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CNET Japan ブログ

プロジェクトメンバー間でBlogを書こう

2008/10/19 13:37
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プロフィール

山田ひさのり

私がプロジェクトマネジメントを実践したり学習したりしていく中で、ためになった考え方やノウハウを紹介していこうと始めましたが、その後ケータイ/ソーシャルビジネスを中心の情報発信に変化しました。暫くの間更新が滞っていましたが、私の転職をきっかけにグロースハック/ハッカーの情報を発信するグログとして投稿を再開しました。
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皆さんはプロジェクトの進捗管理をどのように行っているでしょうか? 多くは週1回の定例ミーティング(以後MTGと呼称)や朝の報告会、メールによる日報などでメンバーの進捗を把握していると思います。私も以前は定例MTGを短い間隔で開催し、各メンバーの進捗を把握しようと努めてきましたが、フェーズが運用に入ると定例MTGを開催しても「特に問題はありません」、「順調に進行しています」などのありきたりな返答ばかりで、MTGの開催意義が段々と薄れてくることに気付きました。こうなってくると、

  1. 定例MTGの開催頻度を少なくする
  2. 定例MTGを中止にして何か別の管理方法を適用する

と考えるようになってきます。私はコミュニケーションの重要性の観点から 1. はふさわしくないと考えていたので 2. を模索していましたが、そんな折に知人から「Googleは進捗報告をBlogでやっている」と聞き、早速導入してみようと考えました。私は早速社内のプロジェクト用のサーバにBlogをインストールし、プロジェクト憲章に「毎日退社前に進捗をこのBlogに書くこと」というルールを新たに追加しました。しかし物事は何でもそうですが最初からうまく行くことはないもので、当初は以下のような報告ばかりがBlogに書かれていました。

  • 会員データベーススキーマの見直し 4h
  • 10/4 リニューアルに向けたview部分の修正 2.5h

帰る前に進捗報告をするのは誰でも面倒なものです。よって最初の1人が上記のような報告を行うと、他のメンバは「あ、こんなんでいんだ」と考え、似たような報告を書くようになり、Blogは1日で上記のような進捗報告で埋め尽くされました。しかしこの報告は私の意図した報告ではありませんでした。私は(定例MTGの代わりに)各自の拘束時間を節約し、メンバの生の声を拾い上げるような報告を目指していたのですが、これではまだ定例MTGを続けている方がましでした。

いろいろ考えた結果私はメンバーに「進捗報告」ではなく「日記(もしくは感想文)」を書かせることにしました。進捗報告と日記の違いは以下のように定義しました。

  • 書く内容に関しては制限を設けない(プロジェクトに関係のないことでも書いてよい)
  • 皆に共有したいことをメインに書く(共有すべき事項が無い場合は「今日は天気がよかった」でもよい)
  • 事実だけでなく、その事実に関する自分の感想も書く方がよい
  • 日記調の文体を心がける

この定義と共に私自身が上記のルールに基づいた書いた日記を公開し、再度Blogを書いてもらうことにしたところ皆の書く内容が一変しました。具体的には以下のような内容に変化していたのです。

DB定期メンテナンス

今日はDBの定期メンテナンスでしたが、開始前は準備不足でバタバタしました。DBスキーマの資料を事前に見直しておくべきでしたね、すみません(w でもxxさんのヘルプもあって、最終的には予定時間どおりに完了することができました。xxさんありがとうございます。

本日の出社時間

今日は仕事が詰まっていたので早めに出社して作業に着手しました。10/15が締め切りのタスクが3つあるので最近は若干稼動が上がっていますが後4日間なんとか頑張ります。でも早朝だと人が少なくて邪魔されることが少なく、意外と捗りました。

 

上記の文章は進捗報告でもなんでもなく、単なる「仕事日記」に過ぎませんが私にとっては情報の宝庫でした。例えばDBの定期メンテナンス日記では、今後定期メンテナンスを実施する前には、メンバにDBスキーマの見直しを促しておくことが有効であることがわかります。また出社時間の日記ではある人物に稼動が集中しすぎているるため、その人がやんわんわりと自分の稼動のきつさを私に伝えてくれています。これは報告の形態を 進捗報告→日記 にすることで自然に生まれたものだと思います。

ただしこの仕事日記を導入する前提として、メンバーのモチベーション、プロジェクトへの参加意識などが高いことが条件となります。モチベーションの低いメンバーばかりだと、「退社前に毎日記述する」というルールが自体が守られなかったり、記述内容についても「結局書いただけ」というものになることが少なくありません。

日記の技術に手ごたえを感じた私は、

  • 出社後すぐに前日のメンバーの日記を確認し、(やりたければ)コメント付けて良い

というルールを追加しました。そうしたところメンバーは(勝手に)日記によるコミュニケーションを開始しし始めました。ある人の日記でお礼を書かれていたメンバーが、お礼を書いたメンバーに「どういたしまして、次回は〜してみましょう」とか、「その情報を得たかったらxxというサイトが参考になりますURLは〜」など頼んでもいないのに情報共有が活性化しだしたのです。私も日記に対するレスをこまめに行い、Blogの執筆を盛り上げようと努力しましたが、ある程度軌道に乗るとBlogは勝手に成長していきました(ただしBlogをあまり書かないメンバーに「たまには書いてよ」と促すことは今でもたまにやっています)。後に日記による情報共有が上手く回った理由を分析したところ、以下のような点にあるのではないかと考えました。

インターネットで成功している事例をプロジェクトに展開しただけ

Blogはすでにインターネットで一般的に認知されているコミュニケーションの成功事例です。私のやったことはその既に成功している方法論をプロジェクトという狭い範囲で展開しただけでした。しかもインターネットとは異なり、プロジェクトという狭い空間なので、Blogを書いている人の顔が見えやすく、コミュニケーションがより活性化される要素があったことも成功要因の一つではないかと考えています。

プロジェクトリーダーである私がBlogの内容に干渉しなかった

Blogの長所の一つに「個人での自由な情報発信」があると思いますが、プロジェクトにおいてもそのエッセンスは保つように努力しました。少なくともプロジェクトの長である私がBlogの内容に一切干渉しないように勤めそれを周知しました。もちろん他人を誹謗中傷する内容を記述した場合などは別ですが、「仕事が忙しすぎる」、「こんな風に指示してくれれば助かる」などプロジェクトの欠点を指摘するような内容であっても自由に投稿させる雰囲気を作りました。こうすることで定例MTGでは出てこなかった改善提案が次々と出てくるようになりました。

発言にはきちんと反応する(ネガティブな発言は特に)

仕事において最も辛いことの一つに「頑張ったのに無反応」というものがあります。人間は他人を通して自分の存在を確認するところがあるので、その人が何か活動を行ったらきちんとフィードバックすることが大切です。Blogもそうで、せっかくその人が時間をかけて書いたのに誰からもレスが付けなければ、その人は次回からやる気を失うことでしょう。そのようなことがないように、プロジェクトに対する不満や改善提案のどの場合は特に(本人がそれを意識してない場合も含める)、真摯にレスを返すように心掛けました。この意識と地道な活動がBlogの活性化を促したのではないかと考えています。

 

上記で説明したとおり、プロジェクトでメンバーにBlogを書いてもらうことは定例MTGで得られない様々なメリットをもたらしました。地道な努力をしなければこの施策自体が盛り上がらないという条件付ですが、私はこのBlogを導入してよかったと考えています。今では他のプロジェクトにもBlogの導入を進めており、もちろん私のプロジェクトでも継続中です。皆さんも機会があれば導入を検討されては如何でしょうか。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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