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CNET Japan ブログ

技術と経営を繋ぐ

2005/05/31 22:30
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皆さんはじめまして。

これから「技術経営序説」というタイトルでブログを書きます、坂本健太郎です。
このブログを担当することになったのは、以前よりお付き合いをさせていただいているCNETの大日社長に、私が4月から仕事を辞めて大学院に行くという話をしたことがきっかけです。

このブログでは、技術をどうやって経営に結びつけるかという分野であるMOT(Management of Technology)について、単にMOTの説明だけではなく流行のトピックなどを含めてわかりやすく伝えていきたいと思います。
様々な仕事をしている方々に読んでいただくことにより、技術に携わる仕事において重要な分野なのだということを感じていただければ幸いです。

日本での技術と経営

今回は初回ですので、今日本での技術と経営の現状がどうなっているかを調査データに基づいて説明します。

下のグラフを見てください。
これは欧州で有名なビジネススクールである国際経営開発研究所(以降IMD)が調査している、世界競争力ランキングの一部です
1-1.JPG

IMD世界競争力年報より抜粋

IMDの調査(World Competitiveness Yearbook: 世界競争力年間)はよく国際競争力を比較するときに用いられるのですが、このランキングの推移を見てわかるとおり、95年から2001年までの間に日本の競争力のランクは暴落(4位→26位)しているのです。実は日本は93年までは1位だったのですが、最新の2004年の調査では多少持ち直したとはいえ23位という結果になっています。

同調査の関連項目を見てみると、この原因が浮かび上がってきます。
競争力総合で日本が23位だった2004年の特許取得率は1位、研究開発投資額では2位ですが、ビジネスの効率性では37位、起業家精神の広がりは最下位の60位でした。
技術開発、特許取得をしたものがビジネスに結びついていないのが明確です(※)。

技術と経営の間--デスバレー

上記の調査結果から、日本の技術と経営の間には大きな溝があり、研究開発に世界2位の投資をしているにも関わらず、ビジネスとしてのリターンが少ないということがわかります。この溝は死の谷(Valley of Death)と呼ばれています(下図参照)。
1-2.JPG

経済産業省資料より抜粋

「死の谷」という言葉は、もとはアメリカの下院科学委員会副議長だったVernon Ehlers議員が用いたもので、米国政府において、基礎研究と応用研究開発の間のギャップが拡大していくという現象を表わしているのです。
こういった状況の場合、簡単な表現をすると「橋渡し」や「飛び越える」ことが必要となります。

日本における、この「橋渡し」、「飛び越える」役割として脚光を浴び始めているのがMOTなのです。

次回以降は、
・MOTとは
・キャリアパスとしてのMOT
・私たちの周りのMOT
など、わかりやすい内容で日本におけるMOTの重要性をお伝えしてきます。

※追加情報)

先日IMDによる最新の調査結果が発表されました(2005年5月12日 日経新聞夕刊)。
 調査によると、「マクロ経済」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ整備」の4分野のうち、「ビジネスの効率性」が37位から35位に改善したのみで、他の3分野の順位は低下という結果でした。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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