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ポケモンGOブームから1ヶ月、その先にあるもの?

2016/09/02 12:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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ポケモンGOが全世界で空前の大ブーム・・・。これをみなさんはどう見ているでしょうか。今週にはまだやってる人はみんなレベル20に達していて、それ以下の人はみんなやめ始めている。そんなニュースも出てましたが、日本でのブームはそろそろ終わりに差し掛かっていると見る方が多いと思います・・・。

でもこの盛り上がりに恩恵を授かった会社も数多い・・・。終わらせたくない。だったら何につなげていけば良いのか・・・。正直、実践されている方はすでに手を打ってらっしゃるでしょうし、私の勝手な分析などなくても秋に向けての準備を着々とすすめていると思いますが・・・。

先日ラジオ番組で、ちょうど「ポケGOの先にあるもの」について話をしたので、例によってこの紙面を借りてまとめておきたいと思います。

■スマホゲームはいま・・・

まず、ここ半年のいくつかの分析記事を元に、スマホゲームに関する現在の状況をまとめてみました。

何年か前までは、携帯ゲームというと、いわゆるガラケーのゲームアプリが主流でしたが、それがiPhoneやアンドロイドスマホの普及で、ビジネスのやり方がガラッと変わりました。

ガラケーの時代は、ゲームアプリのダウンロード課金が基本で、その後ソーシャル・ネットワーキングサービス(SNS)と呼ばれるモバゲーやグリー、ミクシィでのゲームでも、アイテム課金の支払いは、あくまでドコモやau、ソフトバンクといったキャリアがまとめて徴収するモデルでした。

ゲームをやる側も、支払いは通信料や通話料とまとめて月末に支払えばいいと、ポチッとクリックしてすぐにゲームを楽しんでいました。つまり課金に対しては、あまり抵抗感がなくなってました。

それが2012年後半から、スマートフォンの普及が一気に増え、お金の支払い方法が変わりました。いわゆるゲームアプリを販売しているAPPストアだったりGooglePlayなどに直接支払うものになり、また無料のゲームも大量にダウンロードできるようになったんです。そのため、携帯ゲームの売上が一時激減します。

それを救ったのが、ご存知「パズル&ザ・ドラゴン(パズドラ)」や「モンスターストライク(モンスト)」。これらゲームの、ある程度までは無料で遊べて、ゆるやかなアイテム課金で満足するまで遊べるシステムが功を奏しました。

これによってガラケー時代の最後で2000億円、このあと一旦下がったものの、6000億円市場にまで膨れ上がりました。これで家庭ゲーム機市場の3200億円をあっという間に抜いたそうです。

その状況は今年(2016年)のはじめでも変わらず、スマホアプリの課金売上ランキングで上位100に入っていれば、月額1−2億円は売り上がる状況が続いているんだそうです。

それでも、ゲーム業界では今年の春先から、そろそろ今年中にスマホゲームの春は終わってしまうではないかと心配の声が上がり始めていました。

それは、開発費が年々数億円にも膨れ上がり、パズドラ、モンストを超えるビッグタイトルを目指すには、リスクが怖くて誰もチャレンジしなくなってきているという恐怖感からでした。

そこにまったくそんな風潮も忘れてしまう感じで登場したのが「ポケモンGO」でした。7月頭に全米ほかでリリースされるやいなや、全世界的に話題にのぼり、7月22日には日本でも公開され、空前の大ヒット。その流れは全世界に及びました。

なんとポケGOのブームによって、パズドラやモンストなどのゲームの売上も軒並み上昇しちゃったみたいです。スマホゲームの春は終わるどころか、立ち直ってしまったのが今の状況なんです。

一方ポケモンGOも、もうそろそろ飽きて終わるという風潮もありますが、世界的にはこれから韓国・中国・インドのリリースが決まっており、ますます盛り上がる予測になっています。

■スマホゲームの歴史をひもとく

それでは、改めてスマホも含めた携帯ゲームの歴史を簡単に振り返って、これからの方向性などを考えてみたいと思います。

携帯電話でゲームをやることがブームになったきっかけは、1999年にドコモがiモードを発表したころから始まります。

iモードによって、単に無線で電話(通話)ができる機械でしかなかった携帯電話を、無線付きのゲーム機に生まれ変わらせました。

ここでさまざまな携帯ゲームがヒットしていきます。中でも、トレンドウォッチャーとしての私の心に焼き付いているブレイクポイントゲームはこれです。

餌をつけて糸をたらしたつもりで待っていると、携帯電話のバイブレーションがブルっと鳴って、魚が食いついたことを知らせてくれて、そこからテンキーを叩きまくると、魚が釣れて、魚拓にしてコレクションする「釣りバカ気分」というゲーム。これが1999年11月にスタートして、2000年には大ブームに。この釣りバカ気分があったおかげで、iモードが普及したと肌で感じるほどでした。ちなみに「釣りバカ気分」の作者は、いまの私の師匠でもあります笑。

2006年、携帯電話にソーシャルネットワーキングサービス=通称SNSが次々立ち上がります。ひとつはミクシィ、そしてグリー、もう一つはゲーム中心のモバゲー。

SNSは、メールとはまた違った形で、友達同士がメッセージや情報を交換することが人気となり、ゲームアイテムをお互いに交換したり、敵を倒すときに一緒に戦ったりすることで大いに盛り上がります。いわゆるソーシャルゲームの時代の幕開けです。

■ソーシャルゲームの杭は打たれた・・・

ソーシャルゲームの代表と言えば、自分の牧場に動物や農産物などを飼って育ててお金を稼ぐ「サンシャイン牧場」などの「育てゲー」が大ブームになります。ソーシャルゲームの大ヒットも、その課金のシステムにポイントがありました。

これまでのゲームは、ゲームそのものをプレイするのに1回100円とか、最後までやるのみ300円とか支払っていたのに対して、やり始めはすべて無料で始められて、レベルをあげるためのアイテムを購入するのに、時間を費やしてアイテムを取得する方法と、お金を出して時間を節約してアイテムを購入する方法を選べるようになっていました。これがプレイするユーザーを爆発的に増やすことになります。

ソーシャルゲームはほかにも「怪盗ロワイヤル」や「ドラゴンコレクション」などが次々大ブレイクを起します。「怪盗ロワイヤル」は、ただひたすら、テンキーを押していると、自分の怪盗ロワイヤルがどんどん強くしながら、敵を倒して金銀財宝をいただいていくもの。また「ドラゴンコレクション」では、ソーシャルゲームに「カード」という要素や「進化」「合成」を導入し「カードバトル」というジャンルを作り上げました。これがカードコレクションなどの文化も生むことになります。

ちなみにiモード等による携帯ゲームダウンロード市場が2007年に60億円の売上をピークに、ソーシャルゲームによるアイテム課金に取って代わった2011年には2000億円を突破していました。

ソーシャルゲームの大ヒットが続く中、カードを手に入れるための「ガチャ」が大ブームになります。これをソーシャルゲームにも取り入れたことで、強いカードの入手方法が、ゲームのスキルではなくて、運になっていきました。

これに熱中するあまり、大金を費やす人が多数現れ、2012年に消費者庁が「コンプガチャ」の禁止を発令します。出る杭は打たれてしまったのです。

ときを同じくして、iPhoneやアンドロイドスマートフォンが普及を始めます。「コンプガチャ」の禁止を受けて、ガラケーによるソーシャルゲームブームから、スマートフォンアプリによるゲームにシフトしていきます。

■これからスマホゲームが向かうところ・・・

こうして、スマホへのシフトと、ゆるやか課金のトレンドが相まってパズドラやモンストに新たな輝きが出てきます。パズドラやモンストがスマホになってもヒットした要因は、一人でもできることと、スマートフォンの画面の操作性の向上、またテンキーを叩くだけの単純作業から、頭を使ってパズルを解くという斬新さが受け入れられたのではないかと言われています。

また、課金しなくてもある程度は遊べる上、ある程度レベルをあげても、急に大変にならないで、ゆるやかに楽しめるという特徴も、現在でもなお、そのブームが続いている要因といえます。

ちなみにパズドラは現在でも月間100億円以上の売上をキープしていて、これを家庭用テレビゲーム機のパッケージソフトで置き換えてみれば、1本1万円としても、毎月100万本を売り続けているというとんでもないゲームだそうです。

それでも業界では、これからどうなっていくのかと危ぶまれていたところにさっそうと登場したのがポケモンGOというわけです。ポケモンGOは、8月9日時点で、世界売上が2億ドル(約200億円)にも達しています。

ポケモンGOが大ヒットしたことで、ほかのスマホゲームも軒並み売上をアップ。この流れで、スマホゲームのトレンドはどこに向かうのか・・・。

パズドラにせよ、ポケモンGOにせよ、強力なゲームアプリが登場すれば、市場はいともたやすく変わってしまうというのがゲーム市場。

そういう意味では、これからどんな方向に向かっていくのか、見極めるのは相当難しいと思われますが、実はここに一つの驚くべき「ヒント」を見つけちゃいました!!

そのヒントは、携帯ゲームが始まったころに最初に大流行したゲームにあります。

そうです「釣りバカ気分」という釣りをするゲームがです。これは当時、GPS機能もなかったので、自分のいる場所で釣りをするという考え方はありませんでしたが、ゲーム上には、日本地図で、全国津々浦々の釣り場を旅して、魚をコンプリートするという、ロールプレイングゲームの形でした。

「釣りバカ気分」から16年たったいま、ポケモンGOが流行った・・・。まさに「釣りバカ気分」と同じコンセプトだと思いました。世界中を歩きまわってポケモンを捕獲するロールプレイングゲーム。つまり16年かかってさまざまな種類の遍歴を経て、結局のところゲームのトレンドは、元に戻っているのではないかと考えるわけです。

実は、そう思っていろいろ調べてみたとこと、今回参考にさせていただいた「日本デジタルゲーム産業史」の著者の小山友介さんも、まったく同じ分析をされていて驚きました。

小山さんんは、そろそろ0年代に大流行した、ドラゴンクエストや、ファイナルファンタジー、海外ではウルティマオンラインやファンタシースターオンライン、こうした、さまざまな世界を冒険して楽しむMMORPGゲームにトレンドが戻ると予測しています。

ポケモンGOはまさに、GPSやARなどの新技術を駆使してのMMORPGそのものなのではないかと思うわけです。ポケモンGOをやって、改めてドラゴンクエストを再び始めた人とか、ファイナルファンタジーをもういちどやってみようと思った人が、いま続出しているという噂も耳にします。

まさにGPSやVR(仮想現実)、AR(拡張現実)の機能なども加味して、ゲームを構成することで、ひと味も二味も違うリアリティの中でロールプレイをすることも実現できる時代になりました。

■夏のコミケ・・・そこで話題になったスマホゲームは・・・

先週(8月12−14日)に、東京ビッグサイトで「コミックマーケット2016夏」が開催され、ここで大きな話題となったスマホゲームで「オルタナティブガールズ」というVRを駆使した美少女口説きロールプレイングゲームがあったのをご存知でしょうか。

美少女をものにするためにさまざまなアイテムを駆使して口説き落とすらしいんですが、それをあのVRヘッドセットをして、プレイボーイになりきってロープレするらしいです。

なんとこれが7月20日のリリース以来、美少女を口説くためのアイテムの購入売上が、数億円にも上っているとの噂。ゲーム内でのアイテム課金購入が、パズドラを追いかけるほどの盛り上がりということで、話題になっているようです。

そういうことで、ポケモンGOブームの流れを受けて、どんなゲームがスマホのトレンドか、私の今回の結論は、MMORPG、いわゆる90年代に大ヒットしたようなロールプレイングゲームが、さまざまな新しい技術を駆使して復活する。想像するだけでも面白い・・・。

手堅い「美少女もの」を始め「学園もの」もありそうだし、もちろんさまざまな架空の王国を救う「勇者もの」もやってみたい。「刑事もの」とか「探偵もの」とかも全然行けそうだし「地球防衛軍」みたいなのも早くやってみたいです。今年の下半期は、VRゲーム花盛り!! これまでにないほど楽しみな時代になりそうです。


(参考リンク)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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