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ついにコスメサイトにもディープラーニングの波が・・・:「Hapicana(ハピカナ)」

2016/03/11 10:00
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プロフィール

土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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■空気を読む人工知能が登場・・・

前々回のこのコラムでも「人工知能」について書かせていただきましたが、その後も人工知能に関係する話題は絶え間なく我々の社会を取り巻いています。

つい先日も、IBMの人工知能Watsonがバージョンアップで「空気を読む」音声返答機能を獲得したというニュースが話題になっていて、Watsonが相手の言葉を解析して、その裏に隠れている「感情」を読み取って返答するというもの。例えば相手の言葉に怒りの感情が入っていると感知したら申しわけなさそうに答え、悲しんでいるようなら同情的、明るいなら共に明るく応えるといった具合だそうです。

これを知人に話したところ、自分でもそんな感情コントロールができないのに、これからは全部ロボットに返答してもらおうと言う始末。いやはや本末転倒しそうな話題はさておき、人工知能を人の顔の分類に使った女性向けのユニークなサービスがあるということで、久々に取材に伺いました。

coosy(クーシー)というウェブサイト制作を中心に幅広く活動をされている会社が、昨年から始めている「Hapicana(ハピカナ)」というコスメレコメンドサイトです。

今回はcoosy(クーシー)の代表を務める田中心作さんと、サービス責任者の直江誠治さん、そしてその人工知能を使った技術を提供する富士通イノベーションビジネス本部の平山将(まさし)部長、佐藤竜介さん、安藤剛寿(たかひさ)さんにも加わっていただいてお話を伺いました。



手前右から直江さん、田中社長、平山さん、後ろ右から佐藤さん、安藤さん、渡辺さん(友情出演)

■常に女性消費の10%以上のコスメ市場に目を向ける・・・

>今回は最新コスメサイト「Hapicana(ハピカナ)」を中心にお聞きしてまいりますが、まずは運営会社でもあるcoosy(クーシー)についてお伺いできますか? 1999年創業ということで、今年で17年目になりますね。

(田中)会社を立ち上げて一番最初に始めたのが、ウェブサイトの受託制作で、育児サイトでした。育児のポータルサイトの制作をしまして、当時インターネットも始まったばかりだったので、割とサービスとしても人気が出まして、当時まだSNSという言葉もなかった時代、お母さん向けSNS的なことを始めました。

ただ当時ですから、セキュリティ面で不具合が生じたり、技術力もまだまだでしたので、自分たちのサービスを始める前に、まずはスキルを高めるために制作を粛々とやっていました。

そのうちに新しいサービスのアイデアが出てきて、資本調達もできるようになり、体制も整えて、17年もたってしまいましたが、今回「Hapicana(ハピカナ)」を立ち上げることがようやくできたというのが実情です。

もともと自分たちのサービスはやりたかったのですが、リクルートさんのサービスや楽天さんのサービスなどの制作で力をつけさせていただき、割とサービスデザインをする会社という立ち位置で、受託制作というよりも、いろいろクライアントさんとのやり取りの中で生み出してきたものが多いです。

>そんな中「ハッピーをかなえるコスメサイト」ということですが、いろんなサービス、育児サイトから始まったとおっしゃってましたが、コスメサイトにフォーカスを当てたきっかけはあるんでしょうか?

(田中)ちょうど企画を考え始めたのが3年くらい前で、景気もそれほど良くなかったころでした。サービスをいろいろ作ってきて感じていたのは、女性ユーザーがネットでも大きな影響力をもっているということ。そんな中でコスメという分野、女性の購買・消費の中で、不況の中でも常に10%を保っているジャンルというところに注目しました。

あと弊社がユニリーバさんとかポーラさんとかMIMCさん(ミネラルファンデーションのコスメブランド)らコスメ関係の制作をしていたこともあって、コスメサイトに対するポータルのニーズも、クライアントさんとのコミュニケーションの中で感じている部分もあったので、女性が必ず10%消費するマーケットエリア、現在は@cosme(アットコスメ)さんが一人勝ちの状態のところで、他のニーズもかならずあるということで、チャレンジするには良い分野かと思って始めました。

>仰るとおり、現在コスメサイトという意味では@cosme(アットコスメ)さんが大きな市場を持っていると思うのですが、わざわざそこに押し入るという意味では、何か勝算があってのことなんですよね?

(田中)そうですね、現在はクライアントさんを見ているサービスが多いんです。コスメ商品を取り扱うとなるとどうしてもそうならざるをえないと思うんですが、するとサービスサイトのほうのユーザーメリットがなくなっていく、ここにサービスの主軸を置いて、ユーザーメリットを最大化できれば勝算があると踏んだわけです。

BtoBtoCで言えばCを最優先とし「ユーザーのハッピーをかなえるサイト」とするのがいいなと。あと切り口としてそこから入るのが良いと思っていて、いづれは「ルナルナ」さん(生理日予測アプリサービスなど)、女性ってホルモンバランスを気にされる方が多くて、お肌の調子とか体調の管理とかをサポートするようなサイトやアプリ、こういったものとも連携したり作っていければ、ユーザーに対して適切な情報を適切な時期に提供できるサービスになるのではないかと思っています。

>こういう考えに至るまでに、さきほど2、3年前とおっしゃってましたが、3年くらいかかったということでしょうか。

(田中)そうですね、やはり受託の仕事がメインでしたので、時間はかかりましたね。

>なるほど。「Hapicana(ハピカナ)」としてサービスをオープンしたのは昨年でしたよね?

(田中)そうです、データベースやgoogleのクローラーに回してSEO対策などしっかりしてからと思い、昨年(2015年)プレオープン(ベータ版リリース)はしたのですが、グランドオープン(本リリース)は現在でもまだできていない状態です。今後ポイントサービスみたいなものも準備しています。ユーザーさんが口コミを書くとポイントが貯まり、それで賞品としての化粧品と交換ができるようにしたいと思っています。こういった本質的なユーザーサービスをもっと充実させてからのグランドオープンとなります。

現在は価格比較のデータベースとか、オムニチャンネル(リアル店舗)のデータベースと連動させるとか、仕組み的な部分が出来てきたところです。これからはユーザーエクスペリエンスのしくみを作っていきたいと考えています。

そこで富士通さんに協力をいただき、人工知能を使ったユーザーエクスペリエンスの導入準備を行っています。例えばアトピーの方でアンチエイジングを気にしているユーザーが記事を見たとします。この方はそういったことに興味がある方、それに即した商材をレコメンドできるしくみを追加したいと思っています。

いままでのレコメンドは概ね「この商品を買った人はこれも買っている」という「商品」が中心となったひもづけになっています。今回富士通さんと開発しているものは、ユーザーのペルソナ像を浮き彫りにして、データ上こういう人に必要な情報はこれ、という「人」を軸にしたレコメンドになっています。これまであまりできていなかったレコメンドのしくみ。ここを女性ユーザーのメリットになるようなサービスに作っていければいいなと思っています。

■口コミでポイントを貯めて商品をゲット・・・

>では改めて「Hapicana(ハピカナ)」のサービスの特徴などからお聞きしたいのですが。

(直江)いまも話に出ておりましたが、現在、コスメ関連情報としてのデータベースが完成しておりまして、そこに国内最大級の商品データが載っています。ほかのサイトにないところとしては、yahoo、楽天、アマゾン、三越・伊勢丹、西武・そごう、LoFtといったネットショップの価格を一斉に比較できます。Googleさんでもやっているところではありますが、ウェブサイトとして、データ整理〜公開までほぼ自動化させているのは「Hapicana(ハピカナ)」が初ではないかと思います。

あと、その比較情報に加えて口コミが入っているとか、さらには、オムニチャンネルと呼ばれる実店舗での価格も比較できることも(実装中で)ほかにはない機能ではないかと思います。

(田中)これを使えば、ある商品を検索すると、ネット上の価格比較だけじゃなくて、いまあなたがいる場所に一番近い店舗での価格や在庫数なども見ることが出来ます。

>「Hapicana(ハピカナ)」で検索してユーザーが商品を見つけると、その場で通販とかで買えたりするんですか?

(田中)商品のあるECサイトに飛ばす形をとっています。

>いまあなたにピッタリのコスメはこれ、というところまでが「Hapicana(ハピカナ)」で、これを買いたいとなったときは、通販サイトに飛んで行くというわけですね。

(田中)そうです、情報連携もしています。これが今までのサイトだと、自社サイトでEC持っているため、ユーザーメリットを最優先にしにくくて、自分のところの売りたい商品が最優先になってしまっていました。ここを改善させるために自社ではECはやらず、ユーザーに適切な商品を紹介できるサイトにしました。

>カカクコムなども比較サイトになっていますが、彼らはそこで紹介するので広告収入をいただくみたいなこともやっていますが「Hapicana(ハピカナ)」ではその辺をどうされていくのか・・・。

(直江)現在メーカーさんからのお話が来ている状況です。例えば、普通のアフィリエイトではなくてメーカー・ブランド専用ページを展開する形で検討中です。

>そういう意味では「Hapicana(ハピカナ)」としてのビジネスモデルはどんなものが主になるんでしょう。

(田中)いろいろ考えているんですが、これからポイントサービスを始めたとき、メーカーさんにポイントを買っていただいて、その商品を口コミで書いてくれたユーザーにポイントを付与するみたいなものをメインに考えています。このポイントで試供品がゲットできるようにもしたいと考えてます。

また現在、商品体験の記事を紹介しているんですが、某メーカーのターゲットは割と高めなので、あえて若い層にアピールしたいということで「Hapicana(ハピカナ)」編集部の若い記者たちが体験談をまとめて公開しています。記事広告的なことも含め、こういったことを複合的に組み合わせて収益を上げていきたいと思っています。

>ポイントを使ったビジネスモデルは面白そうですね。このポイントは「Hapicana(ハピカナ)」独自のポイントですか?

(田中)いづれはエクスチェンジ(交換)も考えています。楽天ポイントとの交換など一般のエクスチェンジサイトと連携して行きたいと考えています。

>1000円でポイント買うみたいなことも考えてらっしゃる?

(田中)それもいづれやりたいと思っています。ゲームとかでもそうですが、普通は何か敵をやっつけてポイントを稼いで武器を買ったりしてレベルアップさせるわけですが、どうしてもその時間が我慢できなくて急ぎたい人はお金出してポイント買ってレベルアップさせる、そういうゲーミフィケーションのしくみは取り入れたいと考えています。

メインは口コミを投稿したり、ほかのユーザーの口コミにいいねをしたり、ハッピーをかなえるコスメサイト(ハピカナ)づくりにつながるアクションを起こしてくれた方にポイントを付与して、そのポイントで試供品をゲットできるようなサービスで、試供品を提供くださる方にポイントを広告として買っていただくようなビジネスモデルにできればと思っています。

■使ってる商品から人を浮き彫りにする・・・

>最後に、富士通さんと連動しての人工知能を使ったレコメンドエンジン的なところをお聞きしたいんですが・・・。

(平山)私達の部署は富士通の中でもユニークなチームで、名刺の通り「イノベーション」を生業としているんですが、coosyさんとは3年くらい前から何かできないかと準備を進めてきました。一緒にコラボして新しいサービスを始めたいと検討した結果、ディープラーニング(人工知能)に行き着いたわけです。

ユーザーさんの顔を構成する各パーツも特徴を検出、学習することで新たなレコメンドサービスを開発いたしました。

>最近ちまたでは、人工知能を使ったレコメンド機能がいろいろ出てきていると思うんですが、現在準備中のこの機能はどんな特徴があるんでしょうか。

(平山)本プロジェクトでは、約5万点の顔画像データに対して富士通のキュレーター(データサイエンティスト)がディープラーニングを用いた学習を約80万回おこない、顔の輪郭や目、鼻、唇など顔を構成する各パーツのかたちの特徴を元に、女性の顔を8種類の顔型に分類。これを活用することで、それぞれの人に合ったレコメンデーションを実現させています。

>ディープラーニングを活用し、ユーザーの顔の画像認識からそれぞれに相応しいコスメや化粧品をレコメンドするということなんですね。それは面白い考えですね。これまでの「こういう商品を買ってる人はこれも買っている」みたいなレコメンドとは結果がだいぶ違って来そうですね。

(平山)お客様の顔や肌に本当に合った商品がレコメンドされますので、かなり違う結果が出ることもありますね。

>いままで思いもしなかったような化粧品になることもあるってことなので、それを自分が納得できるかどうかですね。

(平山)毎回毎回突拍子もない結果が出てしまうと困りますので、そういったチューニングは必須ですが、あたらしい発見=セレンディピティを提供できることがほかには出来ないことなので良いのかと思っています。

また応用として、顔型と各パーツの配置などを元に、参考になる有名人の方を推定し、その方がされているプロのメイクを元に化粧品をレコメンドするような仕組みも検討しています。

>そのほか何かこのディープラーニングシステムに関してお伝えしておくことはありますか?

(直江)先ほどユーザーに合ったものをレコメンドしていくという話があったかと思いますが、これも富士通さんが開発した「消費者嗜好分析ソリューション」というしくみを使わせていただいております。ユーザーの顔などの特性や登録情報から「悩んでること」と「商品効果」をひも付けていって、そこにアクセスログや外部データも採り入れてユーザーにとって必要と思われる情報を表示していくシステムになっています。

現在のトライアルの段階では、約40万商品にそれそれの商品効果をタグ付けをしまして、お目当ての商品をレコメンドさせています。

(平山)「消費者嗜好分析ソリューション」とは、商品の閲覧・購入履歴から、ある人の嗜好を分析するソリューションです。さらには、その人が新たに買ったものにフォーカスして、既存の商品に新たな嗜好を付加することができます。本プロジェクトではトライアルとして、消費者嗜好分析ソリューションを活用し、ユーザーの登録情報(年齢・肌質・悩みなど)ごとに商品や関連記事などをレコメンドします。

これまでの分析とは違って、商品の特徴から人を浮き彫りにするんです。これが「消費者嗜好分析ソリューション」です。富士通では、「ヒューマンセントリックイノベーション」というコンセプトで、こうした新しい取り組みを進めています。

>最後に今後の目標やゴールなどをお聞かせ願えますか?

(田中)現在ベータ版でテストを繰り返していて、みなさんにも使っていただきながら、2016年中には人工知能を活用し、ポイントサービスも取り入れた形でのリリースができるかと思っております。今までにないコスメや美容に関するレコメンドサービスをユーザーに提供できるようにすることが当面の目標です。

>大変楽しみなサービスに仕上がりそうですね、期待しています。今日はありがとうございました。


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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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