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プリペイド携帯とWi-Fi普及考・・・

2015/12/21 10:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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この12月からソフトバンクが旧型「iPhone 5」をプリペイド携帯(プリペイドプラン「シンプルスタイル」)として発売。本体価格は税別2万9800円、1万円の無料チャージ付き。

発表資料によれば、事前にチャージした残高の範囲内で通話やデータ通信が行え、基本使用料は無料、音声通話が利用できるほか、パケット定額として「2日プラン」「7日プラン」「30日プラン」が用意され、それぞれ 200MB、700MB、3GBを超過した場合、プラン終了日まで通信速度の制限があるとのこと。

プリペイド携帯について、日本ではまだピンと来ないかもしれない。あくまで外国からの旅行者が日本で使うものとしか思っていない方も多いのではないだろうか。

ところが欧米ではすでに、国内でもプリペイド携帯利用が増えつつあるのだ。その理由が今回のテーマである「Wi-Fiの普及」である。

欧米や東アジア各国では「Wi-Fiの普及」が急激に広まっている。そのため日常的にスマートフォンなどでデータ通信をするのはほとんど無料、または安い定額使用料で安全なWi-Fi環境を利用できるようになってきている。つまり、これまでのように月額数万円とか数千円を支払ってスマホ端末を持つ必要がなくなってきているのである。

普段はWi-Fi対応の携帯端末で十分、一部どうしてもWi-Fiが使えないところや電話で話をする必要がある時だけプリペイド携帯で使った分だけ支払えば済む。超合理的。日本も確実にこの方向に向かうことは必至なのだ。

しかしながら先進国だというのに、そういう気分になれない環境がある。それは一体なぜなのか。ラジオで紹介させていただいたときも反響があったので、2015年のしめくくりはそれを考えてみたいと思う。

■日本のWi-Fiスポット

改めて「Wi-Fi(ワイファイ)」について調べてみると興味深いことが書かれている。「パソコンなどの機器を電波でインターネットなどにつなぐ、いわゆる『無線LAN(ローカルエリアネットワーク)』技術のブランド名」とある。ブランド名だとは初めて知った。

さらに「Wi-Fi」という言葉も、高音質の意味で使われる「Hi-Fi(High Fidelity)」をもじって付けられたそうだ。もとから「Wireless Fidelity(高性能無線)」みたいな意味なのかと思っていたが、あとづけだったのだ。

「Wi-Fi(ワイファイ)」通信の特徴は、「アクセスポイント」という電波の中継地点を介して通信するのが特徴。例えば、家の中で「Wi-Fi(ワイファイ)」を使うときは、「Wi-Fi(ワイファイ)ルーター」と呼ばれる機械が、その「アクセスポイント」になるし、外出先などの外では、いわゆる「公衆無線LAN」と呼ばれるサービスの中継ポイントが「アクセスポイント」となる。

まず、我々が家の外で携帯電話やスマートフォンでインターネットにつなげるときは、自動的に契約している携帯電話会社のアクセスポイントでインターネットがつながるようになっている。これが毎月大枚払っているデータ通信料で賄われている。

でも、パソコンや携帯電話会社と契約していないタブレットなどの場合、外出先でインターネットにつなげたいときはどうなるか。

最近では、スマートフォンを契約していれば、サービスとして、携帯電話会社つまりいわゆるキャリアと呼ばれる、ドコモやau、ソフトバンクなどのアクセスポイントが使えるようになっている。たぶnこれが一番良く使われている「公衆無線LAN」のアクセスポイントだと思う。

日本では2014年の時点で、すでに携帯3社のスポットだけで、全国で85万スポット(NTTドコモ:15万、KDDI(au):24万、ソフトバンク:46万)あるそうだ。

ただこのサービスは、キャリア側としては、膨れ上がるデータ通信量をなるべくWi-Fiスポットの利用で分散させたい狙いによるもので、利用者は知らぬ間に利用料はそれ相応に取られているわけだ。

有料の公衆無線LANサービスポイントでは、Wi2(ワイツー)300(税込み月額390円)とか、ワイヤレスゲートWi-Fi(税込み月額390円)などが有名だが、この両方で全国約30万スポット以上(2013年度時点で)とのこと。つまりキャリアのスポットと有料スポットだけでもすでに全国100万スポット以上がある計算になる。

これに無料の公衆無線LANサービス、一番人気のスターバックスWi-Fi、そして各コンビニが運営しているセブンスポット、LAWSON Wi-Fi、ファミマWi-Fiなどや、JR各駅などで利用できる「Japan Connected-free Wi-Fi」、さらには、羽田空港周辺のHANEDA-FREE-WiFiなども合わせれば、少なくとも観光地や繁華街でのWi-Fi普及はかなりのもの。

ちなみに調べてみると、ブラジルでは2014年のFIFAワールドカップのためにWi-Fiスポット50万ヶ所を増設したというニュースを発見、それに比べて日本はいろいろ言われている割には、十分に世界に対抗できるWi-Fi大国になってきていることは間違いない。

最近ではスマートフォンでの月間利用データ容量が制限されてきたため、ITリテラシーの高い人は、スマートフォンでもキャリアの回線ではなくて、公共無線LANを利用する機会も増えてはいる。

にもかかわらず、最初に述べたように、まだまだ国民の思考は、キャリアに多額の利用料を払うことがあたりまえの状況のままなのである。

■海外のWi-Fi事情

視点を海外でのWi-Fi事情に向けてみた。

東京六大陸社の「世界各国Wi-Fi事情」によれば、アメリカはスターバックスやマクドナルド、各観光ホテルなどで無料のWi-Fiスポットが充実しているので、観光で訪れる際には、ほとんど困ることはないくらいになっているそうだ。

おとなり韓国は、スマートソウル2015と呼ばれるインターネット戦略を掲げ、2015年度中にソウル市内の公共庁舎や住民センターなどの公共施設すべてをフリースポット化するとあるので、今現在、もうそうなっているのだろう。

台湾も、観光地であれば、インフォメーションセンターで手続きして「TPE-free」という無料Wi-Fiが充実しているとある。あとスターバックスや台湾の人気カフェ「ミスターブラウンコーヒー」でも無料Wi-Fiを提供中。

中国は、人口13億5千万人のうち約半数の6億人がインターネットを利用していると言われているが、上海の観光地やカフェなどで無料Wi-Fiスポットが普及を始め、北京では北京オリンピックを境にホテルやカフェにwifiスポットが増えて来ているものの、満足できる普及はこれからという感じ。

また独自調査によれば(私が2年前に実際に体験した)、ベトナムは、ホーチミンもハノイも市内観光エリアにおいては、ほとんどの場所で無料Wi-Fiスポットがあり、タブレットなど持って行っても、自動的にWi-Fiにつながる。露天商のおばさんが店先でiPadでチェスやパズドラをやってるのがなんとも近未来的に見えた。

■セキュリティ

アジア各国ではWi-Fiの普及は劇的に向上しているのだが、その一方注目すべきポイントがある。それがセキュリティだ。

アジアのほとんどは、本人認証無しで接続できる無料の公共無線LANが急速に普及している。利用者にとってはとても便利な反面、当然ながら犯罪に使われる可能性も大きい状態だということを知っておかなければならない。

公衆無線LANサービスは、不特定多数の人が利用しているため、セキュリティ対策をしていないと、入力したIDやパスワードが盗まれたり、パソコンにウイルスを送り込まれたりする危険を伴っているからだ。そのために、接続する際に、そのサービスが「暗号化」された通信をしているのかどうかの確認が必須だ。

パソコンやタブレット、スマートフォンのWi-Fiスイッチをオンにすると、付近で飛んでいるWi-Fiサービスの名前がずらずらっとリストで並ぶ。その中でカギのマークが付いているものは「暗号化」通信をしているものである。これらは安全に通信ができるが、事前に接続するためのパスワードを知っておく必要がある。

逆に鍵マークがついてなかったり、「!(ビックリマーク)」(パソコンの場合)がついているものは、暗号化がされていない。その代わり、パスワードなどを入力しなくても使えるので便利である。

日本国内で言えば、コンビニのWi-Fiサービスなどは暗号化されていない、パスワードが必要ないサービスが多い。こうしたサービスを利用するときは、情報が見られるリスクを理解したうえで利用すれば良い。たとえばニュースサイトや動画を見たり、調べ物をする程度であれば、個人情報などを盗まれる心配はないので大いに利用すべきである。

また、SNSやネットバンキングを利用するときは、SSLを利用した「https通信」になっているかを確認することをオススメする。これはスマートフォンで専用アプリを利用していれば問題がないが、パソコンでブラウザで見る場合は、URLを見て、最初の文字がhttpsとsがついている通信かどうかを確認すればいい。

こうしたセキュリティに関するリテラシーを高めることが今後のWi-Fi普及につながっていく。

■東京五輪に向けて

現在は、スマートフォンやパソコンでのWi-Fi(公衆無線LAN)の利用は、補助的に使っているのが現状。しかし最初にも述べたように、すでに欧米やアジア各国では、キャリアとの契約は「プリペイド式」に切替え、通常の利用時のほとんどは無料Wi-Fiで十分の環境になっている。

先日、安倍総理が携帯電話の利用料が高いので見直すようにと会議も開かれた。日本は他のアジアの国に比べるとお金持ちの国であるがゆえに、お金を払って、確実に安全な通信環境を確保するという方向で進んできたのかもしれない。

アジア各国では、携帯電話会社などと契約できない移民などが多いことも環境の変化を後押しして、無料のWi-Fiのほうが有料のスマートフォンより普及していったようだ。

最近では日本も、多くの中国人やアジア人観光客が増え、消費活動を増加させていることを考えると、無料の公衆無線LAN(Wi-Fi)をもっと利用しやすくすることで、海外からの観光客のインターネット利用も向上させる上に、国内利用者のキャリアの占有率も下がり、利用者の分散化もできて、繋がりにくくなるようなことも緩和され、一石二鳥!!

2020年の東京オリンピックに向けて、政府がWi-Fi環境をさらに普及させていくと方針を掲げていることもさらなる普及が加速される。

なので日本は、これまでの安全な環境を保持しつつ、もっと効率的なインターネットの利用環境を整えていくのだと思う。そのためには、しっかりしたセキュリティを保持したうえで、利便性を良くした「フリーWi-Fi」の開発が急務だ。

ちょうどそんな矢先に、トレンドマイクロは11月17日、公衆無線LANの利用時に、通信の傍受やデータの情報漏洩を防ぐ公衆無線LAN向けセキュリティサービス「あんしんフリーWi-Fi」を発表。今回、トレンドマイクロでは、通信を暗号化できるAndroid/iOS向けのアプリ「EhimeあんしんWi-Fiアプリを提供し、通信が自動的にVPN(Virtual Private Network)で暗号化され、傍受や情報漏えいを防ぐ。

さらに伊藤忠テクノソリューションズが運営する「ワイヤ・アンド・ワイヤレス」でも、訪日外国人向け無料Wi-Fiサービス「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」のユーザー認証基盤を強化して、日本全国最大20万ヵ所以上のWi-Fiスポットを無償で提供を始めると発表している。

ますます利用が高まる今後のWi-Fiサービスに目が離せない。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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