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2014年は強いつながりの折り返し地点、ごった煮を求めて町に出よう・・・第27回トンコネ・ジャム

2014/12/26 10:00
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プロフィール

土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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■IT業界は花盛りの中、エンタメ業界は・・・

発売されたばかりの日本版「Forbes」の特集記事「日本を救う起業家BEST10」。1位にメルカリの山田進太郎氏、次いで2位にはgumiの國光宏尚氏が抜擢されている。山田氏も國光氏も今年ご結婚もされ、まさに順風満帆の時を刻まれているとともに、これにウルトラテクノロジスト集団チームラボの猪子寿之氏を加えた起業家御三家は、私の中ではまさに今年の顔、未来の日本を救ってくれると信じたい・・・。

そんなハッピーな話題が舞い込む年の瀬に、振り返れば今年もいろいろありました。ビットコインを取り扱うマウントゴックス(Mt. Gox)の倒産から始まり、STAP細胞があるない論争は年間に渡り、そんな中ネット対応家電やウエアラブルが次々と生まれ、IoT化がが我が家にも迫る勢いとなり、一方格安スマホも勢揃い。さらにはロボットに宇宙に新たな目が向けられていく2014年。

IT業界ではこんなに様々なことが起きている反面、放送界・芸能界を中心としたエンタメ文化は、未だAKBとジャニーズとEXILEばかりが目立ち、新たな文化の潮流が全く見えてこない。60年代、70年代などを経験し、あの突拍子もない、すべてが新鮮に見えていた我々にとって、現代はこの上ない窮屈な時代に映るわけです。

IT使いのスペシャリストでラジオパーソナリティの吉田尚記氏、音のQRコード「トーンコネクト(Toneconnect)」を生み出した株式会社トーンコネクト社長CEOの加畑健志氏、そしてスーパー大学生のTehuさんをメンバーに、最近気になるネットとラジオの近未来をトークセッションする月例会トーンコネクト・トークジャム(略してトンコネ・ジャム)。

この窮屈な原因については、今年のトンコネジャムでも何度となく議論して来たことではありますが、今回は改めて、彼らの非凡な目線で、いま日本のエンタメ業界に何が起きているのか、それはIT業界とどうつながっているのかを議論しながら、1年を締めくくりたいと思います。

■強いつながりの折り返し地点・・・

>みなさんにとって2014年、この1年はどんな年だったでしょうか。

(吉田)まずはあっという間に過ぎたという印象ですね。

>今年の1月から3月で言えば「ビットコイン」を取り扱う「マウントゴッグスの倒産」が話題でした。

(加畑)取り扱い会社が破産したおかげで「ビットコイン」が世に知られるようになったって感じでしたね。それまでは誰も知らなかったかもしれない。突然破産して「え、そんなのあったんだ」みたいになった。

(Tehu)でもそれでビットコインだめだみたいになるかと思ったら意外といまでは盛り上がっています。

>Radikoは4月1日から有料になって全国どこの放送局も聞けるようになりました。

(Tehu)うちの自宅からだとなぜか愛知県になるため、あえて有料サービスに加入して全国聞けるようにしました笑。

(加畑)私もWi-Fiでつなぐと大阪になるため有料に加入しましたよ。ニッポン放送が聞けないと業務上困りますからね笑。

>ほかにGo-Proとかウエアラブルカメラも進化しました・・・。

(加畑)ウエアラブルデバイスの「Ring」も印象的でしたね。

>発表会はつい先日でしたよね。原宿にお店が出来た・・・。

(加畑)あれでうまく行くのかと思ってたら、フォーラムは大炎上でしたね。

(Tehu)私は購入しましたけど、炎上に加担してしまいました笑。

(加畑)あの太さを見た瞬間、六角ナットをはめている気がしましたね笑。

(Tehu)それくらいのサイズ感がありましたね。早くSDKを公開して欲しいです。

>「Pepperくん」はいかがですか?

(Tehu)良い感じに進んでいるんじゃないでしょうか。いま私の回りの研究室では持ってるところも増え、いろいろ実験の最中じゃないでしょうか。

>ニッポン放送には「Pepperくん」はまだ来てませんか?

(吉田)まだいませんね笑・・・。

そう言えば今年と言えば「弱いつながり」ということを気にしだした年じゃないかと思いました。ネットってある一部だけのつながりを強くする作用があるということにみんなが気付き始めた。

>来年は今の「強いつながり」のままじゃいけないとなっていく・・・。

(吉田)「つながりを強化する」ことに意味がなさそうだぞと気づき始めた人が少しづつ出始めた年ではないかと・・・。そこがどうなのかな・・・「弱いつながり」にシフトしていくのかな・・・というところに興味ありますね。

どちらにせよつながりの強弱は、今年が折返し地点じゃないかと思った。あとフェイスブックのおかげで今年のハロウィンは大流行を期したという話題。

今年ハロウィンで仮装して写真撮らなかった人は誰もいなかったと思うんです。仮装した人は全員写真を撮った。いままではそんなことしても何になるのと言っていた人に対する答えが、今年は「フェイスブックにアップするため」と出せた年なわけです。

即ちハロウィンがSNSによって「意味あるイベント」に進化したという年だったのではないかと思います。SNSによって意味合いが変化したことは今後ますます出てくるだろうと思いました。

逆にガジェットやデバイス系はあんまり象徴するようなものは出なかったように思います。あえてちょっと気になったものとして言えば「バルミューダ製のネット対応加湿器:Rain(レイン)」と「オイルヒーター:SmartHeater2」くらいかな・・・。

どちらもWi-Fiでスマートフォンとつながって、完全に僕の中では「IoT」の具現化製品。「IoT」は今年興味を増したものの一つかもしれない。ネット(そのものの進化)はどうでもよくて、IoT(の普及)は注目したい。

(加畑)昨年はいまいち「IoT」は言われたほど来なかった感がありました。何で来なかったのかなと振り返ってみると、海外では盛んにネット接続用モジュールが開発&発売される中、日本は1種類くらいしかなかった。特にWi-Fiへの接続モジュールではなくて3G接続用モジュールが重要だった。これが1種類しかなかったことが日本のIoT化を大きく遅らせた・・・。

>今年はそのあたりが進化した・・・

(加畑)製品としてはIoT目指してかなり出たと思うんですが、最もヒットしたモバイルデバイスは「妖怪ウォッチ」だった笑・・・。

いろいろ出た割にIoTというコンテクストで語れるヒットがほとんどなかったとも言える。このことのほうがショックかもしれない。

IoTに近いものでヒットしたものと言えば未だiRobot社の「ルンバ」から進んでいない。あれはインターネットにつながっているわけではなく、ネットオブシングスくらい。そう考えるとIoTで一番売れているのはやっぱり妖怪ウォッチか「スマホ」になっちゃう笑。

ハードが(いまいち)流行らなかった年・・。これは象徴的かもしれない。

>そう言われるとハードで一番流行ったのは「妖怪ウォッチ」になっちゃいますね。あとiPhone6はけっこう盛り上がってたんじゃないんですか? PlayStation4も世界的な大ヒットを記録、どれもイノベーションとは言えませんが・・・。

■ごった煮を求めて町に出よう・・・

>ほかに今年を象徴することって何かありますか?

(吉田)僕は今年初めて電子書籍の購入が普通の書籍購入を上回りました。なぜならもう本を置く場所がないから。かといって本を読むことはやめられない。

で、いまひとつ困っていること。電子書籍のメリットの一つがセール。セール以外ではあまり購入しない。半額セールとかしょっちゅうありますからね。手塚治虫全集がこのときだけ7万円が3万5千円になるとなればそれを待って購入しますよね。

そうすると何が起きるかというと、各電子書店に本が分散してしまう。

>Kindleにだけあるわけじゃなくて、みたいな・・・。

(吉田)Kindleだけじゃなくて「honto」「eBookJapan」「BookLive」「BOOKWALKER」などなど。いろいろクーポンとかももらうので、今度はどこで購入、などとやっていると、どこにどの本があったかわけわかんなくなっちゃうわけです。

ところが自分の本がどこにあるか横断検索してくれるサービスがない。自分のアカウントで電子書店を横断検索してくれるサービスが欲しくてしょうがない・・・。

自分でコード勉強して作る時間があったら、いま最初に作りたいと思ってるくらい。これってたぶんそれぞれの書店の広告収入などで運営できますよね。ビジネスとしてもあり得るんじゃないかと・・。

(Tehu)APIが公開されているかどうかですね・・・。

(加畑)あと、そんな使い方する人は超ニッチマーケットですから、ニーズがそこまであるのかとも思いますけどね。

そう言えば、今年はマンガ系の電子書籍サービスが異常に増えましたね。「マンガボックス」とか「comico(コミコ)」とか。ほぼ全出版社が始めた年でもありました。なんであんな増えたのか・・。

(吉田)やはり(紙の)雑誌が見切れたんです。今までは(紙媒体を)復活させろと言っていた。しかしそれは無理だとわかり、新しい道を探れとなって今に至っている・・・。

(加畑)あんなに出版社ごとに分かれているのも使いにくい。横断している会社が一つもない・・・。

(Tehu)最終的には淘汰されて一緒になって行くんでしょうけど・・・。

(吉田)雑誌というシステム自体が元々ウェブとなじまないんですよ。

今年を象徴することがもうひとつありました。「ごった煮イベントに人が入らない」ということ。欲しいものを狙い撃ちする(できる)時代になったため、どんどん「強いつながり」を強くしていってしまう。「弱いつながり」を忘れてしまうことが本質的な問題。

雑誌(週刊誌)で言えば、自分のお気に入り以外の関係ないページをつらつらっとめくってても「これは面白い」などとならなくなってきている。これはまずいと思うわけです。

>雑誌は「ごった煮メディア」の象徴ですね。

(吉田)例えば「チームしゃちほこ」ファンだったらしゃちほこ以外全く興味がない。他のイベントとか。昔はこんな極端にはならなかったはず。特にアイドルファンは・・・。

(Tehu)「チームしゃちほこ」面白かったな。先日イベント行きました笑。

>まさに「強いつながり」一辺倒になっているということですね。それが雑誌のようなごった煮ビジネスをダメにして、切れ切れのネット単行本だけに文化をシフトさせてしまっている・・・。

(吉田)私はまさにその横つながりのごった煮アナウンサーなので稀少価値がますます上昇中笑。

(加畑)(何度もここで議論して来たように)みんな自分の世界だけで生きられちゃうと、それ以上広い世界は必要ないということが日々どんどん証明されている感はありますね。十分データ供給もされる。

>そういう傾向は今後もどんどん進んで行くんでしょうか。それとも再びごった煮がもてはやされる時代が戻って来る可能性はあるのか・・・。

(吉田)だから逆に何かを手に入れるためには非効率な「町」というものの価値が増しているのかもしれません。

全部ネットだけで済ませられるなら、なるべく地価の安い田舎に住めばいいわけです。でも実際はそうでもないんだなと思うわけです。

ネットが流行れば流行るほど、実際に会うことの価値が高まる。つまり町での出会いの価値が高まっている。

>「町」は「ごった煮」の宝庫なんですね。ネットが普及して「強いつながり」が高まれば高まるほど、町のごった煮の価値が高まり、町の出会いを求めるようになるということ。

(加畑)それはもしかすると、サードウェーブコーヒーなんかが象徴的かも。今までは(他と)同じであること、スターバックスとか、どこに行っても美味しいコーヒー、だったものが、どこに行っても違うものを「町に」求めだした・・・。(町の)多様性に価値を見出し始めた人が増えてきている・・・。

リアルは多様性、ネットは均一性みたいな(生活の)バランスが心地よいと、だんだんわかってきたのかもしれない。

(吉田)ネットでわざわざこだわりのアイテムは購入しませんね。

>ということは、ネットが充実するようになったことで、ようやくリアルとネットの使い分けができるようになってきたということなのかもしれませんね。それが今年だった・・・。

(加畑)景気の状態も関係しているかもしれません。景気が悪ければ外に出なくなる。少し良くなってきたからこそ動こうとするようになり、町に出て多様性があることに気付き始めたということじゃないですかね。

■来年も新たな視点で放送と通信の狭間を語って参ります・・・

>出ましたね。今年2014年をざっとまとめると・・・

◎フェイスブックが生活の中のスナップ写真のあり方を変えた年

◎電子書籍が人によってはかなり生活に入り込んできた年

◎強いつながりの折返し地点の年

◎弱いつながりとしての「ごった煮」を求めて町に始めた年

◎IoTは世間が言うほどあんまり進まなかった年

こんなところでしょうか。それでは最後に「みなさんが今年出来たこと」で締めたいと思います。

(吉田)私は、今週ようやく本が書き上がりました。内容は以前から言ってた人と人とのコミュニケーションのハウトゥ本です。タイトルは「なぜこの人と話をすると楽になるのか(仮)」、太田出版から年明け1~2月頃の発売予定。先行発売イベントなども考えています。これが今年の大きな一歩。

それと「アニソンDJ」が楽しかったです。年明けに風営法の法規制が変わる(10ルクス以上なら風営法から除外)ので、さらにアニソンDJは盛り上がります。年明け一番やりたいことNo1です。

(加畑)私は、11月に1カ月で世界1周半をしたことですね。世界は広いと思いました。1カ月でそれだけ移動するといろいろわかることも多かった・・・。世の中の見え方が変わりました。

(Tehu)私は、今年大学生になり、そして会社にも入社いたしました。「Life is Tech !」という中学生、高校生がプログラミング、iPhoneアプリ作成、Androidアプリ開発、デザイン、ゲーム開発を学ぶITキャンプ・スクールの会社です。ここでクリエイティブプランナーをやることになりました。

>みなさん今年も1年ありがとうございました。来年もさらに皆さんのセンスで新しい視点を見出していきましょう。


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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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