今回は「パーソナルブランド」について私が思うことを書きたいと思います。
私を職業で表すことはできない
私の職業はプロジェクトマネジャーですが、その仕事を口に出して即座に理解してくれる一般の方はまずいません。しょうがないので通常は「IT関係です」と私の職種をお伝えするようにしています。以前から思っていましたが私という人間を職業や職種で語るのは難しいと思います。例えば私の職業はプロジェクトマネジャーですが、大きなプロジェクトがない場合は、社員の教育活動や会社のマーケティング活動に従事していたりします。また最近では私の興味もそちらに移ってきており、今ではその方面の能力や知識も本職レベルに近付きつつあると自負しています。なのに自己紹介をする時は「プロマネです」と言います。私はこれに常に違和感を持っていました。
とは言え人に短時間で自分を伝えるのには職業が最もイメージを共有しやすいことも理解できます。
私は私のことを人にちゃんと説明しようとした場合、以下のことを伝えるのが適切かなと思っています。
- 私の能力
- 私の経験
- 私の嗜好性
- 私のパーソナリティー
主に仕事を念頭に置いた話ですが、上記の4つはその人を判断する(もしくは評価する)上で非常に重要な要素です。1,2は万人が頷けると思いますが、私は3,4も重要だと思っています。なぜなら人はパートナーを選択する時にはその人の個性を重視するからです。これは個人の付き合いだろうがお仕事だろうが全てそうでしょう。おそらく上記の4要素を適切に伝えることができれば職業以上に私を表現することができると思います。
実はフリーランスの方はおおむね上述の要素を理解しており、自分を売り込むために上記のことを意識して行われています。私の知人にもフリーランスや1人社長の方がいらっしゃいますが、やはり「自分の売り込み」という面においてはサラリーマンとは比較にならないと思うことが少なくありません。しかしインターネットの発達した現代はより自由な社会です。たとえサラリーマンや主婦であっても個人を売り込む(=アピールする)ことはもっと意識的に行ってもいいような気がしています。以前からそんなことを考えていたら1冊の本と出合いました、それが『パーソナルブランディング』です。この本の詳細には触れませんが、私なりのパーソナルブランドを持つ方法やそのメリットを以下に紹介したいと思います。
パーソナルブランドを考えてみる
上述したように現代はインターネットの発達により自分をアピールすることが容易になっています。しかしパーソナルブランドを意識して自分を売り込んでいる人はあまりいないのではないでしょうか。パーソナルブランドとは、「他者に与える(もしくは与えたい)自分のイメージ」ですが、言い方を変えると、「自分を自分足らしめているものを明確にしたもの」とも言えます。一見すると「自分を売り込む方法の1つ」に見えますが、それよりも大切なのは、「自分を表現する適切な方法を探す」ことに他なりません。実はこの行為を行うことにこそ重要な意味があり、その過程で上記の4要素に気づくことができるのです。
パーソナルブランドの作り方
ここからは私はパーソナルブランドを作るために行ったことについて紹介します。パーソナルブランドを構築する最も簡単な方法は、自分のシンボルマークと名刺を作ることです。私はまずこれをやろうと思いましたが、いざ自分専用のシンボルマークと名刺を作ろうとすると、「どのうなコンセプトで作るべきか?」ということが全くまとまりませんでした。実はこのコンセプトを明確にするには上述の4要素を整理しないとできないのです。そこで私は以下の方法を使って上述の4要素を明確にすることにしました。
- 自分のBlogのプロフィールが本当に自分を表現できているかを見直してみる (プロフィール)
- フォトアルバムを整理し、自分は何に興味があって何を楽しんでいるのかを再確認してみる (Webアルバム)
- 普段どんな本を読んでいてそれらの本にどんな感想を抱いているのかを整理してみる (学習書籍)
- 普段何をテーマに日記を書いているのかを確認してみる、またそれらに共通点があるかどうか探してみる
これらの結果は上記リストの右側のリンクにあるアウトプットとなりました。以前からずっと記録しているものもあったため整理に時間が掛からないものもありました。私は名刺を作成してくれるデザイナーさんを探し、これらの情報をその人と共有して自分のイメージを膨らませました。そして出来上がった名刺がこちらです。
左上が私のシンボルでいい感じに名刺と融合しています。名刺の中央には私をアピールする一言が添えられています。また裏面には私が大切にしてあるコンセプトが書かれておりこれによって私の嗜好性を表現しています。
この名刺の作成は『お名前ロゴ』さんにお願いしました。お名前ロゴさんのサービスコンセプトは「自分名前を使ったシンボルやロゴを作って生活シーンを豊かにしよう」というものであり、私が考えるパーソナルブランディングとコンセプトが重なる部分があったため(名刺デザイン込みで)作成を依頼しました。ちなみに同サービスはこれまでに無かったコンセプトのサービスであり今後いろんなケースで応用できると思います。
パーソナルブランドを作った結果
最初は自分のブランドを構築するために始めたことですが、この活動は私に以下のような効果をもたらしてくれました。
- 自分能力や個性を見直すきっかけとなった
- 仕事に愛着が湧いた
- 本当にやりたいことに気づいた
まだ私は個人のブランドを作ったに過ぎません。この私というブランドが浸透し、「あ、あの山田さんか」と呼ばれるには長い年月を要すると思います。もしかしたらその日は来ないかも知れません。でも私はこの活動をやって本当に良かったと思います。少なくとも一生付き合えるロゴと名刺ができただけでもその価値があったと考えています。