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今年注目したい情報伝達サービスはこれだ!!:第50回トンコネ・ジャム

2017/01/29 10:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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2012年7月から始めた「トーンコネクト・ジャム」略して「トンコネ・ジャム」。きっかけはニッポン放送で開発された音のQRコード「トーンコネクト(Tone Connect)」でラジオメディアの可能性が広がったことから、ラジオを面白くするための何かは他にももっといっぱいあるはずだと、気になるネットとラジオの近未来を定期的に座談会をしていこうというもの。

第1回目のテーマは「音楽 for FREEの時代」。2012年はyoutubeが台頭を始め、これまでレコード会社が厚く保護してきた音楽コンテンツがみるみる無料で視聴できるようになってしまった時代。これから音楽業界はどうなるのか、そのときのラジオの役目は? そんなところからこの座談会はスタートしました。

それからかれこれ5年。座談会も今回で50回目を迎え、この3月には「トーンコネクト(Tone Connect)」を搭載した新世代のラジオ「Hint(ヒント)」も、クラウドファンディングも成功し、一般販売する運びとなりました。

Hint(Campfireページ)
https://camp-fire.jp/projects/view/8696

座談会のテーマも、音楽やインターネットに加えて人工知能やロボットに至るまで、時には、池澤あやかさんや佐渡島庸平さんなど、各界の若きトップリーダーにも参加いただいて、幅広いテーマで議論がかわされてきました。ゲスト参加された中から、当時高校生だったTehuさんや矢倉大夢さんはレギュラーメンバーにもなってくださいました。

50回という節目を迎え、改めてまだまだラジオメディアを面白くする旅は続くことを実感しながら、これからもさらに熱い議論を交わしていきたいと思います。


左から矢倉さん、吉田さん、加畑さん

今回のメンバーは、ラジオアナウンサーでIT使いのスペシャリストの吉田尚記さん、吉田さんも共同参画する株式会社トーンコネクト社長CEOの加畑健志さん、さらにスーパー大学生の矢倉大夢さんでお送りします。Tehuさんと「吉田ルーム」の大番頭さん・益子和隆さんはお休みです。

■「ラジオって面白い!」だけで、僕らはすでに変なサイトなんです・・・

吉田:今回議論したいことは情報の伝達の様変わりに、我々はどう対応するかについて。左と右の図があります。左が昔で右が今。昔の情報伝達では中心というものがあった。それをメディアと言っていた。メディアの中ではわりと端っこだったので、ちょっと変わった好きなことが出来たのが「ラジオ」だった。でも中心を占めていることがラジオのコアコンピタンスだった。


情報の伝播、今昔

でもいまは完全に違うんです。みんなが得る情報はバラバラ。例えば僕らからすると「生ハムと焼うどん」が解散するかもしれないというニュースは大変なことだが、おそらくジャイアンツファンのおっちゃんからすれば何を言ってるのかわからない話。

でも僕らは、なし崩し的にラジオで生ハムと焼うどんの話をする状況に陥っていますが、それってアイドルにもの凄くこだわりがない人からすると別にどうでもいい話。

いま世の中で「マス」を取る商売=職業は、こだわりのない人向け商売、つまりUNIQLOがヒットするのは、服にあまり興味がない人向けだから(実用性があればデザインにはこだわらない)。すなわち「オートパイロット(自動運転)」を提供しているんです。

僕はこだわりたいことはいっぱいあるけれど、服はこだわらないから全部UNIQLOでもOK。2万円払えば、毎月30コーディネート出してくれるならそれ(自動運転)に乗ってるだけでOK。

そういう人向けの商売=職業が(社会的に見て)大きな商売=マスの商売なんです。それを情報産業に置き換えると、グノシー(Gunosy)だったりSmartNews(スマートニュース、スマニュー)がそれに当たると思うんです。

もしラジオの報道部の記者(いわゆるプロのジャーナリスト)がグノシーを見て、その情報を手がかりに取材していたらバカじゃないかとなるのは明白。だったら僕らはどこを目指せば良いのかなんです。

もうひとつ、ネット以前とネット以後での情報に関するお作法について。ネット以前は、人間は一生のうちに何千人と知り合う可能性はほぼなかった。でもネット以後ならそんなことは朝飯前、脳の形まで変わってしまったとFacebookが分析しています。

僕らは何千人とのコミュニケーションが出来る状態になっている。そうすると周りの人と同じことをする価値は、昔と違ってあまりない。昔は仲間はずれにされないために同じことをしていたのかもしれない。いまは見かけ仲間はずれにされても「オルタナティヴ(別の選択)」が殆どの人にある。それが出来ないのは幼少期だけかもしれない。

ネットを使えるようになりさえすれば、ほぼすべての人に選択肢が広がっているので、自分の中だけ掘っていけば良くなる。自分なりのこだわりをみつけてそれを旗頭に掲げれば、俺もそう思っていたという人に必ず出会える。その表明を誰よりも早くできたとすると、そこに重力みたいなものが(他の人を誘い込む力が)出来るのではないかと思うんです。それが今の情報伝達の形ではないかと思うんです。

そうだとすれば、僕らのやっているサイトがグノシーみたいなことやっても勝てるわけがないんです。だとすると「変なサイト(メディア)」を作るしかない。変なサイト(メディア)で勝つことにおいては「ラジオって面白いですよね」というメッセージだけで、僕らはすでに変なサイトじゃないですか・・・。

ずっと昔から思ってたんですが、ラジオのポータルサイトってないなと思ってたんです。yoppy.tokyoがラジオのポータルサイトと言えれば、相当変なサイトになれる・・・。

全国のラジオの中で、今日の注目番組がリストアップされているようなサイト。これなら今でもあり得ると思いました。

あと僕の趣味的には、ちょっと変わった「おかしみ」みたいなものに非常に興味がある。これをうまく結晶化出来るように表明できたサイトを作ることができれば、やってて楽しいかなと思ったんです。

ちなみに、先日ある広告マンの方に話をきいたとき、日本の広告、ネット広告の料金は諸外国に比べて圧倒的に安いんだそうです。そのからくりが、ネット広告を売っている会社が既存の広告代理店だったからなんだそうです。海外のサイトなら20万ヒットとか30万ヒット程度担保できれば、それで生活できるくらいの収入になる。でも日本の場合は、電通とか大手広告代理店にネットも買いきられてしまうと、テレビや新聞などと広告料に差を付けなければならないため、テレビは高く、ネットは安くするしかなかった・・・。なので日本では20万ヒット程度では食えるだけの収益が得られない様になってしまったと言うんです。

日本語はウェブ上で最も儲からない言語になっている・・・。このままでは日本でサイト運営で食っていくこと自体間違っているのではないかとも思ってしまうわけです。

■見えてきた!!ウエブの新潮流・・・

>そういう意味では、ニッポン放送がネットを運営するという意味ははっきりしていて、発信する使命を全うしようとしているんだと思うんです。ここからいろんな情報を発信するためには、電波だけではなくてネットも必要だと思って、遅ればせながらネットでの発信についてもいろいろ試してみようという段階に見えます・・・。でもラジオ(電波)で発信するノウハウしかわからないので、ネットも総合放送(マスの商売)的なものになってしまっているのが吉田さんにとってはイラつくのでは?

向かっている方向をあえて言えば、僕がラジオに従事していた頃と目的はあまり変わっていなくて「話題を作ろう、作りたい」ということなんじゃないかと思いますが・・・。

吉田:話題を作るという発想が、図で言えば左側(昔の情報伝達のやり方)のままだと思うんです。現在のバラバラの情報が点在している社会では、そう簡単にみんなが動くような話題は作れないわけです。

>分散してはいても、逆に多様性はあるので、さまざまな可能性が試せるとも言えるんじゃないでしょうか。昔は逆に中心的な話題(社会を揺るがす大きな話題)しか社会が受け入れてくれなかった、だから話題を作るには今以上に苦労した・・・。いまならそれほど大きな話題でなくても、受け入れてもらえる場所がたくさんある。CDで言えば、昔は100万枚売れなければ話題にならなかったが、いまは5万枚でも熱心なファンさえいればヒットにつながって行くんです。

吉田:なるほど。音楽で言えば、そのほうが聞く側にとっても幸せかもしれないですね。ちなみにオリコンの正月明けのランキングで1位は大きかったんですが、2位が888枚だったというのを聞きました。僕だってコミケでそのくらい売ってたって思いました。

そんな時代に入っているんです。その程度でいいなら、番組発信でグッズとして売ればオリコンをハッキングできるのではないかとも思いました。

加畑:目指せオリコン2位、3位!!

吉田:そういう企画はできそうですね。改めて、今日話したかったのは、いまウエブの新潮流としてうっすら感じるのは「medium(メディウム)」。

いままではブログに対しては、同意を表明する(良いと思った)ときにコメントしかできなかった。「medium(メディウム)」にはハイライトという機能があるんです。

medium使い方
https://medium.com/tsukaikata-arekore/

ハイライトという機能ですが、記事があったとき、いままではコメントが追加できるだけだったじゃないですか。でもある記事のうち、いいなと思う部分が一部だったとき、そこだけにハイライトを付けてコメントがつけられるんです。

これがあると掛け合いが発生すると思ったんです。ツイッターは逆に掛け合い部分だけがタイムラインに並んでしまいます。「medium(メディウム)」だと元の記事に掛け合いがぶら下がる形で並ぶんです。

自分の記事のどの部分が受けたかがひと目で分かるわけです。

自分のやっていることのどこが評価されているかに敏感になるには「medium(メディウム)」が便利なんです。

■ニコ動のコメント付加システムをブログに持ち込む・・・

吉田:こういうコミュニケーションが発生することがこれからのブログシステムではないでしょうか。ツイッターが始まったとき、140文字の共有の何が面白いのかと言われたときと同じで、いまはなぜ「medium(メディウム)」じゃなきゃいけないのかと殆どの人がまだよくわからないときに、これをいま使って何かをすれば、ちょっと先に行ったサイトになれるんじゃないかと思ったんです。

商売にはまだならないけれど話題にはなる。リリースは打てる、ニッポン放送のあるサイトが全部mediumになっちゃったぜみたいな話になれば、変なことやってるなと思われるかもしれないけど、まずはそれでいいのではないかと・・・。

ちなみに、いまのウェブサイトってみんな「おりこうさん」(頭良い感じ)になってる気がするんです。

矢倉:広がらなくなっているのは「頭良いこと」を書くプラットフォームになったからだと言われてますね。

吉田:わかるわかる、だからそこに「バカ」を持ち込みたいんです。mediumにデイリーポータルZの中身を持ち込むみたいなことをやりたい笑!!

矢倉:このハイライトって実は、ニコ動のコメントと構造が一緒だと思うんです。動画のどの部分が面白くてどの部分でコメントの掛け合いするかみたいなことになっている。

吉田:確かに!!

矢倉:日本では前からあった手法だったものを、文章でもやってみたら行けました!っていうのがmediumのハイライト機能じゃないかと・・・。

吉田:なるほど!!

矢倉:ニコ動ってバカなことをやれる文化じゃないですか。そのノリをmediumでできれば話題は作れる!!

吉田:賢くないmediumっていいよね笑。みんな好きなってくれそうな気がする・・・・。

>情報伝達の様変わりに我々はどう対処していけばいいのか、議論はまだまだ続きます・・・(次回に続く)


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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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