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AI時代のラジオは、編集して圧縮してしまうか?それとも気の済むまで「謎」を追いかけるか!?第49回トンコネ・ジャム

2016/12/16 15:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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3月にGoogleの関連会社が開発した囲碁用人工知能(AI)「AlphaGo」がプロ棋士イ・セドル9段を破って、一躍人工知能の進化に世界が注目を始め、今年一年人工知能のめまぐるしい進化が進み、自動翻訳や自動運転、画像認識などの生活に密着したサービスもどんどん生み出されていっています。

今回は、前回の第48回トンコネ・ジャムの、人工知能に触れているとメディアやラジオに新たなイマジネーションが芽生えてくるという座談会の続きです。

メンバーはラジオアナウンサーでIT使いのスペシャリストの吉田尚記さんと「吉田ルーム」の大番頭さん・益子和隆さん、吉田さんも共同参画する株式会社トーンコネクト社長CEOの加畑健志さん、さらにスーパー大学生のTehuさんと矢倉大夢さんのフルフルメンバーでお送りします。

■ラジオは自動運転の普及で潮目が変わる・・・

吉田:もしラジオに問題があるとすれば、面白い人(圧縮の達人)が喋ってるメディアがめちゃくちゃたくさんあればいいのに、どうなんだろう・・・、ほかのメディアにはそういう人がいない、育たない・・・。

加畑:何が面白いかどうかがわかりにくい、だから面白くないと思ってしまうみたいな話は前からもしていましたよね。ちょっと食べただけで美味しいと思うものもあれば、よく噛まないと美味しさがわからないものもある・・・。ラジオはペッと食べてペッと美味しい感がすぐに味わえないように思うんです。

吉田:youtubeはペッと食べてペッと美味しいと思うメディアですね。

益子:ガムみたいにペッと捨てちゃうこともある笑。味だけ愉しめば良いみたいな笑・・・栄養分もないし、実もない・・・。

>でもすぐに面白いか面白くないかはわかる・・・。

加畑:だから継続感はまったくない、youtubeは・・・。

益子:タバコに近いかもしれませんね、youtubeは・・・。

加畑:ニコ生のほうが継続感はあるかもしれない。

矢倉:それで言うと、youtubeよりニコ生のほうがパッと食べにくい感がありますね笑・・・。

加畑:youtubeのほうはいかに食べやすくするかが命。いかにわかりやすいか、いかに食べやすいか、いかに一口目だけで満足させられるか、駄菓子なら駄菓子で美味しいけど・・・それが好きだっていう人にとっては、ジャンクフード好きな人にとってはそれで満足。そういう人たちが世の中にはけっこういる。

吉田:まとめてって話なんですよ。youtubeは編集じゃないですか。世の中のものをピピピっと集めていく、あの力であり、ユーチューバーの人を、ある方が言ってたんですけど、ユーチューバーのコアスキルが面白いことを喋ったりとかそういうことではなく、編集であると・・・。それって漫画家さんとほんと一緒だと思う。ほぼすべての時間をyoutubeを作ることに割いている。準備する、実行する、編集する。それが全てになっている。

これは現代の漫画家である、そりゃ人気が出るのは当然だ・・・みたいなことを言われていたんですが、それはそのとおりだと思うんです。

ちなみにユーチューバーをテレビに出す事があると思うんですが、それは間違いだと思ったんです。ユーチューバーにはテレビの素材を渡して編集させるべきなんです、視聴率を稼ぎたいなら!! 彼らの編集の腕はわかりやすさなんです。

わかりやすさが過剰に求められる時代と凄くマッチしている。そろそろそんな寄り戻しが来てもおかしくない。そこに対して網を張っておくのがラジオが今やっておくことじゃないかと思うんです。みんなが最近ラジオだって言ってる感じもあるし・・・。

そうだとすると、僕は未来予測の際によく言うんですが、次どうなるかは予想がつくが、何年後にそうなるかはまったくわからない・・・。次はどうもラジオっぽいものが来ると予想できるんだが、それが、ビジネスならせめて10年以内に来てもらいたいけど100年後かもしれない・・・。


左から益子さん、加畑さん、吉田さん、矢倉さん、Tehuさん

>いつになるかは全く予想ができない・・・

益子:ラジオは自動運転で潮目が変わると思っているんです。

吉田:どっちに変わります?

益子:悪い方に変わるでしょう・・・。自動運転が普及した瞬間に(運転し)「ながら」しなくてよくなるわけです。だからドライバーの割合ってラジオの聴取者のうちどのくらいあるのかわかりませんが、自動運転はまず地方から普及していくと思うんです。地方の方が車が普及しているので・・・。

加畑:自動運転車が基本的にネットにつながっていることは、無限のリソースが得られてしまうってことです。乗った瞬間youtubeでも何でも見られます。

益子:なので、自動運転車の普及でラジオの潮目が悪い方向に変わると思うんです。今のリスナーに工夫したものが、これが来た瞬間に全部ひっくり返される可能性がある。

■自分が気が済むメディアかどうかを問わねば・・・

>その仮説はとてもリアルですね。でも自動運転になって自分が運転しないからってテレビ(動画)を見るのかどうか・・・。それは意外に音声メディアは根強い気もしますし・・・。

益子:LINEやる人もいる・・・。

加畑:自動運転になったらさらにポケモンGOをやる人が増える笑・・・。

>そういう意味ではスマホゲームに行っちゃうのかもしれませんね・・・。

吉田:テスラのオートクルーズで亡くなった方が1人だけいたじゃないですか。あの人はどうやらDVDを見ていたらしいんです。ハリーポッター見てて・・・カーズじゃなかったんだなって笑・・・。

それで言うと、いまユーチューバーのわかりやすさって話の前に来ていたものって何だったのかなって考えたんです。それは池上彰さんじゃないかと笑・・・。最近は池上さんから林修さんに移行しているかもしれませんが笑・・・。

でも林先生はわかりやすいかっていうとそうでもないんですよ。ユーチューバーの動画を見て「くだらない!」とか言いそうなんです。彼がやっていることは「わからないものをわかるようにする」ってこと。わからないものをわからなくしてくれとは誰も言わないと思うんです。

加畑:それで思い出しましたが、昔はクイズ番組は限られていました。でもいまはクイズ番組のオンパレード。あなたは何を知らないかを教えてくれる番組に注目が集まっている・・・。

益子:わからないことを知る楽しみはあると思いますね。

加畑:林先生が凄いのは、あなたは知らないが林先生は知っている。池上さんは知っているというより、調べてまとめましたという立場。

吉田:いづれにせよ未知の世界が怖い・・・怖いもの見たさというのがある気がします。未知の世界があっても、いつでも怖いとは思わないんです。未知だから面白いと思うときもある。でもそのままにしておくと怖い、だからわかりやすく説明して欲しい、これがメディアに対する基本ニーズ。そのときいつのまにか情報量が受け手のほうが多くなっている。そんなわけがないはずなんです。

益子:ヤフーニュースでよくわかんない俳優が結婚したとなると、必ずコメント欄は「だれそれ知らん!」になるって話笑。吉田豪さんがよく言っていたネットで一番キライなのは「自分の無知を自慢するやつ」だってこと。それがあたりまえに起きてしまうのか顕在化しているのかわからないですが・・・。

ヤフーが知らない俳優をヤフトピに置くのは単純に検索回数が増えるかららしいです、検索させたいから知らない俳優のニュースを載せる笑・・・。それを「知らん」とか言ってるやつはまんまとその罠にハマったやつ。

加畑:アクセス数が上昇したことが確認されると、わからないニュースもわかるニュースになってくるわけで・・・。昔、ブログやサイトに「マヨネーズ」と入れておくと、レートが凄く上がるって噂があって、いまでもそうなのかもしれませんが笑、なぜそうなるのかわからないけど上がるって噂・・・。根拠はない・・・。

吉田:ネットで言えば、猫の画像出しておけばアクセス数が上がる話と一緒ですね笑・・・。でもアクセス数を気にし始めた瞬間負けなんですよ!!

益子:アクセス数って麻薬みたいなもんですからね笑・・・。

吉田:そもそもコンテンツを爆発させたいとい思ってるわけではないんです。

益子:数じゃないってことですよね。

吉田:売り上げを気にするのと同じで、マスが定義ではない、それを考えだしたらコンテンツでは負け。自分の中のの純度が大切なんです。

すごいなと思う話が2つあって、ひとつは、見田宗介さんという有名な社会学者がいて、彼は真木悠介という別のペンネームで数学理論なども書いてたりするんですが、思考実験において、その人が「この世は1人で生きるに値しない、2人なら生きる意味がある」と言った。

なるほど説得力があると思っっていたんですが、その後、御徒町凧(カイト)という詩人がいるんですが、森山直太朗さんと一緒に作詞したりしている方、彼にそれを聞いたところ、そんなことない、自分ひとりでもしっくりくるなとおもうときがあると言ってて、これのほうが今は上位概念だなと思ったんです。

だとすると自分が気が済むかどうか、社会的に認められないと気がすまない人もいるので、そういう諸条件を全部含めて、気がすまないとだめなんだろうなと思ったわけです。つまり気が済むようなウエブサイト(メディア)を作らなきゃいけないんです。元に戻れば・・・。

加畑:わかりやすいとは、気を済まさせてあげていることだよね・・・。

吉田:人の気を済まさせてあげる・・・。

矢倉:見ないといけない場所がたくさん出てくるようになったから、それぞれを簡単に気が済むようなコンテンツにしなければならなくなったってこと・・・。

加畑:気が済んだ感をいかに醸し出すか・・・。

■謎を掲げて、ラジオは圧縮されない話題を作り続けられるか・・・

吉田:「気がすむように作る」の反対語は、「謎」ですよね。つまりみんなの気が済んでしまう前に「謎」をつければ「気になる」

益子:「気が済む」の反対は「気になる」ですよ!!

吉田:気になることは「謎」なんですよ!! 「ベッキーの謎」はなんかしっくりこない。「8.6秒バズーカの謎」・・・オワコンに「謎」を付けても座りが悪い。でもオワコンでないものに「謎」を付けるとしっくり来ますよ笑。

益子:ドナルド・トランプの謎!!

吉田:超気になるじゃないですか笑・・・読みたいですよね「トランプの謎」!! 「椎名林檎の謎」も今でもOK。

加畑:ビートルズの謎もいまでも読めますね笑・・・。

益子:そりゃもう2周くらいしてるからじゃないの笑?

吉田:オワコンかどうかは「謎」を付けるとわかりますね。

加畑:マツコ・デラックスの謎・・・。

吉田:ちょっと終わってる感じがしますね笑。これってオカルトじゃないですか!! つまり理路整然と説明できるものはもうどうでもよくなって、結局「謎」なんですよ。知識とはなにかと考えると、誰かが合意したポイントに過ぎない、異様な知識量を持って通り過ぎてきた人たちの途上なんです。そうなればおもしろい!! ラジオは謎が作れるメディアなんですよ!!

>それってラジオはインターネットより有利?

吉田:インターネットの謎は終った感があるし、ラジオの謎もなさそうなんですが、「謎のラジオ」は作れるんですよ!!! 謎のラジオにはいま、とってもニーズがある!!

僕が去年やってた「当たり障りのないラジオ」はまさに「謎のラジオ」だったからですよ笑!! 謎のラジオが作りたいんです!!

益子:謎のウエブサイトはまだ作ろうとしていない・・・。わかりやすくしてしまっている!!謎のさじ加減は難しいですが・・・。

>なるほど!!「謎」は(前回に出てきた話題で)「圧縮されていない」ってことですね!! 圧縮してしまうと謎は謎でなくなってしまう・・・。

吉田:ありとあらゆるものは、もともと「謎」だったんですが、それを流通させるために「圧縮」をかけてしまうんです。そもそも「ことば」にした段階で「謎」は圧縮されてしまているんです。「謎のベッキー」じゃなきゃ圧縮されちゃってるんです・・・。

>言葉は圧縮装置なんですね。「ベッキーの謎」なら圧縮されていない笑。ようやく見えてきました。人工知能時代にラジオは圧縮されない話題を作り続けられるかが勝負ってことのようです。


(参考リンク)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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