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早稲田大学アントレプレヌール研究会 国際シンポジウム

2005/07/11 09:21
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 前回まではMOT(Management of Technology)の概要を知っていただくことが目的でした。あまりアカデミックなことばかりでも具体性がないので、これからは私がMOTの学生として接した方やイベントへの参加レポートも含めてお伝えしていきます。

 今回は7月9日に開催された、早稲田大学アントレプレヌール研究会の国際シンポジウムについてレポートします。

 なぜ技術経営に関するブログでアントレプレヌールに関する話をするかというと、早稲田大学には理工学部があり、技術移転を行うTLOも早くから設置されているということもあって、ベンチャー企業でも開発型技術ベンチャーを多く排出しているからです。今回のシンポジウムで発表されたビジネスプラン多くも技術に関係したものでした。

早稲田大学アントレプレヌール研究会

 シンポジウムの中身に入る前に、早稲田大学アントレプレヌール研究会について紹介します。

 同研究会は1993年4月に次世代を担うベンチャー企業の支援に携わる専門家や研究者、さらにベンチャー企業自身が相互に研鑽することを目的に設立された研究会です。名前にもあるように、私が通っている早稲田大学ビジネススクールの教授陣が中心となって作られました。当初はベンチャービジネスに関する研究が主でしたが、早稲田大学ビジネススクールが作られたことにより、現在ではベンチャー人材を育成する教育の研究もされています。研究結果は早稲田大学ビジネススクールでアントレプレヌールシップの授業として提供されています。

 早稲田大学はこのベンチャー教育などにより、現在国内の大学では最も多い65社のベンチャー企業を生み出しています。さらにウェルインベストメントとしてベンチャーキャピタルの活動も行っています。

国際シンポジウム(基調講演)

 このシンポジウムは2部構成になっていて、午前中は公演とパネルディスカッションが行われ、午後は学生によるビジネスプランの発表会と、それに対する審査が行われました。

 午前の部では基調講演として、製造業向けにコンサルティング、データマネジメント、システム開発導入を行っている、ネクステック株式会社の山田太郎社長から、ベンチャー企業の株式上場についての話がありました。同社は今年3月、マザーズに上場し43万円の公開価格を3倍以上上回る最高値を記録した企業です。

 山田社長は現在、早稲田大学ビジネススクールの博士課程に所属されています。
この上場物語についてですが、このパブリックの場ではあまりお話できないのですが、困難の道を潜り抜けてこられた、非常に興味のある内容でした。

国際シンポジウム(パネルディスカッション)

 引き続きパネルディスカッションが行われました。パネリストを勤められたのは、日本政策投資銀行の木嶋氏、早稲田大学理工学術院の逢坂教授、私の所属するビジネススクールの松田教授でした。

 このパネルディスカッションで非常に興味を持った点は、木嶋氏の説明の中にあった「カーブアウト」という言葉でした。日本の大企業の中には多くの技術が埋もれていて、ビジネスに繋がっていないものが多いという話を以前説明しましたが、それを発掘する方法のひとつがこの「カービングアウト」です。

 企業からのベンチャーというと、企業がリソースの過半を提供する「社内ベンチャー」、所属していた企業とは関わりを持たずに企業内で研究していたことを退職して起業する「スピンアウト」、会社を退職はしても所属していた企業と関わりを持ちながら企業する「スピンオフ」が知られています。

 「カービングアウト」は企業自体が経営戦略の一部として、事業の切り出しを行い、第三者のサポートを受けながら企業するというものです。この場合元々の会社からは元々の企業から出資等の支援を受けるということでは「スピンオフ」と似ているのですが、経営戦略のひとつとして行うという点で異なっています。

 以前IMDの調査結果について説明をしたことがありましたが、日本はまだまだ新規事業、ベンチャー企業が育ちにくい環境かもしれません。この「カービングアウト」によって、日本に多くの技術開発型ベンチャーが作られ、その結果国際競争力が強化されることが期待されます。

 次回はこの続きとして、午後に行われましたビジネスプラン発表のレポートと技術ベンチャーについて紹介します。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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