いよいよ2022年もあと1週間。ロシアのウクライナ侵攻で始まった今年。さらに安倍元総理の銃撃事件、そして感動も冷めやらないFIFAサッカーワールドカップ。北朝鮮からの無秩序なミサイル攻撃も数十件にも及びました。そこから導き出された今年の漢字1文字は「戦」でした。せめて「闘」のほうがポジティブな気もしましたが、防衛予算の大幅増加で終了した国会のことを考えるともはや日本は「シン戦国時代」に突入したのかもしれません。
さて今回と次回に渡って私が今年1月から12月までにさまざまな情報から独自の目線でピックアップしてきた記事セレクションから「2022年のトレンド」を分析するとともに、ここで紹介しきれなかった記事を改めて紹介したいと思います。
今年1年に私がラジオ放送やその他のメディアで紹介するために書いた記事は全部でちょうど100記事でした。その内訳はおおよそのテーマ別に分けてみたところ、、、
- AI(人工知能)関連:19件
- NFT/メタバース、放送通信、コミュニケーション関連:17件
- 宇宙関連:14件
- バイオ関連:16件
- ロボット・ドローン・流通関連:13件
- その他:21件
という結果でした。(図を参照)
NFT/メタバース関連に放送通信などのコミュニケーション関連記事も合わせて集計したところは少々乱暴なところもありますが、全体的には今年を象徴する5大ジャンルが如実にクローズアップされたと思っております。以下それぞれのジャンルごとの象徴的なできごとを記録しておきます。
まず「AI(人工知能)」ジャンルの象徴的な出来事としては
★Midjourneyをやってると、AIと人間が共存する社会が見えてくる、、、(2022年08月19日)
で紹介した画像生成AI「ミッドジャーニー(Midjourney)」の大活躍でしょう。画像生成AIから始まったAI生成ブームは動画や文章などにも広がってついに韓国ではAIだけで1冊の雑誌を創刊させてしまったようです。
◆ついに韓国ではAI人工知能で雑誌出版、、、
韓国の「韓国電子図書出版」は、人工知能(AI)を活用した雑誌「SINGULARiTY(シンギュラリティ)」を相関したと発表。最近大活躍中のAIによる画像生成や文章生成などを組み合わせることで「究極的にエディターやデザイナーが1人、または全く必要のない雑誌づくりを目指す」ということです。画像生成AIを活用したイラスト集や文章生成AIを使った小説などさまざまな実用化が始まっていますが、いよいよこれらを組みわせて「雑誌」というスタイルにまとめ上げるところまできました。
記事によれば、エディターがテーマを選定し、細部条件を設定すれば、AIが自動的にふさわしい素材を出力、これを使って取材したり資料を調べたりしてエディターがいったん記事を作成、これをAIに読み込んで最終的にAIが編集・デザインして雑誌ができあがるということです。「韓国電子図書出版」のソ・ドンウ会長は「自主開発したAI技術を使って雑誌を作るという点に加え、これまでの枠にとらわれない新たな雑誌という点を強調したい。」とのことですが、読者はもちろん生身の人間。果たしてAIがまとめあげた記事やコラムをこれまでの雑誌や書籍と同じように「感動」や「納得」ができるものなんでしょうか。
こうしたことがあるたびに思いますが、文化の進化の歴史にはかならずツールの進化が伴っており、ツールが進化したからこそ洗練された小説が生まれ、絵画が生まれ、雑誌や動画が生まれてきたと思います。あくまでAIは人間を補完するツールであり、これを活用してさらに洗練された生成物(作品)が生まれていくことは我々人類の生活の進化には欠かせないことなのではないか、非常に興味あることだと思います。
続いて「NFT/メタバース、放送通信」ジャンルの象徴的な出来事ですが、NFT/メタバースについては
★「Web3.0」を最近のニュースから紐解いてみる、、、(2022年06月06日)
で紹介した「NFTが卒業証書に、、、」だったり、東京大学に「メタバース工学部」が設立される、など確実に進化も加速し始めていますが、ここは私の専門ジャンルから紹介させてください。
★放送と通信の地殻変動:いよいよ完結か、、、(2022年11月27日)
から「W杯ドイツ戦でネットがついに地上波を上回った、、、」話題を取り上げたいとおもいます。
今年は放送と通信関連の話題では、同じく上記の記事で紹介した、4月に「民放各社がついに地上波同時生配信を開始、、、」という出来事も非常に象徴的な出来事でした。放送業に携わってきた私にとってまさに「進化が問われている」状況がひしひしと伝わってきます。放送関連の通信技術としてはこんなこともありました。
◆メジャー初!投手と捕手のサインをワイヤレスで伝達、、、
今年もアメリカメジャーリーグでの日本人選手も大谷翔平選手や鈴木誠也選手など大活躍でしたが、投手が投げるときに保守や監督から秘密裏にどう投げるかの指示を出す、いわゆる「サイン」がなんとアメリカではワイヤレス通信で行われはじめているという話題。
「投球サイン」の通信化は、試合のスピードアップとサイン盗み対策を目的に開発され、昨シーズンにはマイナーリーグでの実験的な採用がされていましたが、今季はついにメジャーでの使用が認められ、3月19日のレイズ-ブレーブス戦で初めて使われたということです。
捕手が左腕に数字のボタンが付いたリモートコントロール端末を装着し、ボタンを押して数字を投手に伝えるシステムで、投手と二塁手が帽子にレシーバーを装着。レシーバーからはその数字が機械音声で発せられるようになっているそうです。大谷選手やダルビッシュ選手が使うかどうかはまだ未定ですが、いよいよプロ野球にもIT化の波が押し寄せています。
次回は宇宙関連、バイオ関連、ロボット関連の象徴的な話題を紹介したいと思います。