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「幸せ」と「健康」の間に「アナウンサー」の観察眼が関係!!:第40回トンコネ・ジャム

2016/03/29 14:00
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プロフィール

土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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■いよいよラジオも世代交代!!

ラジオ界きってのオタクアナ・ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーをアイコンとしたカルチャー情報サイト「yoppy.tokyo」がプレオープンしてはや2ヶ月。ラジオメディアからの一次情報発信というチャレンジが見事に続いています。

本谷有希子さんの芥川賞受賞直後の生インタビュー記事で軽快なスタートを切って以来、「アニメ×落語×声優」の異色コラボイベント「声優落語天狗連」体験レポートあり、アニメ紅白歌合戦直後の出演者インタビューあり、ももクロのバレンタインコンサートスクープレポあり、“ゲーム”をテーマにした企画展「GAME ON」体験談あり、楽しい話題の独走が続いてます。

そんな中、いよいよ今週、来週あたりから、ニッポン放送を始め各局の新編成・新番組が続々スタート。中でも私の注目は伊集院光さんがTBSラジオの朝の顔として、30年続いた「大沢悠里のゆうゆうワイド」からバトンタッチすること(「伊集院光とらじおと」は4月11日から)。これはラジオ業界としては、まさに歴史始まって以来とも言える、初めてラジオで育った子供が親を継ぐ瞬間なんです。

ニッポン放送も同じく、ラジオで育った新世代、土屋礼央さんを起用した「レオなるど」が今週から始まりました。ラジオの二代目への世代交代が注目です。

ラジオアナウンサーにしてIT使いのスペシャリストの吉田尚記さんを中心に、メディアの今を語り合う座談会「トーンコネクトジャム(略してトンコネジャム)」の今回は、人の「幸せ」と「健康」の相関関係について真面目に語り合いました。これがなんとラジオの世代交代(彼らの仕事)とも関係あるという意外な結末・・・。

メンバーは、吉田尚記さんに株式会社トーンコネクト社長CEOの加畑健志さん、スーパー大学生で御意見番のTehuさんと矢倉大夢さんでお送りします。

■没頭する幸せ、料理・・・

(吉田)考えてもみないことってあるなと思って、僕は以前DNA診断やったことがあるんですが、その結果、普通の人よりも食道がんになる確率が1.5倍くらい高いことがわかりました。職業からじゃなくて遺伝子からもわかってしまった。自分が食道がんになるなんて考えてみたこともない。

>そういう遺伝子を持っているからこそ喉を使う職業に就いちゃうのかも・・・。

(吉田)僕は、チョ~そういうの調べるの大好きなんですよ。脳ドックやってもらったりとか、自分のスペックを調べるの大好き。健康診断も大好き。

(加畑)スペック中毒!

(吉田)でも年収はよく知らない笑。重要なスペックのひとつなのに笑。

でもあえてスペックに注目すれば、こんどは、そのスペックをすべて取り除いたら何が残るのか、ということに興味が湧いてくる。

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司教授の話がおもしろい。ロボットのデザイン(ロボティクス)などを研究されてきた教授の「脳の中の『私』はなぜ見つからないのか?(技術評論社刊)」という本の中で、「受動意識仮説」と言って、記憶したことの中にしか意識はないということが語られています。

>これまで人間の行動は何かをしようという意識があって初めて行動が生まれる『能動意識仮説』が提唱されていた、つまり意識(=スペック)は記憶からしか生まれないというやつですね。

(吉田)この先生の「幸福学」についても面白い。前野教授によれば、人の幸福は4つの要素で決まると言います。「自分の強みを活かせている実感」「人を喜ばせている実感」「そこそこで満足できる実感」「人目を気にせず物事を楽しめる実感」・・・。

>これはまさに吉田さんの「なぜ、この人と話をすると楽になるのか」で話していることだし、次回作もそういったことがテーマになっているんですよね。

(吉田)ぼくは常々そういうことを考えているんですが、人間の幸福を分析している人で「ポジティブ心理学」を作ったマーティン・セリグマンという人がいるんです。彼によれば、人間の幸せは「快楽」と「没頭」と「意識」の3つに別れるというんです。

「快楽」は、スポーツやショッピングなどで「肉体的にあるいは感覚的に得られる幸せ」のこと。「意義」は、自分の長所を使って「何かに人生を捧げることによって得られる幸せ」となるんですが、もうひとつの「没頭」が僕は一番大切なんじゃないかと思ったんです。

「没頭」は、仕事や趣味、恋愛や研究に「没頭して得られる幸せ」なんですが、僕は、没頭に至るまでのさまざまなメソッドがあると思っているんです。

そんな話を考えているところに、例の予防医学研究者の石川善樹さんの話になるんです。彼はこれまで3冊本を出しているんですが、一番最初の本が「友だちの数で寿命はきまる(マガジンハウス刊)」。孤独は喫煙より体に悪いという話です。

彼は科学的な観点からさまざまなことを予防しようとしている方。さきほどの話で言えば、その昔、喫煙は体に良いと言われていた。医者にタバコを進められていた時代もあった。一方、運動は体に悪いとされていた時代もある。疲れることをするんだから体に悪い。

こう考えていくと、何が人間の体に悪くて、何が良いのか、石川さんは調べまくったわけです。すると3つの体に良いものがわかった。それが「運動」「睡眠」そして「料理」なんだそうです。

>「運動」「睡眠」はわかりますが「料理」!? 何かを食べるのではなくて、料理をすることが健康によい!?

(吉田)料理をしている人の幸福度が他より高いことが、集計によってわかったと言うんです。それが「疲れない脳をつくる生活習慣(プレジデント社刊)」に書かれています。

(加畑)「料理」と「健康」に統計的な相関が認められたわけだ・・・。

左から吉田さん、Tehuさん、矢倉さん、加畑さん

■朝ワクワクして目覚め、夜満ち足りた気持ちで眠れる幸せ・・・

(吉田)もちろん栄養もすごく関わっているんでしょうね。料理って食べたいものを作るじゃないですか。すると手軽だからカップラーメンとは行かず、栄養のある美味しいものをチョイスするんでしょうね。

ここで、そもそもの我々が日々行っている仕事の処理能力を考えてみます。すると仕事の基本というものがだいたい料理に詰まっていると言うんです。

まず段取りが大事。そして状況に適応する必要があり、マネジメント能力も必要、これをやりながら料理作るとか・・。うちの嫁さんは料理教室の先生やってたことあるんですが、話を聞いて面白かったのは、料理ができない人に教えることの衝撃があるという話。

料理を作るとき、何か一品だけ作る人などいない、現実的、日常的には。でも料理が作れない人(一品だけ作るような人)に教えていると、焼きあがるのをこうやって待ってるんだそうです。それが衝撃なんですって。料理ができる人からすると・・・。あり得ない。

>複数のことを同時にやるのがお料理だと。僕も妻からあなたは絶対できないと言われます笑。段取りがないと・・・。

(吉田)Googleは「料理」を重要な生活要素の一つと位置づけているそうです。だからGoogleでは、なんでも食べられる「社食」に加えてキッチンも新設したそうです。

社食のとなりにキッチンがあって、何を作って食べるかは自由。キッチンの周りには植物工場を作って、そこから自由に野菜を収穫して調理ができるようにしようと計画中なんだそうです。いろいろ納得がいく話ですよね。

>「料理する人は長生きする」みたいなことなんでしょうね。食材が沢山あろうが、少なかろうが、自分に栄養を与えようとするために、あるものでなんとかするというマネジメント能力が長生きを助長させる。料理のマネジメント能力がないと、栄養が偏ってしまう。料理をすれば自ずと体に優しい物を選ぶようになる。

(吉田)あと2つほど思いついたことがあります。人間って、この食べ物を食べると健康になるとか言うじゃないですか。これがまず「大ウソ」。

同じものを食べても人によっては太る人も痩せる人もいる。それはなぜかというと、人間の栄養の殆どの部分は食物から直接取っているわけではなく、食物を腸内に住んでいる細菌が分解してようやく摂取されるわけです。つまり腸内細菌の有り様は、人によってぜんぜん違うからだというんです。

例えば海藻類を生で食べるのは日本人だけらしくて、日本人の腸内細菌が海藻を分解するのに適しているからで、これが日本人の長寿の秘密だとも言われています。

(矢倉)日本人の腸内細菌に海藻を分解しやすい菌がいるから長寿につながる・・・。

(吉田)今最も注目すべきは、腸内フローラを調べることかもしれません。一番体調が良くなるのはどんな腸内細菌の組み合わせなのか・・・。誰かやって欲しいですね。

もうひとつ。栄養学ってまだまだ未発達の学問らしいんです。結論が出るまでに何十年も要してしまう学問だから。今の栄養学の知識で自分の食生活を変えようというのは、専門家に言わせれば、中世の医学知識で外科手術をするようなものだというんです。

(矢倉)WHOがある食物に発ガン性があるかどうかを調べるのに40年くらいかかるというのを聞いたことがあります。

(加畑)そもそも「健康」ってどういうときのことなのかを考えたい。

(吉田)僕も病気になるって何だろうと考えますね。この状態が何を意味するのか。

(矢倉)恒常性が高い(生体の状態が一定に保たれること)ときを「健康」と言うらしいです。体内のバランスが安定していて自然治癒力がスムーズに働くときのこと。例えば熱が上がるということは、普段に比べて異常度が高い、自然治癒力が効いていない、健康じゃない。異常度の振れ幅が小さければ健康といえるんじゃないでしょうか。

(加畑)僕が考えた「健康」の定義は、自分の体のことを意識しないでいられる状態。調子が良いとか悪いとか意識しない状態が「健康」。この状態をいかにキープできるか。

(吉田)石川善樹さんは予防医学者なので「健康」が定義できないと予防できないわけで、彼の説明はもの凄くシンプル。予防医学の究極の目標(健康)は「朝ワクワクして目覚め、夜満ち足りた気持ちで眠りにつく」ことなんだそうです。

>「健康」には、目が覚めて眠るまで必要なんですね。

■自分の体が気にならない幸せ、瞑想、そしておしゃべり・・・

(吉田)それで思い出したのが、石川さんの「疲れない脳をつくる生活習慣(プレジデント社刊)」に出てくるんですが「世界で一番幸せな人は誰か」という問い。

最近の技術では「fMRI」というMRIを利用して脳内の血流動態を視覚化することで、脳のどこが活動しているときに幸福を感じているかを調べることができます(前頭前皮質の左側が活性化すると言われる)。

なのでそこの数値が一番高い人が世界で一番幸せな人ということになりその結果、マシュー・リカードという人が選抜されたそうなんです。

>彼が有名な「世界で一番幸せな男」と呼ばれている方なんですね。

(吉田)彼はフランス出身のチベットの禅僧。彼が最高のスコアを達成した時に、彼は一体何を考えていたのかが問題になりました。さてそれは何だったでしょうか。

(矢倉)みんなを幸せにしたいと思っているときとか・・・世界の平和を願っているときとか・・・。

(吉田)正解は「幸福の瞑想」と言うそうなんですが、「恵まれない人に手助けをしている自分を想像して瞑想したとき」だそうです。

(Tehu)施しだ・・・。

(吉田)つまり現代の競争原理などから、他人に勝つだったり、高収入を上げることが一番の幸せのように仕組まれたているだけであって、そもそもの幸せはそんなところにはないと・・・。

>ブータンが「国民総幸福量」を最大化するという考え方も同じですね。

(吉田)加畑さんがさっき言った「自分の体が気にならないのが『健康』」というのは改めて納得なんですが、この状態を科学的、能動的に作り出す手法が「瞑想」なんじゃないかと思います。

最初にお話した「没頭」に戻ると、幸せ、健康になるために何かに「没頭」することって「瞑想」することんじゃないかと思うんです。

瞑想関係の本を読んでいてドキッとしたことがあるんです。それは僕がアナウンスするときにしていることがまさに「観察瞑想」だとわかったことなんです。特に生放送を進行しているとき。

「観察瞑想(ヴィパッサナー瞑想)」とは自分の動作、思考、感覚などを「ありのままを観察」する瞑想。自分がまず何かを感じたら何も考えず受け入れる。例えば生放送で感じること、熱い寒い痛い怖い・・・。これらをアナウンサーは表現するわけですが、感じている自分そのものを観察して表現するんです。僕は毎日「観察瞑想」をしているということに気付いて衝撃を受けたんです。

>こんな身近に「幸せのメソッド」が転がっていたってことですね・・・。

(吉田)良く言ってるんですが、しゃべることって「自分の感情を『言葉』でスケッチすること」なんです。スケッチをするには、感情に囚われてはできません。感情に囚われずにスケッチすることがまさに「観察瞑想」だったわけです。

だからさきほどの「自分の体が気にならない」ということをほぼ毎日体験している、すなわち僕は常に健康であり、幸せの真っ只中なのかもしれない笑。

>なるほど、まさにアナウンサーの仕事そのものが「幸せになるためのメソッド」。面白い!!これをさらに発展させて行きましょう。

今日はありがとうございました。

(参考リンク)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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