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日本はなぜ4K・8K放送に向かわねばならないのか・・・

2014/09/18 10:00
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プロフィール

土屋夏彦

radikoが有料で全国が聴けるようになり、いよいよ聴き逃しサービス「タイムフリー」も始まるかと思いきや、2016年になってしまいましたが、AMが在京3局も含め順次ワイドFM化を始め、TOKYOFMグループのi-dioもいよいよこの3月から始まるようで、今年の地殻変動はかなり大きいかも!
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■テレビもラジオも新時代に向けて進化が始まります・・・

前回でも予告しましたが、総務省は8月29日、高解像度の「4K」および「8K」の放送サービスについて、BSでの試験放送を2016年に始めることを盛り込んだ中間報告案を正式に公表、本放送は18年に始める予定を明記。2020年の東京五輪に向けて、4K・8K放送の視聴環境を整備し、「東京五輪の数多くの中継が4K・8Kで放送されている」、「4K・8K放送が普及し、多くの視聴者が市販のテレビで4K・8K放送番組を楽しんでいる」とするビジョンも明記されました。

総務省がここまで詳しく宣言するのも珍しく、オールジャパンでテレビ放送の高解像度サービスに取り組むことへの意欲が伺われます。

また9月3日には、TBS、文化放送、ニッポン放送の関東広域AMラジオ3社に、FM補完中継局の予備免許が付与されました。いわゆる災害対策と難聴取地域の解消が主な目的となっていますが、これもT-FMなどが中心となって取り組んでいる「V-Lowマルチメディア放送」と共に、これからの次世代ラジオへの進化への取り組みが一歩前進したことにほかなりません。

しかし一方で、視聴者からすると、地デジ化によってテレビの買い替えを余儀なくされるなど、利用者への負担も伴うため、なぜそこまでする必要があるのか、フルハイビジョンで十分、急ぐ必要はあるのかといった声も聞きます。

そんな疑問を誰に相談したらいいのかと探していたところ、なんと、そのあたりを推進させている張本人から正直なところの本音を聞くことができましたので、みなさんにご紹介したいと思います。

今年の6月までNHK技術研究所の所長をされておられた藤澤秀一さんです。

彼は1979年上智大学理工学部卒業後、80年NHKに入局。1982年より放送技術研究所において中波ステレオ放送、1997年には技術局開発センターにてBSデジタル放送の立ち上げ、さらには2001年より技術局計画部において地上デジタル放送の立ち上げなど数々の放送の歴史的場面に携わってこられた方で、今年の6月まで技術研究所の所長をされ、現在は(財)NHKエンジニアリングシステムの研究主幹をされています。彼は私の大学の同じ学部の先輩でもあります。

■デジタル化されてテレビは勝手に進化し始めた・・・

>私は元々、BSデジタルラジオが立ち上がった頃にニッポン放送のデジタル部門に所属して地上デジタルラジオの実験放送を担当していたんですが、結局、それも実験放送だけで終了してしまいました。これから始まる4K放送や8K放送、ハイブリッドキャストなどは本当に始まるのか、そのあたりから話を伺っていきたいと思うんですが・・・。

(藤澤)入局当時、ARIB(アライブ)という「一般社団法人 電波産業会」が放送のいろいろな企画を作っていて、当時は(1995年に電波システム開発センターと統合されるまでは)BTA(放送技術開発協議会)と言ってたと思いますが、そこの立ち上がりの最初の企画が「中波ステレオ(AMステレオ放送)」だったんです。

たしかTBSの方が主査でやってらして、アメリカにあるいくつかの方式などから日本でどういう方式が良いかの実験をいろいろしていて、研究所に来て最初に担当したのが「中波ステレオ(AMステレオ放送)」でした。一緒になって実験していたことを思い出します。

>AMラジオの進化は、私の経験するところ2回あって、一つは1980年代前半に行われた、音質を良くするための「プリエンファシス方式」の採用。そしてもう一つがこの「AMステレオ放送」だったと思うんですが、AMステレオは今では、受信チューナーの製造が2013年で終了してしまっています。放送はステレオのままなのでradiko.jp(ネット配信)ではAMもステレオで聴けます。いまもradikoならスマホなどの携帯電話で聞けるので、もはやラジオチューナーで電波を拾って聞く時代じゃなくなりましたね。

(藤澤)この前の東日本大震災のときのようなときは中波ラジオが大活躍しましたね。

>そうですね、災害の際にradikoなどネット経由で情報を得るには、バッテリーがすぐになくなってしまうので、AMラジオなどのほうが断然便利でした。

(藤澤)でもきっとこのままだと後悔する時が来るかもしれませんよ。現状では普段からラジオチューナーは持ち歩かないですからね。

>つまりFM多重やV-LOWマルチメディアなんかやってる前に、バッテリーの持ちを良くさせるネットラジオの研究をしたほうがいいかも知れないということですね。これは全く持って同感ですね。ところで藤澤さんはその後、1997年にBSデジタルの立ち上げに関わられ、そして地上デジタルになり、2012年にNHK技術研究所の所長になられたということですが・・・。

(藤澤)約2年所長を務めて、今年黒田所長に引き継いで、私は現在の(財)NHKエンジニアリングシステムに再就職したわけです。私も来年還暦ですから笑。


写真:藤澤秀一さん

NHKエンジニアリングシステムでの職務ですが、技研というのは放送法で決められた職務があって、あくまで「放送の進歩発展」なんですが、今ではスーパーハイビジョンなどの研究は医療運用など、放送外応用という目的も出てきています。しかしそのために受信料を使って研究するわけには行かない。

そのような技研で出来た研究成果を放送外でも社会に展開させられるのがこのNHKエンジニアリングシステム、つまり技研で作った研究成果を、放送以外の別の展開に役立てる、実用化レベルのことが出来るわけです。

>そんな中、すべてはオリンピックの歴史とともに発展してきた(テレビジョン)放送ということなんですが、2020年の東京オリンピックまでの間に、藤澤さんとしては、今何をしていかなければならないんでしょうか。

(藤澤)2000年にBSデジタル放送が始まり、いわゆる基幹放送のデジタル化が進み始めました。2011年には地上テレビ放送が完全デジタル化されました。

デジタル化されることによって、地上放送だとゴーストがなくなるとか、ハイビジョン(の画質)になるとか、データ放送ができるとか、そういったことは頭にあった(予測できた)んですが、それ以外のこと(予想外のこと)が2つありました。

一つは「進化し続ける」ようになってしまったこと。デジタル化によって放っておいても(メーカーが勝手に)4Kテレビを出して来る。

今までは放送局が、こういうサービスをやりたいということで(メーカーと)取り組んで来た。アナログの時代でもあったんですよ、例えばテレビをステレオ化したいとか、文字多重放送をしたいとか、AMステレオだってそうです。

これまでは放送局がそういうサービスをやりたいということがトリガーになってメーカーと共に発展してきたのが、デジタル化されたとたんに、勝手にどんどん進化するようになっちゃったんです。

そしてもうひとつは、それを放送局がある意味追っかけるようになった。たまたま今回は4K・8Kという話、スーパーハイビジョンの話で言えば、NHKは4Kではなくて(そもそも)8Kを目指して1995年からずっと研究開発をしてきた。かろうじて放送事業者としての主導的な展開が出来てはいますが、それを4Kの世界が追っかけてきている、放送事業者としてはそんな状況に立たされているんです。

>要するに4Kというのは、NHK(ほか放送局側)としては8Kだったのに、世の中の動きから4Kが出てきてしまったということなんですね。

(藤澤)4K(という仕様)が出てきたことを否定するつもりはないし、むしろ良いことだと思いますが、ただ放送局がサービスとして展開していきたい要望から出てきたものではなくて、技術の進展だけで出てきた仕様なわけです。

放送局からすると(その技術の進展から)追っかけられて、どうすんだ、どうすんだと(急かされている)いう状況になっていると感じるのが正直な気持ちです。

ただそれをやっと昨年の総務省主催の「放送サービスの高度化に関する検討会」で、だいたいこんなスケジュールでやっていきましょうと、放送局だけでなく、メーカーさんや通信事業者の方々も、オールジャパンとして、ロードマップが昨年6月提示されたました。

それでまとまってなんとかそういう方向で行こうとなったのが、2020年東京オリンピック時に4K・8Kの本放送を始めようということ、当然その時に目指すことは、単なる高精細度だけではなくて、ハイブリッドキャストという放送と通信の融合、全部一緒になった形を描いた。それを2020年実用化を目指す、オールジャパンでやっていこうと、なったわけです。いま、少なくともNHKはそこに向けてはっちゃきになっているというわけです。

■4K・8K技術は放送以外でも活かせる・・・

>それまであと6年くらいということですが、その間に、まだ出来ていないこと、確実にやり遂げなければならないこと(乗り越えなければならないこと)は、どんなことがあるんでしょうか。

(藤澤)一つは、4Kでは技術的なめどはほぼ立っているんですが、民生レベルまで持っていく必要があるのが「圧縮」なんです。映像の圧縮率を高めないと8Kの放送にまでは至らないわけです。ひとつのトラポンで8K放送を実施できるようにする必要があるからです。

現在「HEVC(High Efficiency Video Coding )」というコーディングの技術があるんですが、「H.265」という言い方もしますが、この技術はMPEGの(研究開発チームの)ほうでも共有化が進んでいるんですが、8Kも含めて、やっと技研の方でもコーデックが開発できた、ただそれはまだ大きな機械なんですが、実際はデコーダーが受信機の中に入るようにチップ化しなければならないわけです。8Kはまだそれが出来ていないんです。それをこれから開発していかねばならないと・・・。

ただ技術的にそれがどうしても出来ないレベルかと言えば、そうではなくて、やろうと思えば出来るレベル。あとはどれだけ売れるのかとかビジネスの話と関係があるフェーズになってきているわけです。

>ちなみにこの動画の圧縮技術は、いわゆる暗号化のような技術なんですか? ソフトウエアのアルゴリズムで解決されるもの? 例えば0000だったら0が4つとかにまとめてしまうようなものとか・・。

(藤澤)それは「算術符号化アルゴリズム」というんですが、それ以外にも例えば、映像を冷静になって見てみるとほとんど動いていない部分があるわけです。空を撮影していて飛行機を追いかけているシーンだったとすると、飛行機が動いているだけで、ほかはべったり青い空だけ、そういうときに全部の画像をバカ正直に送ると膨大な映像の量になるので、変化していない部分については(一度きりで)送らないとかそんな「冗長な部分」を全部そぎ落としていく圧縮技術(アルゴリズム)もあるわけです。

これをやることによって、重たい情報量も何百分の一まで持って行くことが出来る、逆にこれが出来ないとデジタル放送って成立しないんですよ。

それで一番最初に使われた技術がMPEG-2というやり方で、2000年のBSデジタル放送と、2003年の地上デジタル放送に採用されたわけです。

地上デジタルに「ワンセグ」がありますよね、あそこからH.264という技術を使い始めたんです(2006年4月)。CS放送でもH.264が採用されていますね。

そして今回の4K・8KでやろうとしているのがH.265(HEVC)になります。だいたい効率が2倍になっていってます。MPEG-2で"10"行ってたところが、H.264で"5"で済むようになった、H.265になれば、それが"2"で済むようになる、そういう目標で圧縮率を上げていっているわけです。

アルゴリズムが出来ても、今度はこれをチップ化しなければ実用化には至らないわけです。そのために最初に作るプロトタイプはFPGA(field-programmable gate array)という汎用のICチップに、アルゴリズムを書いていくわけです。このICチップをだーっと並べて力技で圧縮するのなら今でも出来ている、でも現実は小さなチップにして受信機の中に収めなければならない・・・。その部分がこれからになります。

>その圧縮技術がほとんどを占めているということなんですか?

(藤澤)それ以外だと、ディスプレイですね。屋内で使うディスプレイが、4Kはもう出来上がっているんですが、8Kはまだプロトタイプ、試作レベルのものしかないんです。それをちゃんと民生レベルまで持っていかなければならない。

変な話なんですが、今の普通のハイビジョン(2K)は200万画素。これがiPadなどの9.7インチレティーナディスプレイでも、家の50インチでも200万画素あるわけですから大きくすると粗になります(画素や画素との間が広がる)。

そんな関係の中、3300万画素はそれの16倍になりますから、それを作るとなると、難しいのは小さいディスプレイなんです。小さくするほうが画素そのものをすごく細かくしなければならない。なのでディスプレイを作る技術的な課題は小さいものが難しいというわけです。

ただスーパーハイビジョンの良さは、ある程度大きなディスプレイで効果が出るものなので、例えば70インチとか、この大きさのものを家に運び込むことになるので、軽くて持ち運びも便利なものをこれから開発していかなければならないというわけです。有機ELなどを利用しながら・・・。これもひとつの課題ですね。

>スーパーハイビジョンに13インチや15インチはないかもしれないということですか?

(藤澤)実際は最高峰の技術でそれらもできているんです。ただ放送のためにそこまでやる必要があるのかということです。逆に言えば、iPadで8Kの動画を見ると想定した場合、現在の2Kでも十分綺麗じゃないですか。これを8Kディスプレイにしたとき、いまの16倍まで拡大しても全くボケなくなる。見たいところを拡大して見る、そういう使い方が出てくれば開発する必要も出てくる。

実はこの見たいところを拡大するという使い方が、これからのタブレットの主流になるかもしれないとも言えます。

私は現在医療用分野も担当しているんですが、医療用器具として考えれば、全体像をまず見て、ここの部分はどうだと拡大して見る。元々が2Kだったら、拡大するとぼけてしまいますが、8Kで作ってあれば16倍まで拡大しても変わらないわけです。そういった応用展開も考えられます。

>つまり放送のためにいろいろやってらっしゃるけれど、放送以外の分野の方で4K・8Kの利用価値があるかもしれないということですね。それはすごく面白いですね、藤澤さんがいまやってらっしゃるポジションの中で、そのエンジニアリングシステムが医療分野に進出する可能性があるってことですよね。

(藤澤)そういう分野でも応用できる技術を開発していきたいということですね。


写真:NHK技術研究所

■決め手はハイブリッドキャスト・・・

>先日もお話しあったかと思いますが、そういう中から「放送と通信の融合」がさらに進んでいくと思うんですが、藤澤さんが考えてらっしゃる「放送つ通信の融合」の到達点(ゴール)はどのようにイメージされていますか・・・。

(藤澤)到達点というよりは、放送局として考えている「融合」というのはどういう姿かになりますが、実際はいろいろなゴールがあると思いますが、私達が考える「融合」では、放送番組に関わるいろいろな情報を通信経由で送るというのが基本にあります。

放送番組そのものはブロードキャストで、一対n(エヌ)で送り、数多くの人たちに提供することは変わらず、番組ごとの視聴者それぞれがほしい情報は千差万別なので、通信を使って送る、これが本当の「放送つ通信の融合」の姿だと思っています。

以前スマートテレビと言っていたのは、テレビがテレビだったりパソコンになったりスイッチで切り替わるものだったと思うんです。(本当の「放送つ通信の融合」は)放送番組見ながら通信経由でいろいろな情報を、その人が求めている情報を、テレビ画面で見られたり、タブレットで見れたりすること、これを目指しているのがハイブリッドキャスト(という放送方式)なんです。

今年の技研公開でも展示したんですが、そういう高精細な画面になってしかも大型になっていくと、マルチウインドウでどんなものを出したらいいか、これがけっこう面白いんです。

>昨年9月からすでに一部の番組では実験的にハイブリッドキャストで放送されていて、過去のニュースなどが見られる「みのがしなつかし」や、その場で検索ができる「キーワードコネクト」なども効果を上げているようですね。つまりハイブリッドキャストになるとマルチウインドウ機能でテレビがさらに面白くなる・・・。

(藤澤)放送での使い方としては、例えばゴルフ中継でホール別の中継をマルチウインドウで出したり、選手のスコアをグラフで出したり・・・。

送り方としてはハイブリッドキャストで、受信側は、今のテレビでもハイブリッドキャストを受けるためのHTML5対応ブラウザは積んでいるものもあり、これならばHTML5で送り手側がアプリケーション作れば、民生機でもすでに受信できるわけです。

>なるほどアプリでサービスが提供できるようになるわけですね。

(藤澤)例えば、大河ドラマを見るとき、前の回のドラマを見たいと思ったら、今ならNHKオンデマンドに行って見ることになりますが、それが(ハイブリッドキャストの時代になると)「見逃し」というボタンがテレビ画面上に表示され、これをクリックすれば、これまでのバックナンバーが出てきて選ぶことが出来るようになります。

>テレビ画面上でオンデマンドサービスとライブ放送がシームレスに行き来できるということですね。

(藤澤)あるいは、今の話よりももっと精密な同期が必要になりますが、サッカーの試合の中継、どこを走ってるのがどの選手かを知りたいと思ったら、ボタンを押せば、画面上に選手名がタグで表示される、しかもそのタグが出せるということは、選手の動きの情報もネットワークで提供されていることになります、中村俊輔が(1試合で)どれだけ走ったのか、シュートは何本打ったのか、それらの情報がアプリケーションの中で処理された形で提供できる。

今お話していることはほんの一握りの例で、クリエイターがどんなことやったら面白いかと世界を広げていく話なんです。

>今までは、放送局があって、放送局からアプリケーションも提供されていた、これからは、アプリケーションの提供は、一般の会社や個人に開放し、そこで新たなビジネスを生む、すなわち放送というプラットフォームとその上でサービスを提供するアプリケーションに分かれるということですね。

(藤澤)仰るとおりです。なかなか放送局ってそういうところに乗り出せないでいたんですが、まだ実際のビジネスとしてはもう少し時間がかかるかもしれませんが、そういったことをちゃんとルール化して(それぞれの立場を)守れるような(オープン)プラットフォームを作っていけば、どれぐらい先になるかわかりませんが、実現は近く、これが成立すれば、いろいろなビジネスが生まれていきます。

なんとなくやだやだと、放送事業者が情報提供しなかったためにハード(これからはアプリケーション)が自主的に進化できなかったことが、これからは積極的に放送事業者が情報提供(オープン化)するのとは進化の速度が全く違いますよね。

実はこういったことで放送局とメーカーが向きあえているのは日本だけかもしれません。

>大変おもしろ話ですね。最後にこれから2020年に向けて藤澤さんとしては何を目指したいかお聞かせください。

(藤澤)ひとつは、ありきたりの話なんですが、4K・8Kの世界をできるだけ多くの人に知っていただくこと、先日のFIFAワールドカップでも4Kのパブリックビューイングでブラジルから特別な国際回線を通じて放送したんですが、次回は2016年のリオのオリンピックなど、機会を見つけて、より多くの方々に体験していただく、こればっかりは見ないとわかりません。宇宙博でも8K映像を紹介しています。(9月23日で終了)

もうひとつは、4K・8K放送に関連したさまざまな機材が必要になる、カメラ、編集機、放送設備などなど、基本的なものはすでに揃い始めていますが、これらの開発に多くの技術を提供してより使いやすいものを開発できる環境整備を目指していきたいですね。

>ありがとうございました。

最初に掲げた「4K・8K、なぜそこまでする必要があるのか」についてはかなりすっきり理解できました。4K・8Kというよりもハイブリッドキャストに進化させて、新たな放送とアプリの新ビジネス市場を作り上げることが何より重要だということなんですね。

最後に俗に言われる世界標準の話題、藤澤さんによれば、4K・8Kの世界標準を日本が勝ち取ることも必要だが、勝ち取ってもそれを日本メーカーが優位に運用できるとは限らないそうなんです。

実際2Kでは日本方式が世界で利用されていますが、それで一番儲かったのは日本以外のメーカーになってしまっているそうです。結局は各国へ良い製品を輸出できるようにするための「ロビー活動」も重要なのだそうです。技術を進化させるとともに世界に向けて市場を作っていく知恵も重要になっていくんですね。

藤澤 秀一(ふじさわ しゅういち)プロフィール

1955年東京都生まれ。上智大学理工学部卒業後、1980年NHK入局。82年より放送技術研究所において中波ステレオ放送、ハイビジョンデジタル光伝送、光CATV等の研究に従事。1997年より技術局開発センターにてBSデジタル放送の立ち上げ、2001年より技術局計画部において地上デジタル放送の立ち上げに従事。2004年放送技術研究所研究企画部長、2005年総合企画室デジタル放送推進統括担当部長を経て、2010年放送技術研究所副所長、2012年より放送技術研究所長。2014年6月技研を退職し、現在(財)NHKエンジニアリングシステム研究主幹。趣味は釣り、ギターコレクション。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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