがわざわざプレスリリースまで出して募集するのは、米国マウンテンビューにある本社の食堂で働くシェフである。
グーグルの社員食堂といえば、グーグルに詳しい方ならご存知だと思うが、朝も昼も夜も営業していて、社員は無料でオーガニック食材を使った食事を楽しめるようになっている。しかも、米国版『料理の鉄人』にも出演したシェフが働いていて(まだ働いているのかは不明)、その味は近所のどこかで食べるよりもはるかに美味しいらしい。実を言うと私も取材で訪れたことがあるのだが、下手なレストランよりも美味しかったことは間違いない。
今回のシェフの採用では、わざわざ料理コンテストを催して選出するという。グーグルらしい楽しい試みである。で、その選出方法なのだが、まずは、応募者の中からめぼしい人を招き、彼らに「試食委員会」用の食事を作らせるのだそうだ。そして、その中から絞り込んだ4人で、料理コンテストが開催される。結果的に2名が“エグゼクティブ・シェフ”として採用されるらしい。
多様な人たちが働くグーグルだから、料理のいろんなレパートリーも要求される。プレスリリースには、オーガニック素材を使ったベジタリアン用の食事からタイ料理、グリルバーガー、薪窯で焼くピザといったものが書かれている。思わず舌なめずりしてしまうが、実際、グーグルの社員食堂では、こんなものが食べられるらしい。実にうらやましい職場環境である。
というわけで、プログラムのソースを書いたり読んだりはできないけれど、おいしいソースを作る自信がある人は、人気企業の採用に応募してみるのはどうだろうか?
西田隆一(編集部)