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(続)ソーシャルネット時代のお笑い芸人はSEOの夢を見る!?:第53回トンコネ・ジャム

2017/06/05 10:00
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プロフィール

土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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ラジオメディアをネットやITを駆使して面白くする技を議論する「トンコネジャム」。前回(5月)に続いてお笑いジャーナリストでお嬢様のたかまつななさんをゲストに迎えて、彼女の数奇な人生経験を通じて、ソーシャルメディア時代のお笑い芸人の成り上がり論についての議論、その後半です。

前半では、政治ジャーナリズムをもっと世の中にわかりやすく広めたいと自らを「お笑いジャーナリスト」と名乗ってやってきたたかまつななさんですが、なかなか売れるきっかけがつかめない。一発屋を狙うもそれすらできない。最近ではyoutubeやブログのSEOなどにまで気を使わざるを得ないが、結局ちょっと知られた先輩芸人にうまく使われてしまい、私たちに残されたチャンスがなくなってきている・・・というところまででした。

今回も座談会メンバーは、ラジオアナウンサーでIT使いのスペシャリストの吉田尚記さん、吉田さんも共同参画する株式会社トーンコネクト社長CEOの加畑健志さん、吉田ルームの大番頭益子さん、さらにスーパー大学生のTehuさんんと矢倉大夢さんでお送りします。



左から加畑さん、Tehuさん、たかまつさん、吉田さん、矢倉さん、益子さん

■SNSによって幸せを感じやすくなった・・・

>お笑いも次はネットからブレイクできると思っていたところ、中堅の諸先輩がどんどんネットに参入してきたため、たかまつさんの売れるためのチャンスがまたまた奪われた・・・というところまで話しましたが・・・

吉田:いままでは売れるきっかけがテレビという1ヶ所に集中していたんですよ。でも今やもう関係ない。SNSのおかげで情報がバラけてしまって、売れるチャンスもばらばらになった。これを再統合できるわけもなく、じゃあどうするのかっていうと、先日見た「国民幸福度調査」にヒントを見つけたんです!!

「国民幸福度調査」は、戦前から戦後を通して一貫した調査する中、バブルの時代に幸福度が高かったのかというとそうでもなく、景気はわるいのにここ数年は幸福度がずっと上がり続けているということを聞いたんです。

これを冷静に考えるとおそらくSNSの影響だと思ったわけです。コミュニケーションが不足していると幸福感を高められなかった。そのコミュニケーションを埋める圧倒的なモノが出現した、それがSNSなのではないか。SNSによって人は幸せという感覚を得やすくなったというんです。

加畑:喪黒福造が一般化したんですね笑!! システムとして喪黒福造が成立してしまった!!

>つまりたかまつさんもテレビのような1ヶ所で幸せ(売れるチャンス)を求めなくても、得られるチャンスはいっぱいあるということじゃないでしょうか。

益子:(一方)宮台真司さんがラジオで「不幸に慣れたから」と分析していました。相対的に見て幸福というものに対して希望が見いだせなくなっているという考え方もあるわけです。

たかまつ:すごいわかります。格差社会じゃないですか。上の方の人を見ても、自分が変わらずここにいることに何とも思わなくなっている・・・。

加畑:同じカテゴリに十分な人がいると思えば、そんなもんかと思えるんです。自分の周りに同じようなクラスタがある一定以上いれば、それが幸せをかもしだす社会になる・・・。

矢倉:高度経済成長期だと、ある時点で差があっても将来広がることが前提で人がクリティカル(批判的)になる可能性が高いけど、必ずしも現在は成長社会にはなっていません。その格差がクリティカルになる可能性を消してしまっているのではないかと思います。

たかまつ:お笑いってめちゃくちゃ不安定で、不安になる職業だと思うんです。私もいつもこのままで大丈夫なのかと先輩を見ていると不安でしかたないんです笑。じゃあどうして面白くても売れない先輩がバイトをしながらでも続けられるんだろうと思って話を聞いたんです。

不安になったりしないんですか?って聞いたんです。私はいつもストレスがつきまとってやめたほうが楽じゃないかと一瞬よぎることがあると話したら、そういうときはyoutubeでホームレスとかネット難民とかを検索して見てから寝るといいよって言われたんです笑!!

寝る前に「バカリズム」とか検索したら絶対ダメなんだそうです笑!! どうしたらこんな面白い人になれるかなって、そんなこと考えちゃダメなんだそうです笑!!

加畑:ところで、お笑いも単独で存在している人は少ない、純粋な一匹狼というのはいないと思うんです。みんななんとなくグループに属している。そのグループの誰かがガッと売れるのは稀で、全体的にもやっと活動している状態のほうがあまり不安は感じない、つまり幸せを感じるんじゃないのかな・・・。

たかまつ:どちらかというと、どのグループに所属していくかというステップが、私は嫌だったので、早々に離脱したんですが、みんなは最初に自分が入れそうなグループに入って、そのグループの一番上の先輩に、もう一つ上のグループに連れて行ってもらう・・・それを繰り返していくことでのし上がっていくようです。

益子:それが吉本興業が作ったシステム!! 吉本がそれを顕在化させて、他の事務所も右に習って行った・・・。

たかまつ:それができないと生き残っていけないのかなぁって・・・お笑いの世界・・・。

加畑:売れることと実力はあまり関係ないかもしれない。どの世界でも実力があってもコミュニケーション能力がないと生き残れないから・・・。

矢倉:実力があっても自分が乗ったプラットフォーム(お笑いで言えば事務所やグループ)が(コミュニケーション不足などで)経済的にだめになったら生き残れませんね。

たかまつ:プラットフォームとはどんな契約になるんでしょうか?

矢倉:契約というよりは自分のスキルですね。例えばドイツ語を学んでスキルアップしてたらドイツが崩壊してドイツ語を使う必要性がなくなってしまったらそれで終わり・・・。スキルが使えなくなってしまう。

加畑:ただそれが逆にそのスキルを持つ人がいなくなったとき、唯一になったら逆に重宝されることもある!!地方でドイツ語の翻訳が必要になってたまたま分かる人がいたらその人は仕事を独占できることもある・・・。

■お笑いの本質はスキルや共感ではなく滑り具合!?

吉田:それで思い出したけど「松井玲奈はコボル(COBOL)が書ける」という衝撃的な事実を聞いたんです!!

Tehu:知ってた知ってた!!

吉田:彼女は商業高校出身だから、そこで勉強していたらしいんです。

たかまつ:コボル(COBOL)って何ですか?

加畑:コボル(COBOL)は銀行など商業用の事務処理マシンで1960年ころからよく使われていたプログラミング言語で、科学技術計算向けのFORTRANとともに、いまではほとんど使われなくなった(滅んでしまった)言語の一つです。

>ニッポン放送の放送システムは元々コボル(COBOL)でしたよ。

加畑:いままさに人気が低いから、書ける人はギャラが高い笑!!

Tehu:でも商業高校だったら今でも勉強するんですね。

吉田:お笑いの人が面白くなろうとかオリジナルギャグがあるとかってスキルを持っているのと同じだと思うんです。プログラマがスキルを持っているのと同じだとすれば、結局市場とどうマッチングできるかが勝負なんですよ。

>さすがに松井さんがコボルのスキル持ってても宝の持ち腐れですからね・・・

たかまつ:話を聞いてて、プログラマさんと芸人がちょっと違うと思ったのは、スキルがあればいいかと言えば、芸人は微妙なところだと思うんです。スキルがありすぎる芸人は絶対売れないと思っていて・・・

吉田:スキルがありすぎるとはどういう状態なんだろ?

たかまつ:未完成のものを見せたほうが、先輩もいじりやすいし視聴者の人にも愛されやすいと思うんです。完成しすぎていると絶対損するなと・・・。

加畑:(プログラムで言えば)完璧すぎて誰もデバッグ出来ない状態・・・

Tehu:それは困りますね・・・

加畑:スキルがものすごく高いから誰でもわかるように書かれていないので、何が起きているかわからないけど、結果だけ出るプログラム・・・これは怖くて使えないかもしれない。

Tehu:ある意味ニューラルネットワーク(人工知能)のアウトプットと同じですね。

>お笑いの場合、ある程度の人たちが共感しないと成立しないのでは? たった一人だけ笑ってくれてもお笑いとして認めてもらえない・・・。

吉田:このコボルのコード超笑える!!って言われてもね笑!!

益子:コボル芸人笑!!

>そういう意味ではエンタテインメントの中でも、お笑いは特に「共感」が大事なのかもしれません。ネタが誰でも共通した話題ではない場合わかりにくくなる、共感しにくくなる・・・。

たかまつ:それは逆じゃないでしょうか? ライブで受けやすいのは共感が広がるやつなんですが、自分はサブカルとかよく知らないので「オタク知識披露されても」みたいなところがあって、おじいちゃんでも子供でも笑えるネタを作るようにしているんです。その情報を知らなくても笑えるネタ・・・。

でも売れている人のネタを見ると、そういうネタは作らないでむしろずっと滑っているんです。それがいつのまにか、あの人の面白さ(滑り具合)がわからないのはダサい!みたいになってくるんです。それが売れたときなんです。

■お笑いの新たな「型」を見いだせるか!?

>それはこの座談会でよく出てくる言葉なんですが「型」じゃないかと思います。笑えるもとになるネタはみんな同じだけど、新しい「型」が出てくると違って見えて新しいお笑いが生まれた感じがする・・・。

たかまつ:そうですね・・・

>芸人さんの「型」を生み出すことによって、その新しい「型」がブームを巻き起こすのではないかと・・・。たかまつさんの「お笑いジャーナリスト」も一種の「型」だと思うんです。それが武器となるかはやり方次第・・・

たかまつ:なるほど・・・

加畑:ちなみにTehuくんはテレビに呼ばれたりするときはどんな「型」の人として呼ばれるの?

Tehu:文化人枠ですかね・・・でもそれがしっくりこないから出たくなくなったんです。自分の立ち位置がわからないんです。

加畑:じゃあどんな立ち位置で呼んでくれたらしっくりするの?

Tehu:そもそもテレビには出たくないからかもしれない・・・

吉田:この問題をなんと名付けるかというと「ハイパーメディアクリエイター(笑)」問題と言ってるんです笑。高城剛さんが一番初めに「ハイパーメディアクリエイター」と名乗ったことで、肩書の本質が不透明になってしまった笑・・・。

本質は「ハイパーメディアクリエイター」が何をやる人かをちゃんと定義することなんだけど、なるべく肩書は最小化していったほうが良いと思うんです。例えば僕はアナウンサー、原稿が読めて時間も読める、ニュース現場で最低限の取材もできる。これはアナウンサーが必要とされる現場に行ったときに出来ることなだけ。

Tehuくんも変にハイパーメディアクリエイターとか言うべきではなく、言うべきはプログラマーとかデザイナーでいいんですよ。それぞれの現場に行けば、その状況にあったスキルが発揮される・・・。

たかまつ:でもアナウンサーが来て面白い話をしたら、アナウンサーって進行だけやるひとじゃないの?って言う人もたぶん出てくるんです。そんなときはどうするんですか?

吉田:気にしない!!

たかまつ:アハハハハ!!! 勇気が出ました!!今日はありがとうございました。

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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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