現在真っ最中の「乃木坂46真夏の全国ツアー2018」にITテクノロジーが駆使されているというニュースが飛び込んできました。
■日本ではコンサートのITパフォーマンスは会場に依存・・・
日本で行う音楽コンサートでは、ここ数年、スタッフ間のコミュニケーションやコンピュータ機器の活用でインターネットなどのネットワーク設備が重要な役割を果たすようになってきているようなんです。しかし通常は、それぞれの会場の設備に依存しているため、そのためそれぞれの会場でのパフォーマンスにばらつきがあって品質の向上が十分に出来ない状況があったそうなんです。
今回、アメリカの大手ネットワークメーカーの日本支社「シスコシステムズ合同会社」が株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントと共同で、ITを活用することでライブイベントのパワーアップを図っていくことに合意し、その第一弾として乃木坂46の全国ツアーと、8月中旬から展開を予定している個別握手会で最新技術を採用することが発表されました。
シスコシステムズ社は、アメリカではすでに、世界大手のコンサートプロモーターである「ライブ・ネーション(Live Nation)社」のテクノロジーパートナーとして、会場、アーティスト、ファンのすべてにおいてネットワークテクノロジーを活用することで、これまでにない新たな顧客エクスペリエンスとビジネスモデルを実現しています。こうしたアメリカでの経験とノウハウを日本でも活用し、エンターテイメントビジネスの変革を加速させようと今回の合意に至ったようです。
■乃木坂46の全国ツアーと握手会で最新技術を投入・・・
まず7月6日〜8日に行われた乃木坂46東京公演では、明治神宮球場と秩父宮ラグビー場でライブを同時開催するという特殊な環境で行われ、メンバーの皆さんは自転車で行き来するなどアナログ的な動きがある中、この両会場のステージの映像のシンクロ技術を始め、運営本部及びスタッフルーム間も常時接続し、あたかも同じ会議室にいるかのような環境を超ハイテクな最新IT技術で実現させたそうなんです。こうした最新IT技術は今後の大阪公演(8/4-5ヤンマースタジアム長居)、名古屋公演(8/26-28ナゴヤドーム)、仙台公演(9/1-2ひとめぼれスタジアム宮城)などでも採用が予定されています。
また8月中旬からの個別握手会では、来場したファンがオンラインのホワイトボードを通してメンバーと手書きのメッセージ交換(ファン向けメッセージボードサービス)をするなどの新しいファンサービスも始まるそうです。開催場所は、京都(8/12京都パルスプラザ)、宮城(9/29夢メッセみやぎ)、東京(10/13東京ビックサイト)、千葉(10/21幕張メッセ)、神奈川(10/27パシフィコ横浜)など全国6か所を予定。
■進化するライブ・コンサートへのIT導入・・・
ちなみにライブ・コンサートなどへのさまざまなテクノロジーの導入は、他のアーティストでも続々と採用してエンターテインメントの世界を急速に進化させています。
今年3月に行われたパフューム(Perfume)のスペシャルライブ『「Perfume×TECHNOLOGY」 presents “Reframe”』では、冒頭からプロジェクションマッピングやダイナミックVR、過去のミュージックビデオなどの全フレームを解析して開発されたポーズ検索システムなどを使用した映像とコラボを実現。
さらに、ボックスに入ったあ~ちゃん、のっち、かしゆかがそれぞれアカペラで歌唱した部分をリアルタイムで音声解析し、各ボックスの照明と連動するなどし、観客はまるで映画や実写版のMVでも観るようなライブ体験も成功させました。
また楽曲「Butterfly」では、24台の小型ドローンがメンバーの振り付けと連動し、蝶が舞っているかのような編隊飛行を披露したり、歌詞検索データを使用し、過去の映像を切り貼りして再構築させたり、3人の3Dデータを仮想の光源で影を作り、メンバーとシルエットを共演させるなど、あらゆる最新テクノロジーを駆使したライブパフォーマンスを実現させています。
進化し続ける乃木坂46など、今後の日本のアーティストのテクノロジーを駆使した新しいライブパフォーマンスに大いに期待したいと思います。
(出典)
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■シスコシステムズプレスリリース
https://apjc.thecisconetwork.com/site/content/lang/ja/id/9069
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■「Perfume×TECHNOLOGY」 presents “Reframe”
https://www.nhk.or.jp/tokyo2020/change/tech/perfume/schedule/