■古いビートルをEV化できる・・・
”カブトムシ”の愛称で知られる「フォルクスワーゲン・ビートル」が電気自動車「e-Beetle」を発表し、これがなんと、古いビートルを電気自動車にするための「EV化キット」として販売を開始したということで、cnetジャパンでも取り上げられていましたね。これは「フォルクスワーゲングループコンポーネント社(Volkswagen Group Components)」が提供するもので、ドイツフランクフルトで開催された(一般公開:9月12日~22日)国際モーターショーでの展示で紹介されたもので話題沸騰中。
つまり、おきにいりのビートルをサービスセンターに持っていって「EV化」をお願いすれば、自然にやさしい電気自動車に生まれ変わって帰ってきて、これからもずっと乗り続けられるというものです。
■馬力や装備もなかなか・・・
発表資料によれば、電動モーターの最大出力は82馬力(60kW)で、総重量は1,280kgにもかかわらず、わずか4秒で50km/h、8秒で80kmまで加速。最高速度は150km/hに達し、航続距離はフル充電で200kmとなかなかのもの。電気エンジンと1速ギアボックスはカッセル社(Kassel)で生産され、バッテリーシステムコンポーネントはブランズウィック社(Brunswick)から供給。バッテリーシステムはアンダーボディに組み込み、最大14個のモジュールで構成され、各モジュールの容量は2.6 kWh、全部で最大36.8 kWhのエネルギーを供給。
ちなみにこのキットをほかのクルマに取り付けて、EV化にすることもできちゃうらしいです。またワーゲンバス用や初代ポルシェ356用のEV化キットも準備中とのこと。さらには、次世代EVプラットフォームとして注目されている「モジュラー・エレクトリック・ドライブキット(MEB)」への移行も検討中とのこと。この「MEB」は2018年に発表され、フォルクスワーゲンでは次世代EVの『I.D.』ファミリーで使用。外販も予定していてすでにフォードなどの自動車メーカーが採用決定しています。こうしたEV化キットが日常化することで、これまでの自動車のボディやデザインをあまり変えることなくEV化させることが可能となることから「MEB」は大変注目されているそうです。今回の「e-Beetle」は「MEB」が実現するまでの橋渡し役にもなりそうですね。
■なんと日本ではすでにEV化ビジネスが始まっている・・・
ところでガソリン車のEV化について調べていたら面白いものを発見しました。日本の株式会社オズコーポレーションという自動車販売会社が始めているサービスで「コンバートEV事業(EV CONVERSIONS)」というのがあるんです。
オズコーポレーションのホームページによれば、「維持したくても部品がない。部品があっても騒音や環境問題、燃費も悪く、さらに自動車税や重量税も重加算税もかけられ、ますます維持することが困難なビンテージカー。『コンバートEV』は、そんなクルマが楽しかった “あの時代” を電気自動車(EV)という最新技術を駆使して「古くて新しいクルマ」へ蘇らせることができます。」とあります。
さらに「もしガレージに眠ってままのクルマが再生可能となります。 実はEVは運転すると非常に楽しいクルマです。充電は家庭用100V/200Vや公共施設の普及型充電ガンにも対応可能です。OZ MOTORSは、未体験のクルマの新しい楽しみ方をご体感いただくために、世界に1台の宝物を制作いたします。」いかがでしょうか。めちゃくちゃ夢のあるサービスだと思いませんか。
■純正キットを選ぶかコンバートEVを選ぶか・・・
先ほどの「e-Beetle」はそんなコンバートEVサービスの製造元が販売&改造する純正EV化キット版。プリウスから始まった日本のEV業界ですが、各社のE新型EV車もいいですが、慣れ親しんだマイカーをEV化するのって絶対流行りそうな予感がします。
(出典)
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■New energy for the Beetle
https://www.volkswagen-newsroom.com/en/press-releases/premiere-new-energy-for-the-beetle-5312
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Modular electric drive matrix (MEB)https://www.volkswagen-newsroom.com/en/modular-electric-drive-matrix-meb-3677
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■EV CONVERSIONS