今日はジョブハックの話題について書きます。
私は人が仕事を完遂するには以下の3つの要素が必要だと考えています。以後これを『3動力』と呼びます。
1. 能力
- 仕事を達成するのに必要な様々な能力です。
2. モチベーション
- その仕事に立ち向かう意志や、やり抜く責任感などです。
3. キャパシティ
- その人の心的、肉体的な余裕です。
例えばその仕事をなし得るのに必要数値を100とします。これをこの仕事のHP(ヒットポイント)だとします。そしてその仕事を実行する人が以下の数値を持っているとします。
- 能力=40
- モチベーション=40
- キャパシティ=30
一般的に人は [ 能力+モチベーション+キャパシティ > HP ] の公式が成り立つ場合にその仕事をなし得ることができます。この例では3動力がある程度バランス良く配分されていますが、実際はモチベーションだけが80であとは15ずつだったり、モチベーションは非常に低いけれど能力だけが異常に高かったり、時間(≒キャパシティ)だけが大量にあったりして仕事をなし得るケースもあります。
これらの値のバランスはどのようであっても構いません。その人のキャラクターにも左右されますし、「これが理想」という配分はないでしょう。いずれにしろ3動力の合計値が仕事のHPを超えることが重要なのです。
「仕事のHPをどのように定量化すべきか?」という別の議論もありますが、その点についてはまだ十分に練れていません。現時点では経験によってHPの値を数値化する程度でしょうか。
この公式の使い道
この公式を理解したところで使い道は2つあります。
使い道1:自分の3動力の値を認識して仕事に立ち向かう
ある仕事を実行する際にそのタイミングでその仕事に対し、3動力の値がいくつになっているかを確認します。そしてその仕事のHPをある程度把握し、自分の3動力のうちどの部分を補えばそのHPを超えられるかを考えます。例えば、その仕事を受けた時にその仕事に対するモチベーションが低ければ締切を延ばしてもらいキャパシティを増やしたり、もしくは能力がその仕事のHPに対して著しく低いと判断すれば、誰かサポートをつけてもらうように頼んだりするのです。こうすることによってその仕事にハマってしまうリスクを軽減することができます。
使い道2:相手の3動力の値を認識して仕事を振る
人に仕事を振る場合、その人の3動力のそれぞれの値を見極めます。例えば能力は高いがモチベーションが伴っておらず3動力の合計値が仕事のHPに達していない場合は、モチベーションをUPさせる条件を提示したりします。また能力やモチベーションは申し分ないがキャパシティが低い(=他の仕事を抱えている)場合は、裏でキャパシティをUPさせるための調整をしておくのです。
これは使い道1と本質的には変わりません。相手が自分か他人かの違いです。
まとめ
人は誰しも仕事に対して「頑張りたい」と考えています。優秀でないマネージャは暗に「やる気があれば」とか「君の力ならできる」などと言いますが、重要なの3動力の合計値と仕事のHPの大小なのです。 逆に言うとこの3動力を正確に見極めるだけで仕事に対して冷静に立ち向かうことができます。
仕事を任す人も任される人も一度考えてみると良いかも知れません。