こんにちは。
今、日本は震災でとんでもないことになっていますが、「こんな時だからこそ自分に出来ることを!」と思い、長らく休んでいたブログを書くことにしました。今回は企業ポイントとポイント募金の相性についてのお話です。
企業ポイントの仕組み
以前 【 6分でわかる『ドコモマーケット(iモード)』のポテンシャルと課題 】 において以下のような事を書きました。
課金体系で最も興味深いのはドコモポイントによる支払いが可能になったことです。この仕組の導入はユーザーとドコモ、両者にとってWIN-WINとなる可能性を秘めています。 これまでドコモポイントの使い道といえば端末を購入した場合の補填費用として使われることが一般的だったと思います。ところが2007年行われた販売奨励金制度の見直しによって端末の購入料金が高くなってしまい、ユーザーの端末買い替え頻度は激減、それに伴ってユーザーがドコモポイントを消費する機会もめっきり少なくなってしまいました。その結果、現在大量のドコモポイントは未使用のまま市場に放置されています。 日本の会計慣習に習うと、企業が発行したポイントのうち未使用ものはポイント引当金として期末に計上され、発行企業の負債となります。現在、ユーザーの買い替え需要の伸び悩みによって市場に放置されたポイントはドコモの会計を圧迫しつつあります。もともとドコモのポイント引当金の負債総額の高さは有名でしたが、ことここに至ってはこの負債が経営に重くのしかかって来ているようです。昨年度のドコモのポイント関連費の負債総額は1,595億円で連結営業利益を6%押し下げる要因になっています。 ドコモマーケット(iモード)でのドコモポイント支払いは、ポイントの使い道に悩むユーザーとポイント引当金の増加に悩むドコモの両方にとってメリットがあります。これが上手く回り出せば、(単純計算で)1,000億円以上のポイント利用市場が誕生する可能性があるのです。 ※詳しくは元記事をご覧下さい。 |
企業が発行するポイントは顧客の囲い込み戦略の一手段として使用されますが、上述したとおり未使用のポイントは企業の負債として計上されます。囲い込み戦略のためにポイントを大量発行するのはいいのですが、それが未使用で放置された場合、企業は多額の負債を抱えることになりバランスシートを悪化させます。つまり企業が自社ポイントを発行する場合は、ポイントを消費させる口も同時に用意しないと先々とんでもないことになる恐れもあります。
ポイント募金の持つポテンシャル
3/17現在、多くの企業が自社のポイントを「ポイント募金」として義援金化する動きがあります。これは当該企業とそれに賛同する顧客らの善意に他なりません。
この記事を書いた時点では知りませんでしたが、現在ドコモポイントによるチャリティ募金が行われているようです。2011年4月13日(水曜)までの受付けなので、ドコモポイントが溜まっている方は募金されては如何でしょうか。
しかしながら、ポイント募金は多くのポイントが滞留→負債化している企業のバランスシートを健全化するポテンシャルを秘めています。企業の善意が企業自身の負債削減にも寄与するという好循環を生むのです。もちろんユーザーから見ても、普段あまり積極利用しないポイントを善意に変えられる良い機会です。つまりポイント募金は全ステークホルダーにとって、よりベターな形での義援活動なのです。
本日私が言いたかったこと
自社発行のポイント滞留に悩まれている企業は是非ポイント募金をやりましょう!
そして一刻も早く日本を元気に!
- 備考:
ポイントサービスの会計上の扱いや、義援金化する上で私が見落としている重要な事実などがありましたら @hisyamada までご指摘頂ければ幸いです。
- 参考:
Wikipedia:ポイントサービス - 会計上の扱い