1日の感染者がほぼ1000人にリバウンドしてきてしまったことで、またまた来週月曜(7/12)より東京の4回目の緊急事態宣言の発令が決まりました(ほか沖縄はすでに5月から宣言継続中)。東京周辺3県(神奈川、千葉、埼玉)はまん延防止等重点措置継続。2週間後に控える東京オリンピック・パラリンピックもほぼすべての競技で無観客開催。考えてみれば今年に入ってほぼすべての日で緊急事態宣言かまん延防止等重点措置が継続するありさま。必要なことだとわかっていてもこの終わりのない制限生活は、飲食店関係やイベント・エンタメ事業者のみならず国民すべてにおいて史上最大の試練であることは確か。
1日1000人程度の感染者であればワクチン接種を促進させるだけで通常の日常を取り戻している国はいくつもある中、日本はパンデミックに対する寛容さが全く持てない国民なんでしょうか。さらに飲酒においても許容範囲がめちゃくちゃ狭い。卸業者が酒を卸すと店ごと罰せられるみたいな話まで飛び出してきた。未だオリンピック開催中止を唱える人や党もいる。末期的症状の中「頑張れニッポン!」が言える国民であって欲しい・・・。
そんなときに何ですが、来週土曜(7/17)に人工知能(AI)の基礎知識を事業に活用できる能力を問う今年2回目の「G検定(ジェネラリスト検定)」が行われます。人工知能に関する検定はこの「G検定(ジェネラリスト検定)」のほか、プログラミング能力も加味されたその上位の「E資格」もあります。いまや誰もが人工知能を取り扱う時代。日々のニュースの中で人工知能に関連するニュースが無い日はないくらい日常化している「人工知能」。検定試験にも登場しそうな話題をピックアップしてみました。
■クマも牛も分かる!?動物対応型顔認証技術!?
AIによる顔認識技術は日本でも、無人コンビニやイベント会場の入場、空港の出入国手続きなどで活躍を始めていますが、海外では動物の生態を調査することにも活用が始まっています。
カナダのブリティッシュコロンビア州でハイイログマの追跡調査を10年以上続けている生物学者のメラニー・クラファム氏(Melanie Clapham)が、シリコンバレーの技術者らと協力して、「BearID」と呼ばれる顔認識ソフトウェアを開発しました。これを使うことで予め登録されたクマを84%の精度で識別できるようになり、ハイイログマの生態がさらに詳しく分析できるようになったということです。
またアメリカカンザス州の牧場主であるジョーホアグランド氏(Joe Hoagland)は、ウシを追跡する顔認識ソフトウェアを開発。なんと以前に見かけたことがないウシも含め、94%の精度でウシを識別できるようになったということです。
ちなみに中国では準絶滅危惧種にも指定されているジャイアントパンダの生態についても生息区域内にカメラを設置して顔認証システムで確認することで、パンダの個体の状況をより正確に把握しています。AI顔認証は人間に限らず生き物全体にとっても重要なシステムになっています。
■実力はベテラン医師並!?AIが大腸がんを発見!!
AIでの画像認識技術といえば医療現場でもどんどん活用が始まっています。国立がん研究センターは、人工知能(AI)を使って大腸の内視鏡画像から早期の大腸がんやがんの手前の段階のポリープを見つけることに成功し、医療機器としても承認されたと発表しました。
国立がん研究センターによれば、大腸がんになりうるポリープの発見率が1%上がれば、命にかかわる大腸がんが5%減るというデータがあるそうで、これまでは熟練の医師たちの勘や努力で早期発見に努めてきたわけですが、これにAI診断が加わったことでさらに救われる命が増えることになります。
今回約1万2千種類の早期がんやがんになる前のポリープの画像25万枚分をAIに学習させ、有効性を検証したところ、判断しやすいタイプの病変なら95%を正しく検出。判断しにくいタイプの病変でも78%の検出率だったということで、これは人間で言えば「熟練医なみの実力」だということで実用化に踏み切ったということです。
今後は人間が認識しにくいタイプの画像をさらに学習させて精度を高めていくということです。
■あなたが寝ている間に分析!睡眠改善スマートスピーカー!
AIは音声認識技術でもさまざまな方面に新たな展開が始まっています。
Googleのディスプレイ付きスマートスピーカー「ネストハブ(Nest Hub)」の第二世代モデルが3月16日(火)に発表されました。「ネストハブ(Nest Hub)」はスマートスピーカーの中でもディスプレイが付いているため、さまざまな表示ができたり、言葉での操作のほかディスプレイをタッチしての操作も可能なので人気が高いそうなんです。
今回の第二世代では、時計や天気予報、フォトフレームなどの機能に加えてなんと、睡眠を理解・改善し、安眠をサポートする新機能「スリープセンシング(Sleep Sensing)」を搭載。ディスプレイ近くの人の動きや呼吸をセンサーが察知して、枕元においておくだけで、その人がどのように眠っているかを分析。咳やいびきなどがどのように睡眠障害になっているかを突き止めることも可能になるということです。
因みにAppleはAppleWatchなどを活用して健康の分野=ヘルステックに力を入れていますが、Googleもこのディスプレイ付きスマートスピーカー「ネストハブ(Nest Hub)」で本格的にヘルステックに参入のようです。
■子どもを支援!アマゾンのアレクサに新機能が追加!?
さらにAIの音声認識では「Amazon Alexa(アマゾン・アレクサ)」に外出自粛の子どもたちにピッタリの新機能が追加されて話題になっています。それが「リーディング・サイドキック(Reading Sidekick)」という機能。(米国で6月29日からスタート)
これはアマゾンの「AIアシスタント=アレクサ」を搭載したスマートスピーカー「エコー」シリーズのユーザーで、子供が書籍やビデオ、ゲームアプリなど数1000点をいつでも気軽に楽しめる「Amazon Kids+」というサービス(日本では月額480円、初月無料)に加入している人を対象に始まった新サービス。アレクサが子供の読書仲間となって物語を読み聞かせたり、子どもが読み上げ中につかえたときにフォローしてくれたりするものです。
これまでもディズニーなどの絵本を読み上げてくれるサービスはありましたが、アレクサを通じて子供とやりとりしながら絵本を読めるのは初めて。子供がアレクサに「本を読もう」と言って本のタイトルや読み上げ回数などを設定すると、アレクサと交互に読んだり、その読み方が良いと褒めてくれたりもするそうです。
残念ながら日本ではまだこの「リーディング・サイドキック」はスタートしていない(近日中に公開予定)ようですが、読み上げてくれる絵本や書籍はたくさんあるので、こうした機会にお子さんと一緒に本を読むのも良いのではないでしょうか。AIがどんどん我々の身近なツールになりつつあります。
(出典)
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■顔認識技術、動物への応用も進む--カナダではクマ、米国ではウシを識別
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■国立がん研究センター「WISE VISION 内視鏡画像解析AI」
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2020/20210112/index.html
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■Google Nest Hub(第 2 世代)
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■アマゾン、子どもの読書をAlexaで支援する「Reading Sidekick」を提供開始