ついに「Amazon Echo」の日本発売も始まり、LINEの「Clova Wave」、Googleの「Google Home」とスマートスピーカーが出揃った。Appleの「HomePod」だけは日本市場に恐れをなしたのか発売を来年に延期したものの、注目が集まっていることは間違いありません。
そんな中、ラジオ局が手掛ける"かっこいいラジオ"「Hint BLE Radio」をプロデュースした"よっぴー"こと吉田尚記誌氏が、座談会の際に発売したばかりの「Google Home mini」を持参してくださいました。
その場でセットアップから始めて、日本語で呼びかけるやいなや、そのリアクションの素晴らしさに一同感激!! そんな状況の中からメンバーからは、メディアの革命的なアイデアがポンポン飛び出して来たので、みなさんにもご紹介しておきたいと思います。
今回の座談会のメンバーは、ラジオアナウンサーでIT使いのスペシャリストの吉田尚記さん、吉田さんも共同参画する株式会社トーンコネクト社長CEOの加畑健志さん、吉田ルームの大番頭益子さんでお送りします。
左から益子さん、加畑さん、吉田さん
■Google Home Miniは次世代のラジオだ!?
>GoogleHomeが10月6日から発売し、今日10月23日には「Google Home Mini」も発売になりました。吉田さんがさっそく近くの量販店で購入してくださいました。
吉田:今日の「Google Home Mini」の発売に合わせてか、radikoが聞けるようになりました。「OK Google ニッポン放送を聞かせて」と言えばradikoをチューニングしてニッポン放送が流れてきます。言うなれば音声コントロールができるラジオになるんです。テレビや電車広告などでもすごく宣伝していて、すごい勢いで売れていると思うのですが、音声コントロールできるラジオがたったの6000円(税抜)で売っているとも考えられます。これはラジオ業界にとっても凄いことじゃないでしょうか?
<GoogleHomeを取り出して・・・>
吉田:おー、まさにピザまんくらいの大きさですね(Google Home Mini)。コンビニで売っててもおかしくないくらいの大きさですね。それではマニュアル通りにセットアップしてみましょう。
<セットアップしてみて・・・>
吉田:Google Homeアプリをスマートフォンで操作するだけで、簡単にセットアップできましたね。それでは試してみましょう、OK Google、ピタゴラスって誰?
GH(Google Home Mini):ウィキペディアでは、ピタゴラスは古代ギリシアの数学者・・・・
吉田:お〜簡単ですね。
益子:いくらでしたか?
吉田:6000円(税抜)、これは安いですよ。
加畑:ねえGoogle、今何時?
GH:時刻はX時XX分です。
加畑:ねえGoogle、ニッポン放送をかけて・・・
GH:radikoでニッポン放送をストリーミングします・・・(radikoの音声)
吉田:OK Google、音量を50%にして・・・
GH:(音量が下がる)
吉田:OK Google、再生ストップ!
GH:(radikoの音が止まる)
吉田:OK Google、今日の天気・・・
GH:千代田区は今夜は15度で(10月下旬に収録)快晴でしょう。
吉田:こんな感じでほんの数分でセットアップが出来て、すぐに使えるようになりました。こういったITガジェットでは、これまで経験したことないくらい便利に感じますね。
加畑:ねえGoogle、よしだひさのりって誰?
GH:ウィキペディアではよしだひさのりはニッポン放送のアナウンサーである、とされています。
>素晴らしいです・・・。
■ラジオにAIを搭載するには・・・
>ほかにも下北沢のレストランの閉店時間を聞いたり、最新ニュースを聞かせてもらったり、数字の計算なんかも声で聞くことが出来ました。特にラジオを聞く人にはかなり便利ですね。
益子:あくまでラジオを良く聞く人にとって便利なんですが、Google Homeが普及するとラジオを聞かない人が聞くようになるかということが知りたい・・・
吉田:ラジオはOS(オペレーティング・システム)なんですよ。
>Google Homeにとっては、ラジオは知りたいことを知るためのシステム(サービス)のひとつということですね。
吉田:人の生活で誰にでも必ずあることは「移動」「掃除」「料理」なんだそうです。先日ドコモの発表会で「AIエージェントサービス」の説明があったんですが、そこである概念を授かりました。
人間って勘が良かったり悪かったりすると思うのですが、勘の良し悪しは数値化されていませんでした。
>ドコモでは独自のAI技術によって「先読みエンジン」などいくつかの「APIエージェント」を活用することでユーザに対してより高度な付加価値サービスを提供するとあります。
吉田:通常は一般的な意味で言葉を受け取ったあと、これが例えばサッカーの話だなと思えばサッカーのエージェントに渡すし、料理の話だとわかれば、料理エージェントに渡す、これはどうも正しくないと思ったんです。切り替えてしまうのが良くない。多重に人格を持つのが正しいと思ったんです。人間だったらできないけど、AIなら出来る。
そう考えると、人格の数の多さが勘の良さにつながっているのではないかと思ったんです。そしてその中からどれをチョイスして回答を返すかも勘が良いかどうかで決まる。そう考えると、これまでは人格の数と選択肢の数という2つのパラメータ全体から選ぼうとしていたからうまく行かなかった。
これを、適切な回答はどれかという選択は、今後Yes/Noで簡単に判断できるはずなので、いくつエージェントを持っているか(人格を持っているか)で絞ってやれば勘が鋭くなる、つまり勘の良さを数値化することができることに気づいたんです。
>なるほど・・・
吉田:つまり、勘の良い人の共通点は、好奇心が旺盛かどうかなんです。ずっと新しいことをなんとかしたいと思っている人は勘が良い、そうでない人は勘が悪いわけです。
つまり人工知能が次に持つべきは「好奇心」なんですよ。人工知能が、自分の持っている知識に当てはまらないものを自動的に抽出できるようになれば、自律的に知能が上がると思うんです。
AIが好奇心を持つことができれば、AI自体が知識を得ようとし始めるんです。
■好奇心を持つ音声アシスタント・・・
>例えば今はAI自体に好奇心がないから、自分から知識を得ることはない。Google HomeをAIに例えれば、我々が与えた知識の中からしか答えられませんね。
吉田:Google Homeは僕らには興味はないんです。これが興味を持ち始めたら凄いことになると思うんです。例えば・・・OK Google、My Little Loverの曲が聞きたい・・・
GH:SpotifyからMy Little Loverの曲を選んで再生します〜♫♫♫♫
吉田:今はそのまま流れるだけですが、何でMy Little Loverを聞きたいんですか?とAIが聞くようになると、さらに賢くなれる・・・
>勘も良くなる!!
吉田:そういうことですね。
>さあ、エラいことになってまいりました。
果たして音声アシスタントが勘を働かせるようになると、ラジオを聞く人がもっと増えるようになるんでしょうか? 後編につづく・・・。
(参考リンク)
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■どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた
吉田 尚記 (著)、石川 善樹 (著)
KADOKAWA -
■吉田尚記・ミュ~コミ+プラス
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■Toneconnect
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■Tehu