前回のブログの時点ではアメリカ大統領選挙の投票直後でトランプVSバイデン両候補にまだ決着がつかないままどうなるかと言った状況でした。その後結局バイデン前副大統領が選挙人総数の過半数獲得したにもかかわらずトランプ大統領は敗北を認めないまま現在に至っています。12月8日(火)の選挙人決定期限(セーフ・ハーバー)には何らかの決着が見られるのでしょうか。
そんな中新型コロナウイルス感染症のほうはついに19日、東京都で1日の陽性者数が534人と初の500人超え。全国では2239人で過去最多を記録。第3波が現実的となり経済活動を自粛させずにどんな対策が講じられるかの瀬戸際に来ています。なぜここに来て陽性者が増え続けているのでしょうか。その理由としては1日のPCR検査数が増えていることはあげられているものの、夜の街への繰り出しや大人数での宴会が目の敵にされています。
でも私は大人数の宴会や夜の街繰り出しが直接の原因だとはどうしても考えられないのです。そもそもなぜ検査数が増えているのか? 日本ではPCR検査は不特定多数の人が受けられる体制にはなっていないため、必要とみなされた人だけがPCR検査を受けています。それが増えているということは、検査を受けるべき人が増え続けている=すなわち新型コロナの症状が明らかに出ている人が増えている。つまりこれは季節的なことに関係しているのではないかと思うのです。寒くなって乾燥してただでさえインフルエンザやアレルギー性疾患などで体調を崩す人が続出する季節、これが間違いなく影響している。これが増え続けている原因ではないかと思うのです。
つまり増えている直接の原因は人為的なことではないということ。担当大臣や都知事の会見では国民の気持ちが緩んでいる、マスクを付けないひとが増えている、飲食する際は食べ物食べるときだけマスクを外して喉に入ったらすぐにマスクを戻しましょう、などばかりが挙げられますが、実はこうした人為的なことはほとんど関係ないと思うのです。
もちろん感染症対策はやらないよりやったほうがいいに決まっていますが、今増え続けている原因は季節=自然の変化が原因なのだからマスク対策や会話自粛では太刀打ちは出来ない。徹底的な対策を講じようとするならば、日本全国の湿気増やして温暖を保つこと、またそれに近い状況を加湿器や暖房などで作り出すこと。家に帰ったら必ず風呂に入って体力を温存すること、良く睡眠を取ること。すなわち国民全員で健康維持トレーニングを徹底することのほうが断然効果が出るのではないかと、みなさんも思いませんか?
ということで今回はここ数ヶ月に私がピックアップした生物に関係あるトピックから自然の驚異を考えます。
■永久凍土のバクテリアでプラごみの分解ができる!?
7月1日から全国のプラスチック製のレジ袋の有料化が義務化されましたね。なのでスーパーなどでレジ袋に入れるかどうか聞かれて、入れると5円かかると言われて悩んじゃったりするので、さっそく自前のエコバッグを持参する人もいれば、有料でもいいから変わらずレジ袋使い続けようと考えている方も少なくないのではないでしょうか。
今回のレジ袋有料の義務化は、国を挙げて環境汚染に関わる「プラごみ」を少しでも減らす気持ちをみんなで持とうという意味だということで、本当に必要なレジ袋とそんなに必要ないレジ袋をわけてみようということが目的だと思うんです。
つまり、これで海洋プラスチックごみ問題や地球温暖化などを徹底させようというわけではないのですが、こうした海洋プラスチックごみ問題などに興味を持ってみると、最近おもしろいことが起きているんです。それがアルプスやアラスカやシベリアなどの「永久凍土」が一部溶け出し、その中からおよそ30,000年前のものとされる新種のウイルスが続々と発見されていて、なんとそれらのウイルスの中にはプラスチックを食べて分解して二酸化炭素と水などにまで分解してくれちゃうそうなんです。
ちなみにこのようなプラごみを食べるバクテリアは数年前に、大阪の堺市のペットボトルの処理工場でも見つかっていて、発見場所にちなんで「イデオネラ・サカイエンシス」と名付けられ、世界からも注目を浴びて各国での研究が進んでいるそうです。どれもまだ実用化には至っていませんが、プラごみの削減に興味を持つ人が増えればそれだけ、こうした研究が実を結ぶのも早くなることは間違いありません。
■長〜いブランク!1億年以上前の微生物が復活した!?
約1億150万年前から430万年前に海底に堆積したとされる地層を採取分析したところ、なんとその中から見つかった微生物の培養に成功し、ほぼ全ての微生物が復活したと28日、日本の海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究チームが英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表しました。
海底にはその年代の地層ごとにプランクトンの死骸やチリや土などと一緒に当時の微生物が閉じ込められていると考えられていますが、堆積されるたびに栄養やエネルギーも少なくなって生命活動を続けるのは難しいとされてきました。ところが今回の分析からこうした栄養の欠乏した海底下でも、堆積物中に存在する微量の酸素やエネルギーを餌にして、1億年以上前の白亜紀時代の地層でも微生物は生き残ることができることを証明したというわけです。
今後は生き残った微生物をさらに分析して、そのサバイバル能力や進化の秘密などを解明していくことで、人類誕生の謎に迫っていくことになるそうです。
■総量5京キロ!?8億年前に大量の隕石が地球や月に衝突!?
最後は生物の話というより地球に生物をもたらした原因がわかってきたという話題。なんと今から8億年前、直径100キロ以上の小惑星が地球の近くで破砕(はさい)し、その破片が大量の隕石(いんせき)となって地球や月に衝突したという解析結果を大阪大と東京大の研究グループが発表し、7月22日英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」電子版に掲載されました。
小惑星の破片の量はすさまじく、過去25億年間で最大とされ、4京~5京キログラム(10^16kg)=計算してみたら小惑星リュウグウ(4.5×10^11kg)10万個分にあたります。これは約6500万年前に恐竜を絶滅させたとされる隕石で考えてもその30~60倍にもなるそうです。
当然付近の惑星にも飛来したとされ、月にもその痕跡はクレーターとして残っていたり、小惑星リュウグウなどはその散らばった破片の一つではないかということです。
大阪大学の寺田健太郎教授(宇宙地球化学)によれば「8億年前に大規模な天体衝突があったという前提で、月の組成や地球の環境を見直すと、新たな知見が生まれるかもしれない」と話しているそうです。つまり8億年前にあった隕石衝突こそが惑星に生命をもたらしたのかもしれないからです。生物や生命がどう生まれたかがわかれば新型コロナウイルス(ウイルスは生物ではありませんが)の対策にも新たな光が見えるのではないでしょうか。
5京kg = 5x10^16kg(8億年前の隕石量)
4.5×10^11kg(リュウグウの質量)隕石の10万分の1
6x10^24kg(地球の質量)隕石量の1億倍
(出典)
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■イデオネラ・サカイエンシス(奈良先端科学技術大学院大学)
http://www.naist.jp/research/public_relations/vol27/biological1901.html
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■白亜紀の海底堆積物で微生物が生きて存在していることを発見(JAMSTEC)
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■8億年前の月に降り注いだ小惑星のシャワー(Nature Communications)