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書籍批評 - ソフトウェア開発55の真実と10のウソ

2008/09/27 11:15
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プロフィール

山田ひさのり

私がプロジェクトマネジメントを実践したり学習したりしていく中で、ためになった考え方やノウハウを紹介していこうと始めましたが、その後ケータイ/ソーシャルビジネスを中心の情報発信に変化しました。暫くの間更新が滞っていましたが、私の転職をきっかけにグロースハック/ハッカーの情報を発信するグログとして投稿を再開しました。
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今後、たまに私が読んだ書籍の批評を書きたいと思います。本日は「ソフトウェア開発55の真実と10のウソ」を紹介します。以下は私がmixiに書いたレビューです。

ソフトウェア業界の著名人の格言や風聞に対して、この本執筆時までに研究され、まとめられた論文と照らし合わせ、その格言や風聞が真実かどうかを検証した本。ソフトウェア業界の故事成語に真っ向から立ち向かった非常に意味のある本だと思います。多くの根拠から筆者の意見を率直に主張しながらも反論を受け付け、議論をより高みに導こうとする姿勢も共感できました。 何よりソフトウェア業界の巨人達の書いた著書を相手に、真っ向から否定と肯定をぶつける筆者の度胸と誠実さに感服しました。私もこうありたいと強く感じた一冊でもあります。

概ね評価できる内容でした。私の尊敬する技術者の人が「疑問に思って試してみることが大事」と言う言葉をよく言われます。世の中で一般的に言われていることや権威ある人が言ったことは特に検証されることも無く受け入れられやすい傾向がありますが、「そのような言葉に(参考にしつつも)惑わされず、自分で真実を見極めなさい」という教訓がこめられています。もちろん全ての事象を検証していたのでは時間が無限に必要で非常に非効率ですが、"教訓" としての価値はある言葉だと思っています。この書籍はまさにそれを地で行く本で、トム・デマルコフレデリック・ブルックスジェラルド・ワインバーグといったソフトウェアの大家に真っ向から勝負を挑んでいる部分はものすごく評価できます。

この本によるとプロジェクト失敗の原因は主に以下の2つに集約されるとのことです。

  1. 見積の失敗
  2. 要件の未決

もちろん他にも様々な原因がありますが、「この2つの充足させることで他の要因を吸収できる可能性がある」という意味でこの2つに絞ったのだと思われます。考えて見ると私の過去の経験でもこの2つを十分に充足させていたら、あんなひどい結果にならなかった・・ というようなことが目白押しです。この2つは書籍では「プロジェクト失敗の原因」として記述されていましたが、恐らく原因ではなくて「充足させるべき(=回避すべき)大要素」という言い方の方が的を得ている気がしました。そう考えると実際のプロジェクトでは「この2つを充足させることを目的とした管理」をすることでプロジェクトを成功に導ける気がしました。(考えてみればこの2つは開発において最もぶれやすいものとも言えます)

この書籍を読んでもう一つ気付いたことは「検証されている多くの真実の出展が特定の書籍である」という事実です。その本は「デスマーチ」「ピープルウェア」「人月の神話」「ピアレビュー」などです。つまりソフトウェア業界に流れる多くの暗黙の了解はこれらの書籍を情報源としているということだと思います。これは意外と重要な事実で、それらの本は、 ソフトウェア業界の暗黙となるほど世の中に受け入れられている→大多数の人が納得する良書 とも言えると思います。私もいくつか読んでいない本があったので、是非読んでみようと思い立ちました。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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