11月7日(木)〜8日(金)に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催されたNECのプライベートイベント「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2019」におじゃまして、日本のIT技術の最先端を取材してきたので、そのいくつかをご紹介したいと思います。
■マスクをしてても大丈夫!進化した顔パス認証!!
>成田空港の顔認証システムのデモ
まず、NECといえば「顔認証」。成田空港でのチェックイン時に顔登録することで搭乗ゲートを「顔パス」で通過できる「ONE ID」というシステムもいよいよ来年2020年春からスタート、そしてインドでは国民13億人のほとんどが登録を済ませたという国民IDシステム「Aadhaar(以下アドハー)」ではアメリカの国立標準技術研究所(NIST)が実施した「顔認証技術」の精度世界1位を獲得しています。
その「アドハー」でも使われている顔認証システムの進化系として注目の、目の中の「虹彩(こうさい)」を使った「虹彩認証」技術がさらにグレードアップされて公開されました!! なんと小さな瞳を瞬時に探し当てる技術を組み合わせることで、これまで静止して目をシステムに合わせなければ認証できなかったのが、ついに歩きながらでも「虹彩認証」ができるようになってしまいました。これを顔認証と組み合わせることで、マスクをして歩いても、例えばどのゲートを誰が通過したかなどを確認できるようになるということです。来年の東京オリンピック・パラリンピックでも空港や競技場への設置が予定されています。
■深夜のコンビニで人手不足解消の一手!!
>無人コンビニの入店システムの前で
つづいて、夜間のコンビニなどで店舗を無人営業させたいときのための「入店管理システム」「セルフレジシステム」もさらなる進化です。これまでは事前にアプリ登録したお客様のみアプリで表示されるQRコードで入店できていたのですが、直接来られたお客様も入口で顔登録すれば入れる仕組みが追加されました。これで入店した人のすべてが無人店舗で管理できるようになります。
>無人コンビニのレジ顔認証
また店内でも高額商品はドアが閉まった透明ケースに入っていて、顔認証やQR認証で開け閉めができたり、ネットショッピングの預かりサービスも顔認証などでできるようにしたり、支払うときのセルフレジも顔認証と連動するようになっています。現在ローソンの横浜地区の店舗で実験中で2020年から無人店舗を拡大していく予定だそうです。
■“空飛ぶくるま”と“はやぶさ2”にご対面!!
>セブン銀行の顔認証ATM
ほかにも、顔認証を観光地全体で取り組んだ「おもてなし」サービスのデモなどでは、その街に入ったところで顔登録しておけば、行く先々で「ようこそ◎◎さん」と言われるなどエンターテインメントの分野にも顔認証が進出していたり、近々我々のご近所にもお目見えする、セブン銀行の顔認証だけで口座が開設できちゃうATMマシンなども体験させていただきましたが、そんな中、やはりNECといえば「はやぶさ2」の開発製造についても素晴らしい展示がありました。
>NECが誇るはやぶさ2(同じ大きさのモデル)
本物と同じ大きさの「はやぶさ2」は本体がわずか1メートル四方くらいの小さな箱のようなもの。これに太陽光パネルの羽が飛び出している、人工衛星よりも小さなものでした。これをよくぞ約2億8000万キロ離れた小惑星リュウグウにまで正確に飛ばせたもんだと思いました。
>日本の航空法の改定が期待される空飛ぶクルマ
そこにはまさにNECの精密な「飛行制御システム」の技術があったそうなんです。この技術は、会場でもひときわ目立っていた「空飛ぶクルマ」においても活かされているそうです。そして2度に渡るリュウグウへのタッチダウンがありましたが、岩石ゴツゴツのリュウグウの地表のどこにタッチダウンするかについては、事前に目星となる場所に玉のようなものを落としておいて、そこに合うようにセンサー制御してタッチダウンするんだそうです。これもまさにリュウグウの地表の「顔認証」みたいなものですね。
そんな夢ワクワクさせる展示会でした。
(出典)
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■NEC、歩きながらでも虹彩認証を可能にする技術を開発
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■深夜のコンビニで人手不足解消の一手!!
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■待望の“空飛ぶくるま”と“はやぶさ2”にご対面!!