安倍元首相の国葬が9月27日(火)に迫る中、依然として世論の反対意見が上回るとともに参列しないと豪語する議員の面々がクローズアップされる日本。海外から217の国や地域、国際機関の代表者が国葬に参列する(政府発表)と発表される中でも国葬を受け入れない日本国民がいるというわけです。少々強引な政府(自民党)なのかもしれませんが、日常ではとても世間体を気にする国民性が一般的であるにもかかわらずこうなってしまうのは少々残念です。まあアメリカでトランプ元大統領が国葬になるとなったら大変な騒ぎになることは間違いなさそうなのでお葬式はひっそりと実施することに限るのかもしれません。
さて今月は前回の宇宙関係DXの話題につづいてAI・ロボット・サイボーグに迫る話題をピックアップしたいと思います。もはやドラえもんや鉄腕アトムの世界は実現間近です。
◆考えたことが文章で出力できるサービスが始まるかも、、、
例えば電車内とか町中を歩いているときなどで、声を出したりキーボードを打ったりすることができないときにふとアイデアを思いついてしまうことってありませんか。そんなときに忘れないうちにこれを書き留めておきたいと思うのですが方法がみつかりません。声が出せれば最近だったらスマホの録音機能で録音しておいたり、スマホ搭載された音声文字変換機能を使って文字で保存することもできますが、特に電車内などでふと思いついてもなかなか記録しておくことができないんです。ところがそれを解消してくれる機能が実現しそうなんです。
Metaの研究チームは、脳が活動する際に変化する電場(脳波:EEG)データと磁場(脳磁場:MEG)データを、頭の外部に装着したセンサーで取得することに成功。それらEEG/MEGデータとそれに対する音声データの関連性をAIに学習させた結果、考えただけで文章を作ることが可能になると8月31日に同社サイトで発表しました。
実験では学習後のAIモデルに対して被験者のEEG/MEGデータを与え、そのときに聞いた正解の単語793種類から選ばせたところ、最大73%の精度で正解を見つけ出せたということです。この精度をあげていくことで、考えただけで文章(テキストや文字)として出力させたり、声を出せなくなった人同士や声を出せない人とのコミュニケーションが可能になるというわけです。
だいぶ昔ですが「ブレインストーム」というSF映画では、誰かが見たり聞いたりした経験を画像や音声で保存しておける機能が実現しているという時代設定で、人の経験をあたかも自分が経験するかのように感じることができることで大事件が起きるというストーリにめちゃくちゃワクワクしました。未だ人の考えを脳に直接受信することができるまでには至っていませんが、人の考えを送信することまでは出来たというわけです。これが一般化すれば誰でもスマホで使えるようになるのではと期待しています。
◆二足歩行ロボット業界本格化!日本はどうなるどうする、、、
ご存知のようにテスラは「Optimus」という人型ロボットを今年の9月下旬に発表する予定ですが、そんな状況を受けてか、中国ハイテク企業大手の「シャオミ」は8月11日、「CyberOne」と名付けられたヒト型ロボットを発表して話題になっています。
「CyberOne(中国語で「鉄大」)」は身長が177cm、体重52kg、片手で持てる重さは1.5kg、身体全体の動きは最大0.5ミリ秒の遅延速度で人間の動きを再現。手のひらに指はないが花などの細く柔らかいものもやさしく握って持つことができるとあります。また人の45の表情や85の環境音を認識し、8メートル以内のものを1mmの精度で見分けて相手にふさわしい行動を起こすことができるそうです。
工業用ロボットは日本のお家芸でもあり、未だ世界の需要の多くを担っていますが、こと人間の相手になってくれそうな二足歩行ロボットとなるとなかなかビジネスにならないこともあって続けられてない分野の一つです。かつてはホンダの「ASIMO(アシモ)」やソニーの「Qrio(キュリオ)」そして2足歩行ではありませんがヒト型の代名詞ともなってるソフトバンクの「Pepper(ペッパー)」など数々の忘れられない思い出があります。その都度技術向上は進んでいると思うのですが、それらを活かせないまま海外企業にもっていかれてしまうにはあまりに惜しいように思います。
◆生きた昆虫をサイボーグにすると、、、
最後はサイボーグのゴキブリが誕生したという話題。理化学研究所などの研究チームは9月5日、昆虫に発電装置や通信機を搭載した「サイボーグ昆虫」を開発したと発表しました。
これまでは、発電装置などのデバイスが大きいほど昆虫の運動能力は低下するため、運動能力を保ちつつ10mW以上の出力ができる発電装置を搭載するのはこれまで困難だったそうなんですが、今回の研究では、体長約6cmのマダガスカルゴキブリの胸部背側に無線移動制御モジュールとリチウムポリマー電池を取り付け、さらに厚さ4μm(=1000分の1mm)の太陽電池を腹部背側に取り付けることに成功。これによって最大17.2mWの出力を確認でき、昆虫の寿命が続く限り長時間かつ長距離の活動を可能にすることができるようになったと結論づけたそうです。
昆虫型のロボットはこれまでにも世界各国で研究が進んでいますが、どれも小型になった分バッテリーも小型化するため活動時間が制限されます。これを生きた昆虫の生命力を活かすことで活動時間を一気に伸ばしてしまおうというわけです。その上サイボーグ昆虫は、人が到達困難な狭小環境などで長時間活動できるロボットとして着目されているということで今後の発展に注目です。
(出典)
-
■CNET Japan・Meta、耳にした単語を脳波から推測するAIモデル開発(22/09/22)
-
■シャオミ・CyberOne(中国語で「鉄大」)
-
■理研・再充電可能なサイボーグ昆虫