長い年月かけて進化し他の生物の何十倍もの知能を得てきた人類ですが、ある生物は意外にも思ってたよりずっと頭がよいことがわかったという話題が続いています。
■驚(オドロ)イカ!?
寿司や天ぷらなどで日本人が最もよく食べる魚介類といえばイカだそうですが、このイカに関する驚きの研究結果を、オーストラリア「クイーンズランド大学」の研究チームが発表しました。それが「イカの脳は犬の脳に匹敵するほど優れている」というもの。
脳の優秀さを表すのにニューロンという神経細胞の数がありますが、ウィキペディアによれば、人の大脳には約160億個のニューロンがあるのに対し、犬が5億、猫やモルモットで2億、一般的な魚だと1000万個、ゴキブリだと100万個ということです。
そんななかで、研究チームはアオリイカの脳をMRI撮影して脳マップを作成したところ、なんと5億個を超える神経細胞を発見。犬と同じレベルの脳細胞を持っているということがわかりました。
またこれまで解析されていた神経経路に加え、新たに145の神経経路も確認され、視覚機能や運動システムの機能などでも犬に劣らぬ能力を持っている可能性があることも明らかになったということです。
それを裏付ける実験結果も発表されました。それは2種類の水槽を用意し、決まった時間にえさのカニを与えるとき、1つの水槽には毎晩決まった時間にカニ以外にも好物のエビも与え、もうひとつには時間を決めずランダムにエビを与えてみたところ、エビがもらえる時間が予測できるほうのイカは、好物が出てくるまで通常のエサのカニを食べるのをセーブする、つまりイカには大好物のために食事を我慢することができるということもわかったそうです。
魚の50倍も頭いいイカを握り寿司で一緒に並べるのは可愛そうな気がしてきました。
■縦横(オウ)無(ム)人!?
続いて、オウム目の一種でニュージーランド固有種の「ミヤマオウム」には、確率に基づいて選択することを学習する能力があることをニュージーランド・オークランド大学(University of Auckland)心理学部の研究チームが発見しました。意思決定するのに統計学を利用する動物としては、チンパンジーなどの大型類人猿以外では初めてだそうです。
以前からもミヤマオウムは高い知能を持つとされており、今回の実験ではそれを裏付けするために、黒い硬貨とオレンジの硬貨を見せて、どちらかをくちばしでくわえさせたとき、黒のときはエサを与え、オレンジだとエサは与えず繰り返したところ、黒を選んだほうがエサがもらえると理解しました。これはミヤマオウムがエサをもらえる確率が高いのが黒の硬貨だということを認識できるからだと結論づけたということです。
オークランド大学の心理学部の研究助手のアマリア・バストス(Amalia Bastos)さんは「以前からミヤマオウムが極めて知能が高いと思われることは知られていたので、確率を理解できることが明らかになってもさほど驚きはなかった。」と話しているそうです。
■何(にゃん)たること!?
そんな中ペットへの愛情のかけかたも変わってきているようです。そのひとつに、ペットについていろいろ知っておきたいということで、ペット用のDNA検査が大流行中。自分や身の回りの人のDNA検査をすることで、病気のかかりやすさや体質などの遺伝的傾向を知っておこうとするサービスが年々増えている中、ペットにもその手が及んできています。
これまでも犬の遺伝子検査はアメリカなどで大流行していて、わんちゃんの血統の証明がされるとともに、好きな食べ物や好きなこと、かかりやすい病気などがわかると評判でしたが、ついにネコちゃん専用のDNA検査サービスもスタートしました。それがアメリカのITベンチャーが提供する「Basepaws(ベースポーズ)」というサービス。
人間のそれと同じく、ネコの口内を綿棒でこすりその綿棒を試験管に入れてBasepaws(ベースポーズ)に郵送するだけでOK。約2ヶ月後にレポートが届き、さらに1ヶ月後にはそのネコちゃんの遺伝的プロフィールも届くということです。
お値段は1回99ドル(約10,800円)主にブリーダー向けということですが、2部構成の34ページにもなるレポートで、39の遺伝子マーカーに基づく17種類の病気に関する情報と、ネコの品種と血統に関する科学的情報がどっさりだそうです。ペットはもはや家族の一員の時代なので、こうしたサービスも大切なんですね。
(出典)
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■イカの脳は犬の脳に匹敵するほど優れている@クイーンズランド大学プレスリリース
https://qbi.uq.edu.au/article/2020/01/brain-map-reveals-camouflage-tactic-squid -
■オウムは「確率に基づいて判断を下せる」ことが判明@オークランド大学リリース
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■Basepaws