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ゆるいつながり第二章:「コミュニケーションはゲーム」なのか(後編)・・・第29回トンコネ・ジャム

2015/02/13 16:00
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土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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■現代社会におけるコミュニケーションの交わし方・・・

IT使いのスペシャリストでラジオパーソナリティの吉田尚記氏、音のQRコード「トーンコネクト(Toneconnect)」を生み出した株式会社トーンコネクト社長CEOの加畑健志氏、そしてスーパー大学生のTehuさんをメンバーに、最近気になるネットとラジオの近未来をトークセッションする月例会「トーンコネクト・トークジャム(略してトンコネ・ジャム)」。

今回もTehuさんの後輩でもあり「情報セキュリティスペシャリスト試験」に史上最年少で合格したことでも話題笑の、矢倉大夢(やくらひろむ)さんもゲストに迎えて、前回に引き続き、書店でも話題沸騰の吉田さんの最新本『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版刊)をベースに「コミュニケーションはゲーム」かについて議論を交わした後編をお送りします。

現代社会におけるコミュニケーション論について、あるひとつの結論が見えてきました・・・。

■会話をはずませるには「愚者」になれ・・・

>前半ではコミュニケーションは「気まずさ」をどう緩和させるかのゲーム、いかにお互いの協力で気分良く会話できるかにチャレンジ。そして切り出すための神の一手がタモリさんの「髪切った?」、すなわち「ゆるいコミュニケーション」こそが一番大切なんだというところまで来ました。

(加畑)ひとつ質問、サッカーの試合で楽しい試合とつまらない試合の違いは何だと思いますか。

(吉田)攻めてるか攻めいないか・・・ですかね・・。

(加畑)(コミュニケーションを)サッカーに例えると言ってましたが、それは味方のチーム、敵のチーム両方合わせたところでの話ですよね。観客は入ってませんよね。とすると、自分はサッカーと思ってゲームしているつもりが、相手は例えばフットボールという違うルールで来るということはあり得るのか・・・。

(吉田)相手とコミュニケーションがゲームであることを分かち合った上で会話することもたくさんあります。特に相手もしゃべり手(アナウンサー)だったり。しゃべりて同士の会話はすごく楽なんですよね。お互いゲームだとわかっているからいくらでも話が続けられる。それに対して相手がゲームだとわかっていない場合ってことですよね。

このゲームは「気まずさ」が敵のゲームなわけです。だからといってお互い協力しあって気まずくならないようにしようと相手に確認するとかえって「気まずさ」を生むのでまずそれはご法度。

全員が味方のプレーヤーなんだと思って、自分から積極的に協力プレーを意識すればいいと思っています。

>つまり相手が違うルールかもしれないなどとそもそも考えない、相手も協力してくれていると勝手に思うことが大事だということなんですよね。

(加畑)なぜ人間関係が難しいかというと、必ずしも相手が協力的でないから難しい・・。サッカーが好きなのは、凄いプレイはまるで(同じリズムで)ダンスをしているかのように見えるところだと思うんです。

>すなわち味方は全員同じリズム(ルール)で協力してくれているとわかっている・・。

(加畑)ところが、単にうまい人と下手な人がサッカーやれば一気につまらないプレイになってしまう。パスしてもすぐに返されてしまうとか、コミュニケーションしても意味ない状態。

(吉田)後半に書いたんですが、この会話ゲームでそもそも一番最強のプレイは誰かと言うと、それは子供なんです。子供とのコミュニケーションに気まずさはない。何故かと言うと、子供は「愚者」だから。

コミュニケーションの一つひとつはトラップ・パス・ドリブルのように分かれていると言いましたが、そのほかに「プレイスタイルの選択」(パスを届きやすくするスタイル)というのがあって、その基本が「愚者(スタイル)」選択なんです。

>つまり自分の欠点に突っ込まれてもOKにするってことですね・・・。

(加畑)でもそれだと突っ込まれないと成立しないことになるのでは・・・。

(吉田)突っ込まれなくてもいいんです。例えば浜田雅功がいたとします。人に突っ込む分、誰かに「あんただって不倫で捕まったじゃない」と言ってもOKの状況ですよね。その状況が重要なんです。突っ込まないにしても、その状況があればコミュニケーションは続けられる・・・。

(加畑)「突っ込まれ状態にありますよ」ということをどうやってアナウンスすればいいのか・・・。

(吉田)アナウンスをわざわざする必要はない、自分で飲み込んでいるだけでいいんです。

(加畑)口火を切るときに、誰から話すのかと、誰もが立ち止まってしまったら何も進まないと思ったんです。さきほどの例で言えば全員が「愚者」を選択してしまったとき前に進まないのではないかと思うわけです。

(吉田)一番初めはパスではないんです。例えばロッカールームから始まるとか考えたほうが良いかもしれない・・・。


左からTehuさん、吉田さん、矢倉さん、加畑さん

■「コミュ障解消ボット」吉田くん・・・

>吉田さんが言いたいことは、最初のパスはあくまで自分が出すということですよね。どっからゲームが始まったかと言うなら自分から口火を切ったところからという前提なんですよね。

(吉田)そうです。そこで「髪切った?」なんです。コミュニケーションの始まりは、あなたから「髪切った?」って口火を切っても大丈夫ですよ、ということが書かれているのがまさにこの本なんです。

世の中にそんなに厳しい人はいないということです。つまんないと言われることがものすごく怖いという恐怖心は誰でもあるんですが、目の前でつまんないこと(髪切った?)を言うことにストレスを感じる人はいないんです。

(加畑)僕みたいに関西人だと世の中の会話は「受けてなんぼ」みたいなところがDNAレベルで受け継がれているので、つまんないことは言えないと思っちゃうわけです。

(吉田)だからこそタモリさんのさりげない「髪切った?」がいかに素晴らしいかなんですよ。

>「髪切った・・・?」を全面的にアピールすべきですね。

(吉田)ほかの「髪切った?」が神の一手である解説は本を読んでいただくとして、こういうことをたくさん積み重ねていくと、その相手とは沈黙があっても平気になってくる。沈黙が気にならない関係こそが「真の友達」なんだということなんです。

>「気まずさ」や「沈黙」を克服することがコミュニケーションの技術力というわけですね。

(加畑)関西人はお互い会話をかぶせるツッコミにケーション。これに慣れていると、かぶせてくれないとおどおどするんですよね・・・。孤独感を感じるというか・・・。今回のコミュニケーションの技術で「地域別」「地方別」技術に関心がありますね・・・。

(吉田)それはありますね。僕も考えたことなかったです。

(加畑)東北人とか関西人とか九州人とかみんなコミュニケーションの気質が違う。最初の口火の切り方とかみんな違うんじゃないかな・・・。

>それは面白いですね。

(吉田)さっきの「愚者」選択というのは自分のキャラクターをさらけ出す「キャラクター」選択の話なんですが、キャラクターはボール(会話)をもらいやすくするためのポジショニングにあたるわけです。

自分が愚者でハゲの話になったところでみんながこっちを見てくれれば美味しいわけです、会話のゲームの中では。こんな話はもしかすると関西の方には今更なのかもしれませんが・・・。

>なるほど、みなさんそこを間違えているからうまくコミュニケーションが取れないということ。話が最初に戻っちゃうかもしれませんが、お互いの意思をちゃんと伝えること(強いつながり)が大事だと思ってるとかえって「気まずく」なって全く伝わらない。

ところが、髪切った?(弱いつながり)で相手の意思を自然に引き出せれば、気持よく会話が続いて意思も確認できる。ゆるさが大切。ゆるさは「愚者」を自認すればおのずと付いてくるってわけですね・・・。

(加畑)Tehuくんや矢倉くん、この話を聞いて、これコードで書けると思いませんか。楽しい人工無能、ゆるい会話ができる人工知能が作れる気がしてきた・・・。

(Tehu)出来ますね・・・。

(加畑)さっきトレーニングが必要だって言ってたじゃないですか。1人じゃできない。だったら相手をプログラムしてやればトレーニングに使えるって思いませんか。

(吉田)あーそれいいですね。「コミュ障解消ボット」吉田くんみたいな・・・。この本の基礎理論をコード化しましょう。すべてコミュニケーションの定石パターンなので、まさにコミュ障対応会話ボナンザ(コンピュータ将棋の名称)が作れますね。

ある意味僕はゲームの攻略本を先に書いちゃったんだ。あとからゲーム出すみたいなことですよね。その発想素晴らしいですね。

(加畑)ボナンザをみんなに使ってもらって得たデータを元に、さらに強力なコミュ障解消ボナンザが出来上がる・・・。

(吉田)人工知能ってどんな会話が出来るかが問題だったわけですが、僕のコミュニケーション理論は何を話すかなんてどうでもいいってことだから、これに基づいて会話AIを作ることはとても重要かもしれない。
(矢倉)ここまで学べばあとは自分でやれるってなりますね。

■攻略本の次はゲーム本体・・・

>作りましょうよ、「コミュ障解消ボット」吉田くん!

(吉田)それで思いつくのは、今や恋愛シミュレーションゲームのおかげで、女子を口説けるようになったやつとか絶対いますよね。この選択肢はあのゲームで経験したとか笑・・・。

(加畑)さらにはこれをウエアラブル(グラスタイプ)で会話パターンをボンボン送信して、その結果気持ちよくなった、リラックスしたかを心拍数とかで測れば、完璧にゲーム化できますね。

(吉田)全然できるじゃないですか。これってもしかするとビッグビジネスかもしれな笑。

>会員ビジネスにもなりますね。オンラインゲームにしてもいい。コミュ障のためのスクールにして、スクールの相手をボナンザで対応させることもできる・・・。

(吉田)このスクールに3ヶ月通ったら、完璧にコミュニティ障害を克服出来ましたとかなったひにゃ・・・。

>そもそも話し方教室って今でもかなりなビッグビジネスからね・・・。さらに言っちゃえば、ペッパーくんにそのコミュ障ボナンザプログラムを搭載させちゃうってのもある。そうすれば日本中のコミュ障に悩む方々のデータ分析もたちどころにできるようになる・・・。

(吉田)「コミュニケーションはゲームだ」と言い切ったにもかかわらず、それをコード化してプログラムにできるとまでは全く思いつきませんでした。ぜひみなさんの力を借りて形にできればと思います。

>改めて吉田さんの薦めるコミュニケーションの技術論の奥深さに感動しました。書籍も順調に読まれているようなので、さらなる展開を期待したいと思います。

ありがとうございました。


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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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