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3/16セマンティックWebコンファレンス2009で楽しみなこと

2009/03/03 23:50
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プロフィール

野村 直之

『人工知能が変える仕事の未来』https://goo.gl/9N7cJE ・書籍帯の紹介文より: 「…ここ数年、毎日のように、人工知能についてのインパクトのあるニュースがいくつも流れる中、人工知能の産業応用について一貫して考えつづけた結論をまとめたものです。その背景には、筆者が1985年以来、職業的にAI、自然言語処理の研究開発に従事し、1993年から1994年にマサチューセッツ工科大学人工知能研究所の客員研究員(Visiting Scientist)として、ノーム・チョムスキー(自然科学としての言語学を創始)、マービン・ミンスキー(人工知能の父)、ジョージ・A・ミラー(認知心理学の開祖、ワードネット[WordNet]プロジェクトを創始)他の薫陶を受けながら脳内の言語知識のモデルを研究した経験、その成果を踏まえて、類似検索の体感精度を改善したり、高精度な文章要約システムを開発したりした経験があります。  …AIの産業応用や、AIが浸透した社会における人間の役割、教育のあり方などに興味、関心をもっておられる方に、必ずや、お役立ていただくことができると思います。  (「はじめに」より)」
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 今回、ご案内 、ご招待、というスタンスで書きかけていたのですが、途中で疲れてしまいました。無料のイベントに「素晴らしいですよ!」と、背中押しをさせていただくのは意外とエネルギーを消耗するようです。そんな文章って、読む側も疲れるのでは?と思い至ったのが、執筆が滞った原因です。

 そこで、ブログらしく、自分自身の期待、わくわく感を記録すればそれで十分ではないか、と思って元気復活。折りしも、まもなく定員いっぱいで申し込み打ち切り予定との案内が出ています

http://s-web.sfc.keio.ac.jp/conference2009/ 

2009年3月5日追記:〆切となりました。

Web 3.0、セマンティック、エンタープライズシステムの次世代に興味ある方にだけ伝われば良いでしょう。ついでにプチ毒吐きすると、Webを見ていればどんな情報、知識でも手に入る、と勘違いしている人にも告知無用ではないか、となります。次世代Web、「3.0」世代になったら、セマンティック技術による強力な絞込みや、知識取得の支援、そして意味解釈アシストができて来るので状況はだいぶマシになりそうです。でも、 まだそうなってないし。

 それに、上記の程度の「3.0」ではまだまだ、今回の基調講演者のような、知識創造・伝達の達人、巨人の役割を代替するべくもありません。数ヶ月だらだらかけてWeb眺めて耳学問する時間があったら、半日か1日、自分とは異質の理解、コミュニケーションをする知性に直接触れるほうが何10倍も効率良い。でも、そんなヒューマン・サービスこそ希少資源であり、残り少なくなっているのだから、気の乗らない人を無理に誘うのは理不尽というもの。

以上のように割り切ったら、気が楽になりました。というわけで、半ば独断と偏見になりますが、もしよろしければ以下、ご笑覧ください。

 

 Web3.0に向かうセマンティックWeb

前回 はリンクだけの予告でした。サブタイトルはこのようになっています。

セマンティックWebコンファレンス2009 〜Web3.0に向かうセマンティックWeb〜

 すぐに思い出されるのは2年ちょっと前のニューヨークタイムズの記事「常識が道案内してくれるWeb?」 です。

  • A Web guided by common sense?---Entrepreneurs try to mine intelligence By John Markoff / The New YorkTimes Published: November 12, 2006

 Web 2.0とは、後だしジャンケンのネーミングでした。オライリーさんいわく、「ユーザ参加でデータ量が爆発し、軽量言語ですぐマッシュアップできるWeb APIも出てきた。ずいぶんWebの様子が変わってきたから、ここらで、メジャー・バージョンの番号を上げましょうか」ということで、「2.0」だったのだから、まさに、後だしジャンケンです。だから、オライリーさん流には、始まる前から「3.0」って言ってはいけない、というのもうなずけます。でも、「2.0」って言っちゃったら「3.0」が気になるのは人情というもの。メジャーバージョン番号を意識させちゃったのだから、次を予測するのも自由でしょっ、ってなものかもしれません。

 まだ気が早い、という指摘が2006年当時にあった一方で、いやそんな前世紀からTim Berners Leeが言っていた「セマンティックWeb」なんて古い、何をいまさら?という声もありました。

 ともあれ、古くて新しいSemantic Webにようやく陽が当たるときがきた、と言ってもよかったかもしれません。6,7年続いたベンチャー企業の応用努力がようやく身を結んで、具体的に便利さを体感できるセマンティック・サービスが現れ始めた。2007年が元年となりそう、という予想が出てきたわけです。他に、ヘラルド・トリビューンのこんな記事もありました:

http://www.iht.com/articles/2006/11/12/technology/web.1112web.php

 

  それで思い出しました。XMLコンソーシアムの設立間もない頃、2001年度の活動として、Semantic Webのアプリケーションの姿を数名の仲間とともに描いたのであります。資料そのものは会員限定で恐縮ですが、第1回XMLコンソーシアムWeekの概要紹介ページで下記をご確認いただけます:

2002年6月12日 第4日

http://www.xmlconsortium.org/seminar/w01/prog_4.html

「常識を備えたSemanticWebのエージェントに検索させてみる」

(株)ジェー・アイ・イー・シー 大泉 英之  

 
PDF(945KB)


Video
『若い奴は演歌は聴かない』って知ってる検索エンジンの試作イメージ」

法政大学           野村 直之 

 

セマンティックWebコンファレンス2009の私的ハイライト

 http://s-web.sfc.keio.ac.jp/conference2009/ 

  最初は、国領二郎先生が、SFC研究所長として挨拶されます。SFC研究所上席所員の上司、というよりは、各種政府委員で多忙な日々をおくられ、日本で大学院の授業をブログ&動画で進めた草分けであり、学術論文でCtoCの出現を予言したりオープン・ソリューション社会到来のビジョンを執筆するなど偉大な活躍をされていることは周知かと存じます。個人的には、 5,6年前にビジネスモデル学会KM研究会に登壇していただいたりしてお世話になっています。

  斉藤信男先生の基調講演。Webを「グローバルOS」と言われるところにシビレます。あちら側にあちこりに発電所がある、というイメージの「クラウド」よりも1歩も2歩も前進している感じがするからです。そして、その知的で動的なWebが基本インフラとして知識社会を支える。そのための技術群がセマンティック技術であり、普及のための標準規格が大切。

 電総研の大OBとしてコンピュータの歴史を通観し、「いまのコンピュータや通信システムはまだまだだ」と思い続けてきた斉藤先生の口から、「こんどこそ本物の知的処理」と言われると信憑性を感じることでしょう。

 続く田中博先生の基調講演も感慨深いものがあります。かつての人工知能ブームの火付け役の1つ、世界最初のエキスパートシステムMyCin (感染症診断システム)の成功を受けて、日本でも、、というわけではないでしょうが、東大計数工学から医学部へと転じられ、現在も医療情報の研究のトップに君臨されている田中先生です。ライフサイエンス分野で、何10年も追求してきた知識体系を、セマンティックWebのオントロジーの規格を参考に、また相互運用性によるアプリケーションの開花を願いつつ実用化する。さまざまな障害により本格的離陸の遅れた医療分野の知識処理がいよいよブレイクする、という期待に溢れた講演になるのでは、と期待しています。

  セマンティックWeb委員会の活動報告は、苦節?年、長年国内で少数の同志の間でがんばってこられた皆様によるサーベイと、具体的な活動報告です。何人かの発表者の皆様には、折に触れてお世話になってまいりました。

 午後は、同じ委員会メンバーの皆様による、実用化システムと、現在進行中の研究プロジェクトの紹介です。情報大航海のように短期集中の研究プロジェクトと比べると、さまざまなルーツをもち、少数ながら実際にお客様が付いている息の長いプロジェクトが多いように思います。オントロジーの整備と、オントロジー活用検索をベースにした基盤整備の取り組みもある中で、コンテンツ間の関連付け、コンテンツの体系化をセマンティック技術で実現する「SNSをビジネスツールに」という発表に注目しています。

 同じ富士通グループの津田さんは、情報内容を適切に保護する、コンテンツ中心のセキュリティの構想を発表されるようです。個人情報フィルタ製品を世に問うている私の会社と同じ方向を向いていると思われ、しっかり聞いておきたいところ。

  NTT研究所と京大・石田先生は、産学連携SNSによる、産学マッチングの成果を披露されるようです。前回 ご紹介したiMageがその後どうなったか。社内応用を飛び出して、大学へ、そして産学連携のアプリケーションとしてどのように使われるようになったか。RDFのグラフ構造のマッチングがどの程度の規模で実用になり始めたか。これらの問題意識をもっておられる方は聴講必須、といえるでしょう。

  サイバーエッヂさんは、OpenCalaisやMextractrと似たテーマ、5W1Hを扱ったシステムを紹介されるようです。

 トピックマップ一筋(10年以上?)の内藤さん。やや孤高の規格、技術という印象もありましたが、今回は、異名同意語、同名異義語、そして多義性の問題、というセマンティック検索の問題に真正面から取り組み、解決をはかったWebサービスを見せてくれる、ということで期待しています。

 阪大の発表概要はやや難解にみえますが、機械設計の際にその機能構造を形式知化するのにオントロジーを用いているとのこと。XML言語のメタ・エディタであるxfyを用いて実装している、ということなので、有用性がどのように評価できるのか、見ることができそうです。

 Yahoo!ディレクトリをSemanticWebの規格によりオープン化したSearchMonkeyについては以前のブログで概要を紹介しています。これは、Yahoo! USのお仕事だったのでいまいち情報が少なかったのですが、今回、ヤフー株式会社さんからご紹介いただける、ということで、楽しみです。

 パネル討論「エンタープライズ3.0へ向けて」。最近の本ブログで、「なぜ企業内には切実にセマンティック技術が必要となるか」書かせていただきました。これをコアに、私の発表分9枚のスライドを萩野先生にお送りしたところです。

 モデレータの萩野先生、ヤフー岡本さんがどのような視点を提供されるか楽しみです。NTT研究所の佐藤さんからは、拙ブログを読んだ感想を頂戴しています。パネルがますます楽しみになった、ということで、事前にエールを交換した形。東芝の長野さんには、先日2/16のセミナーをご紹介し、チームの方に参加いただきました。三菱の渡邊さんとは、12月5日に少しお話させていただきました。そして、富士通研究所の津田さんとはICOT以来の長年のお付き合いです。今回お声をかけてくださったのも彼です。数年前の情報処理学会大会での パネルの司会も見事でした。パネリストながら、場を仕切る鋭い発言を今回も期待しちゃいます。

  最後に、午後やっている展示です。以上の講演で紹介されるシステム +1(one)となります。

「+1(one)」が Mextractrということで、足を運ばれた方にはいろいろ楽しんでいただきたい、と願っています。下記の5W1Hサイコロを、飾りのためにもってまいりますが、インタビュー式のアンケートにお答えくださった人全員に差し上げられるだけ確保できるか未知数です。駄目な場合はどうかご容赦ください。

 

  それでは、もしよろしければ、3/16当日、慶應大学三田校舎でお会いしましょう。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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