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仮想通貨考:世界の産業の25%を飲み込んでしまうのか!?ブロックチェーン!!

2017/01/14 20:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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昨年2月にこのコラムで「IT技術はどう我々から「信用」を勝ち取るのか:フィンテック(FinTech)革命」を書きました。

あれから約1年、人工知能の技術などめまぐるしいITの進化がされる中、再びこの「フィンテック(FinTech)」に目を向けたところ、仮想通貨を支える「ブロックチェーン」という暗号技術の浸透度が半端なく世界に広がってることに驚きを覚えました。

現在は第三次産業革命、つまりインターネットによる「情報産業革命」を経て、第四次産業革命に突入したところと言われています。その第四次産業が金融技術革命=フィンテックです。

情報革命で、これまで図書館や印刷物などで情報を共有するほかなかったものが、瞬時にしてメールなどで情報を異動させることが出来るようになり、フィンテック=金融技術革命では、お金を瞬時にして世界中のどこへでも移動できるようにしてくれます。このことがどのくらい凄いのか、我々はまだあまりピンときていません。

今回も、昨年末にラジオ番組で特集した「仮想通貨」の現状と今後我々日本がどう向き合っていけばいいのか、ここに記録しておこうと思います。

■仮想通貨が日本でも認められた・・・

昨年2016年の5月25日、ビットコインなどの仮想通貨を規制する「改正資金決済法」が参院本会議で可決、成立し、交付後1年以内に施行されることになりました。

これまでは、仮想通貨は日本では「通貨」としては認められていなかったため、個人の責任でそれぞれが勝手に海外の仮想通貨を使って自由にやり取りして、引っかかって大損したり、テロなどへの資金提供などにも規制が出来ず、国としては何も手出しができない状況が続いていました。

この法案が施行されることで、間違って大損したりすることへの救済措置などができるようになる一方、仮想通貨を「通貨」として認めることになったため、これまでの金融商品、例えば「株」や「証券」「銀行預金」などに加えて「仮想通貨」も投資の対象にできるということになりました。

その上、株などの既存の金融商品が、IT,いわゆるインターネットへの対応が遅れているにも関わらず、仮想通貨は、そもそもITを駆使して生まれてきたものゆえ、活用され始めると一気に全世界に広がる可能性が出てきました。

そもそも「仮想通貨」とはどんなものなのか? 一昨年(2015年)初頭に大騒ぎとなった「ビットコイン」が記憶に新しいと思います。たまたまあのときは、日本でビットコインを取り扱っている「マウントゴックス」という取引所が、システム運営の失敗で経営破綻するなどあったので、ビットコインってめちゃくちゃ怪しいと思われたと思います。なのでいまでもビットコインや仮想通貨については、怪しいから手を出さない方が良いと思ってらっしゃる方が多いと思いますが、実はもはやそうでもなくなってきている・・・というのが改めて調べ始めたきっかけです。

■そもそも仮想通貨とは何か?

現在「仮想通貨」と呼ばれるものは、世界に数千種類あると言われています。

冒頭でも書いたように、現在はインターネットによる「情報産業革命」を経て、「フィンテック=金融技術革命(第四次産業革命)」に突入したところ。情報の共有が瞬時に出来るようになったと同じに、お金を瞬時にして世界中のどこへでも移動できるようになるのがフィンテック。

そう言われると、現在のネットバンキングでも、ネットでお金を送金したり振り込んだりできるじゃないかと言われるかもしれませんが、手続きはまだまだ大変だし、そもそも、決済されるまでに1ヶ月くらいかかっているじゃないですか。

その理由は、いまのシステムでは、お金の情報を盗む方法がいくらでもあって、そうならないようにするためのさまざまな手立て=暗号化などが何十にも覆いかぶさっているからなんです。

ところで、通常の通貨は、政府や中央銀行が管理していて、それが正しいお金だと認めてくれるので安心が担保されていますが、仮想通貨の場合は、お金のやり取りにはP2P(ピアツーピア)と呼ばれる個人同士の通信手段で行われるため、そのお金が正しいかどうかを判断してくれる第三者はいません。

ではそれをどのように価値を担保しているのか? それが「ブロックチェーン」と呼ばれるIT技術になります。この「ブロックチェーン」という技術が今世紀最大の発明とも言われています。なので第四次産業革命と言われているわけです。

つまり「仮想通貨」には、こうしたハッキングなどに非常に強い「情報技術」が採用されているため、いまの何十倍も簡単な手続きで、瞬時にして送金や決済ができるようになります。ここがこれまでのネットバンキングとは、全く違うところになるわけです。ちなみに、海外では「仮想通貨」のことを「Crypto currency」と言って、「クリプト」とは「暗号」を意味し、正しい翻訳は「暗号通貨」になります。

■画期的なブロックチェーンのしくみ

さきほども説明しましたが、通常のお金の場合は、国や中央銀行がそのお金を発行しましたと保証しています。ところが仮想通貨、ここでは代表的なものとして「ビットコイン」を考えたとき、ビットコインを発行した主体者はいません。なのになぜ、それが例えば100ビットコインだと証明できるんでしょうか?

それが「ブロックチェーン」と呼ばれる技術で解決しています。ブロックチェーンの詳しい説明は別に譲るとして、ここでは簡単に比喩的な表現で説明したいと思います。

我々は銀行にお金を預けたり引き出したりした記録は何を使って確認しているでしょうか? 最近ではインターネットでも確認することができますが、普通は「通帳」で確認していますよね。現在の銀行での取引の場合は、通帳のような記録は、取引している自分と銀行だけが持っています。

ところがビットコインの場合は、銀行がない代わりに、その通帳がネット上に公開されているんです。ネット上にそれぞれの個人の通帳=すなわち取引記録が、取引する同士と鎖(チェーン)でつながっているようなイメージです。

公開されているとは言っても、誰でも見れるわけではなく、次に取引する人と自動的に共有されるしくみになっています。そしてその取引記録は勝手に記録されてしまうから改ざんすることが不可能。取引を続けていくたびに、その記録はチェーンのようにつながっていく・・・。つまりビットコインは、ブロックチェーンというしくみで価値を担保されているんです。

■恐るべきブロックチェーン技術の活用性

またビットコインと並んで流通を始めているのが「リップル」と呼ばれる仮想通貨があります。ビットコインは発行者、運営主体者がいませんが、これが不安だという方も多いため、そこから生まれたのが「リップル」で、「リップル」という運営者がいます。

調べたところ、詳しくは説明しませんが、ビットコインは、そもそも管理者がいないため、取引が分散されサーバーにアクセスが集中しないから、決済時間がかからないというのが売りだったのが、現在はさすがに大量の取引があるため、銀行のように1ヶ月かかるということはないものの、数10分はかかるようになっているようです。

これをリップルは2.5秒で決済完了させるようにした、というのが売りになっているんだそうです。それは市場にリップルを大量に配布しておくことですぐに取引ができるようにしているようなんですが、その分、価値はあまり変動しなくなっている=金融商品としてはあまり価値がない=ということのようです。

そんな一長一短のある仮想通貨は、ほかにも数百種類、数千種類が続々と登場始めています。株式がAIで取引され始め、市場が安定していくなか、こうした仮想通貨が新たな金融商品として注目されるようになる可能性は十分にありそうです。

実はこのブロックチェーン技術は、金融分野以外での応用の検討が始まっています。例えばオートバックスセブンは、ベイカレント・コンサルティングと共同でブロックチェーンを活用した個人間の中古カー用品売買のプラットフォームを構築する実証実験を開始したと発表しました。

これまでの中古車用品の個人間売買サービスでは、商品に関する情報は売り手側の情報提供に頼らざるを得ませんでしたが、ブロックチェーンを活用することによって「いつ購入したのか」「どのくらい使用したのか」「何回修理に出したのか」といった履歴情報が常に中古車と紐付けられるようになるため、売買の安心、安全性がさらに増すんだそうです。

この画期的な金融技術は、いまや20兆ドル(約2130兆円)ほどの市場価値があると専門家は言っています。現在の世界のGDPが約9000兆円と言われていることからすると、世界の産業の4分の1くらいのインパクトのある技術だと推定されます。

■我々は仮想通貨とどう向き合っていくのか?

ビットコインが世界に広まったきっかけは、ご存知の方も多いかもしれませんが、トルコの南の、地中海に浮かぶ小さな島国「キプロス」が財政破綻になった2013年、国内投資家が避難した先がビットコインだったことです。これでビットコイン市場に大量の外貨が流れ込んだことで価格が急騰して、結果それがキプロスの金融危機を救ったと言われています。

では、我々もこうしたビットコインなどの仮想通貨を利用する日がくるんでしょうか? いまや銀行に預金を預けていても、利子は0.01%とか場合によってはマイナス金利なんて言う場合もあります。でもいまのところは、銀行の場合は、元本割れすることがないので、自分の財産を1円も減らしたくないというだけなら、銀行が一番安全です。

ところが、さきほどのキプロスやギリシャのように金融危機が来て、銀行などの預金が引き出せなくなったらどうしますか? 自分の財産は国に没収されてしまうことだってあるわけです。日本の場合はまずそうなることはないとは思いますが、今後は、自分の財産は、自分の責任で管理することを心がける必要も出てくるのではないでしょうか?

そういった意味で、仮想通貨は、これから非常に魅力的なものになる可能性があるということなんです。現在最も有名なものがビットコインで、世界中の主な通貨に換金出来ます。ちなみに現在の換金額は1ビットコイン=800ドル〜1000ドル(10万円)くらい。数年前は2〜3百ドルで落ち着いていたので、だいぶ高くなっています。

自分の財産は、自分の責任で管理する時代がもうまもなくやってくるんです。我々は、そのために今のうちからよく勉強しておくことが大切なのではないでしょうか。


*仮想通貨関連リンク)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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