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週アス「ウェブの未来大予想」 ≒ セマンティックサービス

2009/04/22 15:00
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プロフィール

野村 直之

『人工知能が変える仕事の未来』https://goo.gl/9N7cJE ・書籍帯の紹介文より: 「…ここ数年、毎日のように、人工知能についてのインパクトのあるニュースがいくつも流れる中、人工知能の産業応用について一貫して考えつづけた結論をまとめたものです。その背景には、筆者が1985年以来、職業的にAI、自然言語処理の研究開発に従事し、1993年から1994年にマサチューセッツ工科大学人工知能研究所の客員研究員(Visiting Scientist)として、ノーム・チョムスキー(自然科学としての言語学を創始)、マービン・ミンスキー(人工知能の父)、ジョージ・A・ミラー(認知心理学の開祖、ワードネット[WordNet]プロジェクトを創始)他の薫陶を受けながら脳内の言語知識のモデルを研究した経験、その成果を踏まえて、類似検索の体感精度を改善したり、高精度な文章要約システムを開発したりした経験があります。  …AIの産業応用や、AIが浸透した社会における人間の役割、教育のあり方などに興味、関心をもっておられる方に、必ずや、お役立ていただくことができると思います。  (「はじめに」より)」
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 少し間があきました。この間、バイラルマーケティングの原点を振り返って(2001年のセス・ゴーディンへのインタビュー記事を参照して)、ソーシャル活性化の秘密を探ろうとした原稿、そして、グリッドとクラウドの本質的な違いに気づいてまとめた原稿を下書き保存しつつ公開を見送りました。

 そこへ、知人が週刊アスキー4.28号の標記特集をみつけてくれました。これは素晴らしい。

 インターネットの時代になってPC雑誌の老舗が続々と倒れる中、週刊アスキーは、独特のとんがった視点、何でもありっぽい雰囲気を演出しながら知性や感性に訴えるネタを出し続けて命脈を保っておられます。1999年に東京の青山で福岡編集長(当時)にお会いしてお話して以来、彼の存在が、独特の魅力の源泉だ、と確信していました。

 当時、月刊アスキーといえば遠藤諭さん、週アスといえば福岡俊弘さん。お2人とも、表に顔を出す個性的な編集者の代表格として尊敬しておりました。現在も総編集長ということで、いつも期待して、特集を眺めておりました。特に、日本経済新聞社のTさんから、福岡さんが「次はセマンティックしかない」と最近発言された、と聴いていたので、今回の特集も「なるほど!」と感じた次第。

 特集の内容は期待を上回るもので、「3.0」的なサービスを取り上げてくれています。次の「大予想」ごとに数本の先進サービスを紹介してくれています。

  1.  人やモノがつながる検索が流行! (昔のカレシがわかっちゃう!?)
  2. カメラで撮影した動画で検索! (テキスト入力はもう古い!!)
  3. ブックマークがウェブアプリで埋まる! (もうソフトはいらない!?)
  4. タイムマシーン地図が登場!     (未来の地形がわかる!!)
  5. Twitterでは満足できない!! コメントも居場所もリアルタイムに共有する!
  6. ブラウザー戦争がさらに加速! (ブラウザーの可能性に感動!)
  7. すべての知識はウェブから学ぶ! (学校がなくなる!?)
  8. 未来はウェブが予測する!   (2300年のブームは何?)

 こうして目次化してみると、一見普通のWebアプリ紹介特集の体裁を装っていながら、中身のとんがりぶりを確認できる感じがします。

 「 1.人やモノがつながる検索が流行!」 とは、すなわち、広い意味でのセマンティック・ウェブです:

  • ウェブにちらばる情報が、より詳しく(自動的に)分類、タグ付けされてデータベース化される。
  • 検索結果はテキストの羅列でなく項目の関連性がビジュアルに把握できるように進化

 1点目は セマンティック・ウェブのコンセプトそのものですね。2点目は、既に、Cuil の出力結果表示の2Dビジュアルレイアウトや、オントロジー検索の結果を見せてくれるfavikiなどで体験することができます。特集で取り上げられたのは、5W1H Mextractrからも、WHO(人名)抽出結果の誘導先として採用している、Spyseeです。創業者の石田さんのインタビューに「"キーワードを入力、検索結果のページを行き来しながら内容を理解"というプロセスに必要な時間を劇的に短くしたい」とあります。Mextractrアクセラレータと全く同じ目標を共有しています。

 Spysee以外には、商品間の関連のネットワークを「見える化」した、Amaznodeが取り上げられています。

 

「2. カメラで撮影した動画で検索!」 まだ動画ファイル全体を検索条件にできるサービスはないようですが、10年近く前から、静止画間の類似検索は少しずつ実用化の努力がなされていました。

  • 画像分類の半自動化
  • 写真のタグ付けが進み、画像に移っているものが何か検索可能に! 
  • 写真データから3次元空間を割り出し異なる角度から移った被写体も認識できる?

個人的には、もう少し手前の課題、たとえば、「先週末、日光に行って素晴らしかった。自分がとった春の華厳の滝と比べて秋はどう見えているのか知りたい」と思ったら1秒後に、ぴったりの美しい写真が出てくるように、まずはウェブ全体を連携させなければ、と思っています。

  具体的に紹介されている画像(による)検索サービスは、次の3つです。Zemantaで有名になった自動タグ付け機能などセマンティックサービスもあります。

 以下、駆け足でご紹介。

 予想の3では、デスクトップ・アプリとくらべて何ら遜色ないウェブアプリや、その究極形ともいえるブラウザ内のOS、ウェブOSが紹介されています。

  予想の4は、既にあった過去地図、古地図、火星の地図などを紹介しつつ、3次元化、4次元化した地図サービス上で、さらに高度で面白いマッシュアップが出てくることを予想しています。GPSケータイやGPS内蔵デジカメの普及がさらにマッシュアップの流れを促進する、とも。

 予想の5でも GPSケータイを活用。これによりアルタイムで5W1Hを共有し、コミュニケーションを促進する方向性を予想しています。手間をかけずに情報発信しつつ、プライバシーはだんだん失われていく方向ではないか、とのコメントもあります。

 予想の6は、いまブラウザが面白い!ということで、Safari4のシアター風UIが代表で紹介されています。

 予想の7は学習とナレッジマネジメントの話。eBook, Academic Earth, American History in Videoが紹介されています。

 予想の8は、データの力に頼るだけでなく、その解析を推し進め、膨大な計算パワーを駆使したWebサービスの台頭を予想。その象徴として、大量データの集約と解析による未来予測の可能性に言及しています。紹介サービスは博報堂生活総合研究所の「未来年表」。このサービス自体は、政府機関やシンクタンクの調査レポートという、ヒトの頭で咀嚼、分析された2次情報をインプットとしているようですが、事業企画担当者などにとって便利なサービスになっているようです。

 うーむ、、書き始めたときは、どれとどれが セマンティックサービスで、これはまた別のトレンド、という風に分けてご紹介しようかと思っていましたが、なかなか無理がありました。

 集約や誘導、絞り込みの手がかりにもメタデータは必須だし、リッチなUIを伴う便利サービス(より早く、手間無く、わかりやすく)にしても、何かの自動解析エンジンをその場で動かすか、あるいは既に構造化しておいたデータベースを用いています。ほぼ全部がセマンティックサービスに該当する、と言っても言い過ぎではないかもしれません。(ブラウザはそれを支える表現力と高速性を提供しているということで)

 

 

 

 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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