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2016年のトレンドキーワード「オタクはパッション」「サブカルはファッション」:第38回トンコネ・ジャム

2016/01/11 12:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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■2016年のトレンドを探る・・・

明けましておめでとうございます。今年もこのコラムで放送と通信の狭間に蠢くさまざまな怪物をご紹介してまいりたいと思います。

今年はブラジル・リオのオリンピックイヤー、そして6年に一度の参議院議員選挙は選挙権が18歳以上に引き下げられた初の選挙、また宇宙では今年も大西卓哉宇宙飛行士が6月から半年に渡り国際宇宙ステーションに滞在予定。

そんな中、ラスベガスで6日ー9日に行われたCES(家電・技術見本市)では、ドローンやロボット、そしてウエアラブル、自動運転(人工知能)などの最新技術が次々と発表され、昨年以上に何かが起きそうな予感。

まずは、今年一発目の「トンコネ・ジャム」をご紹介したいと思います。IT使いのスペシャリストでラジオパーソナリティの吉田尚記さんと、吉田さんも共同参画する株式会社トーンコネクト社長CEOの加畑健志さんをメンバーに、最近気になるネットとラジオの近未来をトークセッションする月例会「トーンコネクト・トークジャム」。

スーパー大学生のTehuさん、そしてTehuさんの後輩で同じくスーパー大学生の矢倉大夢さん、さらに「吉田ルーム」の大番頭さん・益子和隆さんのフルメンバーで、吉田さんの担当するニッポン放送の深夜の人気ラジオ「ミュ~コミ+プラス」(毎週月~木 24:00~25:00 )をネタに、2016年のトレンドを探ってみました。

■世の中でなにが面白いのかを叩きだすビジョン・・・

>ミュージックとコミックの合体ということで始まった番組「ミュ~コミ+プラス」ですが、2006年スタートとうことでかれこれ10年。ある意味、見事にこの10年間の「音楽」と「コミック」の台頭を予言できたと思うんですが、これからの10年、何が変わっていくのか、何を先取りしていくのかについて、番組に更なる力を吹きこもうということで、みなさんのご意見を賜りたいと思うんですが・・・。

(吉田)とりあえず、今の世の中で面白いものは何かってことなんですが、今だったらまさに「ものづくり」だと思うんです。

昔、音楽がトレンドだった時代が長く続き、お笑いが面白かった時代もありました。そのころ僕は毎日お笑いを見に行っていました。

その後、音楽にせよお笑いにせよ、トレンドを作り上げてしまった段階で、その人たちがいる場所は、たちどころに面白くなくなっていくんです。

そのあとにアイドルも来ましたが、これも今では、こうすればアイドルで一世を風靡できるとわかってしまったので、面白みは半減している・・・。

そもそも、ももクロも、自分たちがアイドルになろうと思って始めたんじゃないと思うんです。

(益子)スタートアップで、所属している女子たちの仕事の場を作るために、事務所が企画してグループを作ったと聞いてます。

(吉田)たぶん今はアイドル好きも止むに止まれず作りたいものがあるから作ってるんですが、「アイドルフィギュア作るのがカッコいい」というトレンドも、5年後にはこの流れが終わると見えている。

>先日雑誌「ケトル」の取材(Vol.28 2015年12月発売号)で、ラジオについていろいろ話した時、改めて感じたんです。昔のオールナイトニッポンは、中島みゆきがいてタモリがいてビートたけしがしゃべっていた。それはその時代の寵児たちだった。これが今ならまさに、元吉本の佐藤詳悟さん率いる「QREATOR(クリエーター)Agent」でプロデュースされているような「ぶっとんだ人」たちだと思うんです。(女子高生起業家の椎木里佳さん、予防医学研究者の石川善樹さん、編集者の佐渡島庸平さんなどなど、ちなみに吉田尚記さんもそうですね)

>こういった方々が少なくとも今のオールナイトニッポンのラインナップに並んるのは必然、聞いている人たちも、今の時代がわかるし、彼らが世の中を動かしているんだから、その生の声が聴ける・・・。かつて70年代、80年代は、中島みゆきやタモリさんらがそういう立場だった。リスナー世の中を動かしている人の話が聞きたいと思うんです。吉田さんの目線もまさにそういうところに行っているのでは・・・。

(吉田)まず、今、世の中でなにが面白いのかを叩きだすなりビジョンを示せる人が必要なんですが、実際は、3日後のタレントの収録スケジュールに追われ、これをラジオのルールから逸脱せず、真っ当にこなす状況。2ヶ月後のでっかい仕事に向けて準備する余裕が足りない・・・。

>真っ当にこなすなど、昔のラジオの現場からすると一方では夢のような話ですけどね笑。とんでもない先輩がいっぱいいてラジオのルールもへったくれもなかった・・・。

(加畑)今を乗り切ることが一番大事なんです。

>ある意味、それも大事なことなんだけど、とにかく聴取率もアップして、スポンサーも喜んでくださり、スタッフもみんな楽しめるようにするにはどうすればいいんでしょう。

>今の「ミュ~コミ」の放送時間だと深夜過ぎて実際はできないかもしれませんが、どこかに電話する番組とかいいですね。今日話題だったこと、例えば「iPhone6の小さい版が出るって聞いたんですが」とAppleに直接電話してみるとか。そんな感じで吉田さんの聞きたいことをどんどん電話して調べちゃう番組、吉田さんの好奇心の目で行動するさまをリアルタイムにリスナーと共有しちゃう・・・。

(吉田)いいですね、問い合わせる番組。やるなら合議制ではだめ、選択肢を増やす、外れてもいい、そういう考えで毎回の問い合わせテーマを決めたいです。

(加畑)毎週木曜はよっぴーに誰かから問い合わせがくるとかもいいかも? 生放送で吉田さんが取材を受けちゃうのってステキじゃないですか?

(益子)どこに問い合わせるかで面白さも変わってくるかもしれないですね。例えばメーカーに問い合わせても、通り一片の答えしか返ってこないからつまらないかもしれない。マジョリティじゃない目線で答えてくれるのがいい。今週blogが炎上した人に問い合わせるってのもいい!?

(Tehu)サノケン(アートディレクターの佐野研二郎氏)に問い合わせちゃいましょう笑。

■「オタクはパッション」「サブカルはファッション」

>いままさにオールナイトニッポンのスペシャルパーソナリティはサノケンで決まり!。

(Tehu)草彅洋平(株式会社東京ピストル代表取締役)さんというクリエイティブディレクターがいて、彼の会社の忘年会は都内のクラブを貸しきって行われるんですが、スペシャルゲストDJがその年のウエブでえげつなく炎上して話題になった人なんです笑。2014年の忘年会には作曲家の新垣隆さんがゲストDJでした。2013年はビッグダディこと林下清志さんだった・・・。

(吉田)そういうことをどんどん出来るようにするためにルールを決めることから始めたいです。まず合議制では決めない。誰かが本気でやりたいと言うものをやる。みんながまあいいんじゃないですかというものはやらない。それはできないという反対意見は言わない。たとえそういうルールにしても、流石に常識的にやれないことをやってしまうことにはならないんですよ、局アナがやってるんですから。

>そのルールって、ラジオの番組に限らず、どんな企業や業態の企画を決めるときにも言えることですよね。ただ思いつかなければ始まらないのでその担保は必要。何もないときはどこから取ってくるか、例えば何もなければヤフーニュースからツイートの多いものをピックアップするとか・・。

(吉田)それが場当たり的だと思うんです。積み上がっていかない。何か積み上げていくことがしたいんです。

>取り上げる題材は何でも良くて、巻き込まれたコメンテーターやゲストがどんどん積み上がるのでは?

(矢倉)クリエイターがコメントするようなラジオって他局にもあるような気がするんですが、そことの差別感、ニッポン放送らしさは何でしょう。

(吉田)そこについては結論が出ていて「オタクはパッション」「サブカルはファッション」なんです。ニッポン放送は「パッション」、言わんとする他局は「ファッション」なんです。

同じような例を紹介すると、ある会社がサブカルをファッション的に取り扱うことと、ほぼ日刊イトイ新聞が取り扱うことの違い、それは「手帳がある」かないか・・・。

「ほぼ日」は手帳を作ることにむけて一直線の瞬間がある。積み上がる。手帳じゃなくても良いんですが、パッションが必須、手を汚すくらいのパッションが欲しいんです。

>単にオタクやクリエーターを取り上げるだけだとファッションになって、そこにはパッションが足りないということ・・・。

(吉田)例えばチームラボの猪子さんをゲストに呼んだとき、本人のやってることを紹介するだけならファッションになってしまう。小林克也がかけるオールディーズにはパッションがあると思うんです。単なるタレントがオールディーズを紹介してもパッションは感じられない。

だったらもっとソーシャル感を押し出していけばパッションになっていく。みんなのパッションでこうなっていますと言えばサブカルもパッションになっていく。

ある意味「ラジオのランキング番組」はソーシャルミュージックに通じてると思うからパッションになり得る・・・。

>僕も以前から思ってましたが「電リク」はまさにラジオの原型。パッションそのもの・・・。

(矢倉)ツイッターのアンケートで番組企画を決めるくらいでもいいかもしれないですね。

(吉田)例えばラジオ番組で映画を作ろうと考えたとき、その作る過程をラジオで見せていくみたいなのもいいですね。企画会議そのものを生放送でやるのが一番面白いかも。

>なるほど、製作者がリスクを持って手を汚す覚悟がなければ面白くならないっていうことですね。あとはそれをどうカタチにしていくか・・・。

(吉田)弁当をどう箱詰めするかですね。

>とりあえずTehuさんと矢倉さんにいてもらって、問い合わせがつながらなかったら、Tehuさんの友達に電話してみるとか・・。

(Tehu)その時間はスタジオで自分の仕事してて、必要なとき呼ばれるみたいな笑。

(益子)僕は活字出身なので常々思うんですが、連載ものを思いつきでやれるのは、ラジオならではだと思うんです。ダメだったら変えちゃえばいいって発想は雑誌では出来ない。テレビでも絶対できない、大所帯だから。

ウェブも活字の一種なので、残っちゃうので意外と出来ないし、変わっていくのが当たり前でもあるから変わっていく面白さもない。ラジオのほうがよっぽど自由度が高い。だからパッションだけでやっていけばいい・・・。

■今年のトレンドは"改めて"「ものづくり」

>いま「何やってもいい」と言われたら何をしますか?

(益子)よっぴーさんにやってもらうなら、クイズ番組がいいですね。2ヶ月に1回「クイズ夜会」というサークルによっぴーさんと出席しているんですが、クイズ好きのクイズ王や作家さんが集まって、ひたすら大人が早押しキーを押してクイズに挑戦するだけの会。

問題も参加者が勝手に用意してくる。難しい問題を早押しすると「おー」とかなるのを楽しむ。

>吉田さんは大学時代、クイズ研究会にも属してたんですね。

(益子) イケメンAV男優の「しみけん」さんがすごいクイズ王なんです。彼にクイズを出してもらうとか、しみけんさんが答えられないような問題をリスナーに考えてもらうとか・・・。

>テレビでも「林先生が驚く初耳学」はけっこう面白い。

(益子)リスナーから例えば問題10問をリクエストしてもらい、しみけんさんにどこまで解けるかに挑戦してもらう。解ければすごいし、解けなければ、そんな問題あるんだと勉強になる。しみけんさんがマジになるのも面白い。それをクイズ研究会のよっぴーさんが進行する。

(吉田)しみけんは狂気の人だから面白いんです。狂気の人が出る番組いいですね。けっこう音楽アーティストでも狂気の人いますよ。

そうだ、ものを作るときって普通、お客様に「なにを作りましょうか」って聞くじゃないですか。ラジオってモノじゃないんですよ。だから顧客に何がほしいって聞かないんです。聞いても出てこない・・・。

フォードが車を発明するときに、顧客にどんな馬車が欲しいって聞いても、なるべくエサを食べない馬で引いてくれとかなるだけで、自動車が欲しいとは絶対出てこない。

ラジオも同じで、まだ聞いたことないものをリスナーに聞いてもわかるはずはないんです。

(益子)マーケティングは広告に使うものであって、アイデアを作るものには使えないって話ですね。需要はなにか聞き出せると思ってる人がいるのはエンタメ業界の勘違い。需要は自分たちで作る・・・。

>これも実はエンタメに限らずどの業態でも言えることなんじゃないでしょうか。ちょうど最初に吉田さんが言われたことに戻りましたが、今年のラジオは「ものづくり」から始めるということですね。どうもありがとうございました。

みなさん今年もよろしくおねがいします。


(参考リンク)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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