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(続々)ソーシャルネット時代のお笑い芸人はSEOの夢を見る!?:第54回トンコネ・ジャム

2017/06/23 10:00
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プロフィール

土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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ラジオメディアをネットやITを駆使して面白くする技を議論する「トンコネジャム」。5月にお笑いジャーナリストでお嬢様のたかまつななさんをゲストに迎えて、彼女の数奇な人生経験を通じて、ソーシャルメディア時代のお笑い芸人の成り上がり論についての座談会を実施しました。今回はその番外編をお送りします。

たかまつさんは政治ジャーナリズムをもっと世の中にわかりやすく広めたいと自らを「お笑いジャーナリスト」と名乗って日夜活躍中。でもなかなか売れるきっかけがつかめない。一発屋を狙うもそれすらできない。最近ではyoutubeやブログのSEOなどにまで気を使わざるを得ない。それでも新たなお笑いの「型」を見い出せば人気者になれるチャンスは必ず巡ってくる・・・。とそこまでが前回まででしたが、なんとその後にもまだまだ議論は続いていました。

座談会メンバーは、ゲストのたかまつななさんに、ラジオアナウンサーでIT使いのスペシャリストの吉田尚記さん、吉田さんも共同参画する株式会社トーンコネクト社長CEOの加畑健志さん、吉田ルームの大番頭益子さん、さらにスーパー大学生のTehuさんんと矢倉大夢さんでお送りします。



左から加畑さん、Tehuさん、たかまつさん、吉田さん、矢倉さん、益子さん

■テレビは面白い絵が撮れるかどうかみたいですよ・・・

>お笑いで売れるためには新たなお笑いの「型」を見出すのが先決だということはわかりました。でもその「型」のもととなるのが肩書で、高城剛さんが「ハイパークリエイター」と名乗ったころから肩書の本質が不透明になっていった・・・。

吉田:だから今こそ肩書は最小化していったほうが仕事のためにはたぶんいい。たかまつさんの場合「お嬢様芸人」と言っていますが、それで言えば「芸人」の方を(主たる肩書として)残したくなりますが、実は「お嬢様」という職業をやってますと名乗るほうが良いんです。

たかまつ:おもしろいですね!!

吉田:なれるもんならなってみんさい、お嬢様!!

たかまつ:1年目のときに27時間テレビで「いいとものコーナー」の100人女芸人を集めるという企画に出演したとき、ある敏腕マネージャーさんに言われたんですけど、おまえは芸人の中にいてもはっきり言ってよくわからない。お嬢様芸人というのは1人しかいないのはわかるけど、芸能界が見えてない。芸能界でお嬢様だったらお前をキャスティングしない。例えば芦屋に住んでる宝塚女優やデヴィ夫人とか、叶姉妹のほうが断然良い(わかりやすい)、あと二世タレントの羽振りの良さにも・・・あなたは勝てないと言われました。お嬢様は教養さえあればそんな問題はないとおもったんですが現実はそう甘くなかった・・・。

吉田:(元)貴族という肩書だったらどうだろう笑

たかまつ:髭男爵さん!!

吉田:髭男爵はあきらかに貴族ではないお笑い芸人だけど笑、別の言い方で「上流階級」っていうのもいいかも笑。富裕層とかも・・・。でもお嬢様だとダメなんだ・・・。

たかまつ:すっごい難しいですね肩書は・・・。

益子:常識はずれを求めるからなんじゃないのかな・・・

たかまつ:面白い絵が撮れるかどうかみたいですよ。私のほうが絶対喋れるし面白い話はできると思うけど、じゃあ、1日密着したときに、私が面白い絵を撮らせられるか?

益子:爆買いしないよね・・・

たかまつ:そう、爆買いもしないし、車の扉をファンの人が開けてくれたりとか、お弁当を持ってきてくれたりもない笑・・・。

>これ、テレビで取り上げてくれるかという話になっていますよね・・・

たかまつ:そうですね。

>でもテレビに行く前の場所があるはずだって言う話だったと思うんです。テレビ番組を企画する人は、そこからタレントを発掘していくわけだから・・・。

益子:だったら先にお嬢様芸人としてyoutubeで盛り上がっていれば、勝手にテレビが取り上げに来てくれるのではないかということですね。

たかまつ:それに気づいて自分一人でやってみたい気持ちが強くなり、フリーになりました。

>お嬢様芸人と名乗っていたのは事務所に所属していたときなんだ・・・

たかまつ:そうです、一発屋で売れるぞと、一発屋にして下さいとお願いして入ったんです笑・・・。

Tehu:事務所の中でこの芸人をどうやって売ろうかって考えるのは楽しそうですね。人の人生を握ってる!!

たかまつ:結局、テレビが評価されすぎててみんな苦しんでいるんだと思うんです。例えばR-1チャンピオンで優勝しても、その後テレビにあまり出てないと、一般の人の評価も悪くなってしまうんです。

Tehu:ファンはそれでいいけど、ファンじゃない人の認知度にテレビが一番効果が大きいからそうなるんだよね。名前は知ってるけど、それほど興味はない人が、テレビに出てないと、あの人いなくなったよねみたいに言い出すから・・・。

■オタクに評価されないとショーレースに乗れない・・・

>そういったファンでもない人のちょっとした言動が命取りになるのが芸人の世界なのかもしれませんね。

たかまつ:そう、芸人だけがそう思われやすいんですよ。歌舞伎役者ならテレビに出なくたって思われないじゃないですか!!落語家さんだって、テレビに出てなくても売れてないとは思わない・・・。寄席に出ているんだろうと勝手に思う・・・。

Tehu:要するに芸人の出る場所はテレビしかないと思ってる人がまだまだたくさんいるってことですね。

加畑:お笑いファンならテレビ以外で活躍していること知ってるから、youtubeだったり、いっぱいチャンネル見てる・・・。

Tehu:お笑いライブに行く人と行かない人で芸人の認識がだいぶ違うということはわかります。

たかまつ:そういうことがショーレースに響いておかしなことになってるんです。ショーレースで準決勝で受けた芸人さんが決勝で一番滑ってるみたいなこと・・・。それはお笑いオタクのせいなんじゃないかと・・・。

私はオタクがどの分野も質を下げていると思っています。オンバト(NHKの爆笑オンエアバトル)もなくなっちゃいましたけど、お笑いオタクが審査員化したために、お笑いをどんどん一般から遠ざけて、玄人だけが笑える人が選ばれていった結果なんです。

>それはそれで玄人好みの実力派お笑いが増えたのではないですか? でもたかまつさんはオタクの評価は一般人には理解されないから、オタクだけには任せられないと?

たかまつ:私は最近政治のことをやり始めて、めちゃくちゃ思うんです。私はわかりやすく伝えるために比喩で伝えたり、例えば天皇制を説明するのにあえて「天皇ってクリスチャンになれるんですか?」みたいな質問を挟むんです。そうするとお前は勉強不足だと叩かれるんです。

吉田:初めて聞いたので、全然新鮮ですけど・・・

たかまつ:天皇制について詳しい知識がある人にとってはそんなことを話題に出すことすらご法度みたいなことなんですよ。

益子:それをわかって質問しているのに、それがわからないオタクってことですね・・・

たかまつ:専門家のみなさんも、もっと国民の多くに理解を深めたいという意味では賛同しているんですが、こういう実際の例を出すと批判側に回るんです。結局当たり障りのない説明にだけしか賛同しない、そこが凄いジレンマ。

吉田:上から(目線で)言いたいんでしょうね・・・。

益子:芸人の話に戻せば、芸人さんはそんな薄っぺらなファンのことを気にしなければいいんじゃないですか? ライブによく来るお笑いオタクたちはそれなりに・・・

たかまつ:でもそこに評価されないとショーレースに乗れない(決勝に行けない)んです。

吉田:それで気づくのは、ユニクロってファッション好きはめっちゃくちゃ批判していると思うんですよ。でもユニクロは全く気にしていない。なぜならユニクロのKPI(目標に向けたパフォーマンス値)はそんなところにないからなんです。

>お笑いもオタクにKPIを求めなくていいということかな・・・

たかまつ:私は(キングコング)西野亮広さんの今の活動がめちゃくちゃすごいと思うし、先日もお会いして話をさせていただいたんですが、結局テレビには出ようとしているんです。芸人という職業をやっているかぎりテレビを切り離すとめちゃくちゃいろいろなものを失うのかなと・・・。

例えば、芸人が本を出しても絶対売れるかっていうとけっこう厳しくて、オリラジの中田さんが一番最初に出した本は6000部だったそうで、先日「大合格」を出したら7万部とか売れている。それは今回は販売戦略をめちゃくちゃ考えて、テレビで発売直後に宣伝できたことが大きかったとおっしゃっていました。ほりえもんさんとかもそうだと思うんですが、まだまだテレビの価値って残っていて、だから自分のマーケティングと言う意味でテレビに出続けている。

>ちょっと議論の方向が金儲けの話になってきましたね。

益子:金を稼ぎたいは第1目的ではなく、売れるにはどうすればいいかだったはず。金稼ぎたいだけならユーチューバーで1位になったほうが稼げるわけだけど、そこは目指していないわけで・・・。

>「売れるため」にはどうすればいいのか・・・

加畑:何でもいいから売れたいわけじゃなくて、私が思ったように売れたい、そこでテレビは使いたいと思っている、そう思うからテレビが離せないとなってしまうのでは?

■自分自身がメディアになりたいとずっと思ってきました・・・

>結局、たかまつさんが売れていると思ってる芸人さんはテレビに出ているから、そこを目指さざるを得なくなっているだけじゃないかと思います。テレビに出てる芸人さんに評価してもらいたい(褒められたい)・・・そんなふうに思っているのでは?

吉田:いまニッポン放送で思いの外長く続いているのが「三四郎のオールナイトニッポン」なんです。ついに3年目に突入なんです。これは何でかっていうのを一般のジャーナリストさんが評価したとき、ラジオ史上初めて現れた「ビートたけしにならなくてもいいと思ってる芸人(パーソナリテイ)」だと言うんです。

これまでオールナイトニッポンやりたい芸人さんはみんな「たけしさんになりたい」と思っていた。それにリスナーもディレクターも飽き飽きしていたんです。

同じように今の芸人さんはみんな「松本人志になりたい」と思っている。それを思ってしまった自分がダサいと思えるようになるか、まったくそんなこと思わない世代になったとき初めてトレンドが変わるんです。

それともう一つ聞きたいのは「なんで売れたいのか?」 さっきの売れても売れていない気がするという話。僕なりには結論が出ているんですが、たかまつさんは何で売れたいんですか?

たかまつ:自分自身がメディアになりたいとずっと思ってきたんです。売れていれば自分の言ったことがより多くに伝わるんです。でも例えば爆笑問題さんは自分をメディアとしては認識していない。自分がどこかに取材に行けば、それだけでヤフーニュースに取り上げられるというのに・・・。それがもったいないと思ったんです。

私は自分を売り出して、みんなにもっと政治のことをわかりやすく伝えたいんです。それはいまの政治家さんより私のほうが出来ると思ったんです。

加畑:政治に興味を持たせることができるかどうかがポイントだったんだね。

吉田:最近聞いたんですが、山田洋次監督が言っていたという話で、行定勲監督が山田監督の作品をすごく評価していましたよと誰かに言われたとき、山田監督が「あのセカチュウの監督だろ、うれしいね」と言ったそうなんです。あの日本映画史上最も観客動員をした監督でも、今売れているセカチュウの監督に評価されることが何より嬉しいんだということ。

人間は単に褒められたいだけじゃなくて、「誰に褒められたいか」なんです。それが人間の抜きがたい認知の歪み。

たかまつ:なるほど、だから私もR-1とか諦めきれないですね。出てもほぼ意味ないことわかっているんですが、ピン芸人の中で一番承認力が高い賞だから、そこで褒められたいからなんでしょうね。

吉田:売れるためには誰に褒められればいいかをKPIにすればいいんです!! いますぐに売れたいとか考えるよりずっと毎日が面白いんじゃないですか?

たかまつ:なるほど!!ありがとうございます!!スッキリしました!!


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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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