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技術経営MOTとは Part2

2005/06/14 16:32
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 前回に引き続き、MOT(Management of Technology)に関してもう少し説明します。
 今回は、企業経営でMOTがどのようなポジションにあるか、その中でMOTの各分野がどういった役割を果たすかについてです。

MOTの扱う範囲

 昨今、企業活動で技術の重要度が増し、今まで関わりの少なかった人々にとっても技術は欠かせなくになってきています。特にここ10年ほどはインターネットの普及により技術者だけでなく、企業内のほぼすべての人がPCなどを介して、インターネットという技術を利用する機会が急増しています。その他にもCAD(Computer Aided Design)の導入、会計や生産管理などのシステムの導入などがあります。

 これだけ技術の発展スピードが速く、企業に浸透した時代はかつてなかったでしょう。

 MOTは、この企業内のあらゆるところに存在している技術を、マネジメントするという観点からも非常に重要な分野であるといえます。この場合のマネジメントとは単なる管理という意味だけでなく、一つの事業として投資とリターンを制御するという意味も含まれています。要するにMOTは、企業におけるバリューチェーン(経営、人事、情報、マーケティング、開発、調達、生産、物流、アフターサービスなど業務プロセスの価値連鎖)における技術課題を体系的にマネジメントすることであると言えます。

 企業内の技術をマネジメントするという観点からMOTは大きく以下の3つの分野に分類されます。
1、オペレーションマネジメント
2、テクノロジーマネジメント
3、インフォメーションマネジメント

MOT Positioning

オペレーションマネジメント

 「オペレーションマネジメント」は前回取り上げた「伝統的MOT」にあたり、日本が得意としている生産プロセス技術に関する分野です。

 すでに「伝統的MOT」について説明をしていますので省略しますが、この分野はトヨタのカンバン方式やDellのBTO(Built to Order)モデルをはじめとする、製品生産の効率化による利益向上を目的としています。

 特にDellのBTOモデルは、差別化が難しいPC分野で、生産の効率化を追求することにより価格優位性を保つという、以前のPCビジネスのモデルにはないものでした。こういった生産方法のイノベーションをプロセスイノベーションといいます。

テクノロジーマネジメント

 「テクノロジーマネジメント」という言葉には狭義と広義があります。
広義としてはMOTとほぼ同意語として用いられ、企業活動における技術経営全般を指します。新規技術、製品、事業開発による、新たな収益モデル確率を目的としています。

 狭義の「テクノロジーマネジメント」は他のMOTの2つのマネジメント分野と同レベルのもので、技術・製品自体のマネジメントを指します。前回説明した「先進的MOT」がこれにあたります。

 すでにご理解されている通り、日本企業が弱いのがこの「テクノロジーマネジメント」分野です。日本は「オペレーションマネジメント」では世界一の技術ノウハウを保有しているにもかかわらず、そこで生産する製品自体もしくは、製品を構成する技術のマネジメントで米国に遅れをとっているのです。この分野への投資は他の分野と比べてリスクが高く、結果が出るまでの時間がかかり、評価がしづらいということから、厳格なマネジメントがされていませんでした。

 さらに高度経済成長の日本では需要が供給を上回っていたため、大量生産を効率的に行うための分野に投資が集中していました。しかし、ユーザが物を選ぶというニーズが多様化した今の時代においては生産の効率性だけではなく、新しい技術・製品を次々と作り出す「テクノロジーマネジメント」への投資が重要になってきます。

 しかし日本企業はこの分野への投資を行っています。 IMDの調査からもわかるように、日本の研究開発費と特許出願数はトップレベルなのです。技術は作ったけどもマネージされていないため、ビジネスにつながっていないということがわかります。

インフォメーションマネジメント

 「インフォメーションマネジメント」分野は一般にいわれる情報システム分野のことです。インターネットを利用した各種情報システム、経営管理システム、ナレッジマネジメントなどが該当します。ITを用いた業務の効率化を目的としています。

 特にMOTで重要になってくるのが、技術戦略プロセスの知的生産性を高めることを目的にした技術ナレッジマネジメント(TKM)です。技術経営で技術情報は当然重要です。しかしこの情報は膨大であり、さらに情報システムの発達により激増しています。この多くの情報から利用価値のあるものだけを見つけて、効率的かつスピーディーな技術経営を行う上でTKMは必須のシステムです。

 TKMの他にも最近では、セキュリティが重要視されています。セキュリティと言っても幅は広く、アンチウイルスからビルの入退室までさまざまです。特に情報セキュリティということで注目されているのが「情報漏えい」対策です。これに関しては別途説明をしますが、今後危険にさらされる可能性があるのは「個人情報」よりも「知財情報」であり、技術経営を行っていく上で、重要なポイントになると考えられます。

 今後の日本で最も重要なのは「テクノロジーマネジメント」です。当然他の分野あってこそですが、勢いを増している中国、韓国や多くの分野でトップレベルの技術を持っている米国と国際競争をしていくためには、新しい技術や製品の開発と、ビジネスへの投資の両方をマネージする体制が必須になってくるのです。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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